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マタニティにじみ絵ワークのはじまりの話①

11年前、娘を出産した助産院の院長先生に
絵を描きたがっている臨月の妊婦さんがいるから
アトリエでかかせてやってもらえないか
そんな相談があった。
アトリエといっても、自分が制作するためだけのパーソナルスペースだし、そもそも絵画教室さえ開いていなかったからどうしようか悩んだが、お産をしたばかりだった私は妊婦さんを観察したい興味から受け入れることにした。
受け入れたは良いが、臨月という1番緩むべき時期に
上手い下手を気にする今までのいわゆる絵画では
お腹の中の方も居心地が悪かろう、、、とあれこれ思案し、ピンと閃いた画材があった。

にじみ絵だ。


なんでだろう、産みたてだったからか、やりたかたからか、使ったこともなかった画材だったのに、それ以外あり得ないと思った。早速画材を取り寄せてまだ乳飲み児だった娘が寝ている間に色々試してみると、今まで色んな画材で色んな描き方をしてきたけれど、味わったことの無い感覚を覚えた。

これは臨月の妊婦さんにうってつけだ!!

そう確信して、彼女をアトリエに受け入れた。受け入れた日は、予定日近辺だったと記憶している。
予想通り、描く気満々で訪れた彼女は、気が上に上がっていて「上手くかいてやる!!」という気に満ちていた。その状態は、すこぶるお腹の方にとって居心地がわるいのに。。。
彼女の意に反して私が用意した画材は、思うようにコントロールできず、むしろ「上手にかいてやる!!」を手放すやり方だった。
枚数を重ねるごとに、表情が変わり、遊び の気が満ちた時、もう満足した!と彼女が筆を置いた瞬間、、、、、、、、。

続きは②へ。

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