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完璧じゃない自分を受け入れる —植本一子『愛は時間がかかる』を読んで

今日こちらの記事を読みました。

「不完全体をさらす修行」という表現がすごくいいなって思いました。
というのも、今まさに自分に必要なことを言い当ててくれたからです。

「今のままの自分ではだめだ。」
「もっと勉強してなりたい自分にならないと。」
「本当にやりたいことをやれるようになるために、努力しないと。」
私は、こういった考え方にずっと囚われていました。

この心の持ち方、向上心があるようにも捉えられるけど、一方で、現在の自分から目をそらし続けることで、逃げ場を作っていたんですね。

「本当は自分はもっといろいろなことができるはず。」
「やりたいことがやれていないのは今だけ。いつかできるようになるんだ。」
今のままの自分が好きになれなくて、受け入れられなくて、未来に「理想の自分」を作ることで逃げていた。

ところが最近、そんな考え方から脱却するフェーズに入ったように思います。
10月はいろんなことがありました。
いろんなことがじわじわと影響して意識改革のスイッチが入ったんだと思うけど、1番大きなきっかけは、植本一子さん著『愛は時間がかかる』を読んだこと。

『愛は時間がかかる』は、植本さん自身が体験したEMDRというトラウマ治療を3か月間にわたって記録したものです。
私自身も傷や寂しさを抱えていたり、近しい間柄の人と良好な関係をうまく築くことができない悩みがありました。
でも、過去の傷ついた体験は話すのにとても勇気がいるし、パートナーシップ(または恋愛)について悩んで振り回されている自分のことを恥ずかしいと思っていたので、私の中ではなるべく隠しておきたいことでした。

だけど、植本さんの本を読んで本当にすごいと思った。
過去の傷ついた経験だったり、パートナーとの関係で必要以上に不安を感じてしまうことだったり、ものすごくパーソナルな内容が書かれていているんです。ちなみにパートナーに向けた手紙という形式なのでより一層、パーソナルな感じがします。
こんなに正直に、自分の弱さや格好悪いところを開示している人がいるなんて。
包み隠さず、自分が悩んでもがいている姿を見せている。すごい。

「状況は違えど、きっと似たような境遇の人がいるかもしれません。その人のためにも、こんな方法があるのだということを知らせなければ。そのために書かなければ。」
本の帯にも載っているこの言葉。植本さん、なんて善い人なんだろう。

自分のことを振り返ってみました。
私は人の前で完璧な自分を演じないといけないっていう意識が強いんだろう。
弱いところや格好悪いところって隠さないといけないことだと思っていました。
自分の交際関係での悩みなんて、くだらないことだと思っていました。
でも、植本さんの本を読んで、「こんなことも書いていいんだ…!」って新しい発見をしたんですよね。

書く人にとっては当たり前のことかもしれないですね。
ありのままの自分を書かなくて、他に一体何を書くというんだ?
結局、私が私について書けるのはこの完璧じゃない自分のことだけ。

不完全体をさらす修行。
今回私が書いたことは、冒頭で紹介した記事の中での意味合いとはちょっと違うかもしれないです。でも、良い言葉だなと思います。

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