臭い紅茶のカーレビュー(友人編①)

車が好きなのでカーレビューを書くことにした。子どもの頃から中古車情報誌を読んでいたのでそれなりには詳しいと思う。と言っても興味は主にデザインやざっくりとした乗り味に限られていて、重度の機械音痴ゆえに小難しい機能に関してはまるで知らないし、エンジンやギアの仕組みさえよく理解していない。ただそれ故に、例えば音楽やお笑いのように自分が時々生産者側に回るような趣味では売れ筋の作品に対する疑問とか僻みみたいなものが多少湧いてくるけれど、車に関してはそれがない。何もわからんから全部好きで全部楽しい。幸せ。

今回は友達の車で一瞬でも運転したことがあるものを思い出と共にレビューする。そこそこ田舎の大学だったので公共交通機関では快適な生活が難しく、大学生でも車を持ってる奴が多かった。経済状況は様々で、実家が金持ち勢はポルシェやらBMWやら新車のプラドやらに乗っていたが、そういう層の人達は当然ながら自分とはあまり縁がなかった。

ホンダ•トゥデイ(2代目)

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大学生ながら会社を立ち上げ、妻子もいて、大学生活が疎かになってたアクティブな友達の車。頭脳•運動•芸術•ユーモア•友情•行動力•リーダーシップといった人を惹きつける才能に優れていて、他が色々と欠落していた。例えばそれは安全意識で、狭い路地をあり得ない速さでバック走行していく彼にはこの車がピッタリだった。バック時の警告音がキンコンキンコン鳴る中で小さいエンジンが雄叫びを上げ、みんなでキャーキャー言いながらシートにしがみ付いていた。この車は見ての通り小回りの効きがウリ。545ccのエンジンも700kg足らずの車体には十分で、カートで街を走ってるような爽快感があった。数名の男が軽自動車にギュウギュウに詰まった光景はなかなか趣があり、青春だった。

ホンダ•ステップワゴン(初代)

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前述のトゥデイが故障して、実家からデカいのを連れてきた。俺が幼稚園児の時に憧れていた車だったので、銭湯の帰りに眠くなった友達の代わりに運転させてもらった時はめちゃくちゃ嬉しかった。当時のミニバンは見た目の割に車体が小さく、車重も軽いので意外とキビキビした走りだった。広いはずの車内には仕事の物品が散らかっており、常に狭かった。終盤は常に窓ガラスが割れていて、そのうち廃車になった。

ホンダ•エアウェイブ

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https://youtu.be/FDoE8Jpb_YE

彼は何故かホンダ車を乗り継いでいて、ホンダの弱点と言われるバッテリーを何度もダウンさせていた。CMにもあるように、この車の特徴は屋根が一面ガラス張りになっていること。5人くらいで旅行に行く時、青空や紅葉を見ながらワイワイするのが楽しかった。この車でドライブ中にみんなで歌ってたら伊代パラッポが生まれた。乗り味は可もなく不可もなし。普通。

トヨタ•bB(2代目)

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2人目。浜で育った友達の車。情の厚い元ヤン•つり目•180cm•パンクギタリストと豪傑だが、その一方で現役の後期日程合格だけにめちゃ頭が良い努力家で、手先は器用で綺麗好き、と仲間内で一番万能だった。挨拶よりも下ネタが多いナイスガイで、ザコシショウが売れる前から応援していた。もともとbBはトヨタお得意のマイルドヤンキーをターゲットにした車で彼によく似合っており、青く光る灰皿とヤンキーの香水が乗っていたが、持ち前の二面性からいつも安全運転を徹底していた。車の乗り味はパワステが軽くてトヨタ車にありがちな感じだが、とにかくエンジンがパワー不足で、空気抵抗も大きく加速は悪かった。そのかわり居住性に関しては車格に対して最高クラスに広々としており、彼自身も「HOTEL bB」と名付けては時折良くない楽しみ方をしていた。最近はすっかり落ち着いてしまい、新しい車にチャイルドシートを乗せる準備などをしている。

ライカー 詳細不明(忘れた)

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3人目。一見おとなしそうな外見の男だが中身もおとなしいのでbBの男によくいじめられていた。とにかく優しく友達思いで、どこか詩的で思慮深く、さらに俺の大喜利にも理解を示してくれる。クラシックギターや絵画、ソロキャンプといったお洒落な趣味と白人女性のセックスに関心があり、一緒にタイ旅行をした時もロシア系風俗店についての知識を披露して現地のガイドから「偉い!勉強してますネ!」と絶賛されていた。普段はお洒落で堅実なミニ・クロスオーバーに乗っているが、アウトドアにハマって色んなアイテムを増やしていく中で何故かこのトライク(三輪車)も買っていた。急にどうした。

この車は最高。普通免許で乗れるけどほぼバイク。自分で乗るのは怖かったけど、後ろに乗せてもらう分にはめちゃくちゃ気持ちよかった。彼がこれに乗って出勤する時、周りの人全員からジロジロ見られていて面白い。

トヨタ•ハイラックスサーフ(2代目)

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似た車がなかったので、写真は誕生日に作ったミニチュア。

4人目。最近よくダム湖で遊んでたのはこの男。半分くらい一緒に暮らしてるみたいな時期が昔あった。大喜利に一定の理解があり、長文ボケにダメ出しをしてくる。相当な努力家で体力も凄まじく仕事は俺の10倍できるが、エロいことが好きすぎて将来を見定められず焦っている。学生時代はパチンコ好きかつ強運で、陸上部だった彼は長距離走の途中でパチンコ屋に立ち寄り、財布を満たしてから何食わぬ顔で練習に戻っていた。ある日パチンコで儲けた夜に馴染みの居酒屋で飲んでいると、ワイルド系の知らない男に出会い、乗ってきた車を50万で売りたいという話をされた。ゴリゴリに車高を上げてデカいタイヤを履かせたバカ丸出しの車だったので、いやさすがに…という対応をしていたが、次第にビールが進んで、目立ちたがりの彼はその場のノリでこの車を買ってしまった。

加速は最悪、排気ガスも最悪、音もうるさかったがこの車は最高だった。デカすぎるタイヤのせいで道なき道を進むことが出来た。人より背の高い草が生い茂る河辺に立ち入り、一人がサンルーフから頭を出して運転手にハンドル操作を指示しながら釣り場を探したりした。これ入っちゃダメだろみたいな場所にも車で侵入することができたし、旅行先で川にハマって焦ったりもした。冬に埋まった車を引きずり出したりもした。彼が埼玉に引っ越すことになり、セカンドカーとしてこの車に乗るよう勧められたが、車検に30万かかったので迷わず断った。

トヨタ・ランドクルーザー80

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彼が北海道に戻ってきてすぐに買った車。車高もこのくらい。アホ。かっこいいけどアホ。古くても元は高級車なだけあって乗り心地は悪くないが、タイヤがデカすぎて全てのバランスがおかしくなっている。彼は来年から2年間タイに行くので、俺が代わりに乗ることになっている。本気か?

友達編①でした。続くかもしれません。




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