見出し画像

金曜日の夜は

40の声を聴いたころから、ガクンガクンと音を立ててお酒に弱くなってきた。ざまーない。お酒が好き、お酒の席も大好き人間。遺伝的にも、お酒に酔わないと人種だと信じてそれまでやって来た。ましてや酔っぱらって記憶がないけど、気が付けば家に帰って布団で寝てた、という類の話は『まんが日本昔話』だと思っていた。

それがよ、それが今では、みんな大好きハイボールの2-3杯目くらいで頭痛を感じるようになった。それにワインが追加されると、記憶の抜け落ちができるようになった。思い返しても(あれ?何を話したっけ?)状態で覚束ない。足元もフワフワしている。このままでは『まんが日本昔話』の国の住人になってしまう。そんな有様なので、もっぱらウチで気楽な一人飲みが好きになった。好きなんだけど、つまらない。そのつまらなさも、またいい。

ただし、お酒が破壊する満腹リミッター、家飲みだとそれはそれは派手に破壊される。誰の目も気にしなくていいんだもの。今日の〆はペヤングだった。さすがに重たい。重たいけど美味しかった。後悔しながら思い出すのは、新入社員の頃、散々愛想を振りまきながら、お酌をして回った飲み会の帰り道、降りた駅のロータリーにミニバンで売りに来ていた、熱々のたこ焼きを買ってトボトボと坂道を登りながら、玄関でパンプスを脱いだ時の浮腫んだ足の感覚を懐かしく思う。なんでこの記憶なんだろう?

昔話だし、内容が散漫なのは酔っぱらっているということにしておこう。