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「憧れのまほうつかい」

昨日、図書館のイギリス旅本コーナーでたまたま手に取ったさくらももこのエッセイ「憧れのまほうつかい(1998年発行)」

イギリス旅本のコーナーにあるくらいだから、さくらももこがイギリスに行った時のことが書かれている

読み始めて読んだことがあると気づいた
イギリスのウェッジウッドの工場に見学に行った時の章があり、私の中でいつからか「ウェッジウッドの工場=さくらももこ」、という連想ができていて何かで読んだ記憶があったから

イギリス情報を貪っていた頃、青森市民図書館のイギリス旅本やエッセイ系はほとんど網羅したと思う
なので多分、この本も読んでいるはず

ページをめくると、久しぶりのさくらももこ節にすっかりはまり一気読みしてしまった

さくらももこのエッセイはそこそこ読んでいて、もちろんデビューは「もものかんづめ」
その後もいろいろなエッセイを出版しているけれど、特に旅物が大好き
ご存知の通り、兎に角さくらももこはおもしろくて大好き

あんなにも切望して行きたいと言った場所にようやく辿り着いて、なんとも独特な感想や、普通ではありえない事件が起こったり全てがたまらない

今回の「憧れのまほうつかい」も例に漏れずおもしろくて、本を読みながら笑ったのなんていつぶりだろう

実体験のように脳に焼きつき、いつの間にか自分もその場所に行った気になってしまっているのがさくらももこの旅本


と、前置きが長すぎたけれど、今回noteに記そうと思ったのはただおもしろかっただけじゃない

このエッセイは、さくらももこが高2の時にたまたま知ったイギリスのイラストレーター、エロール・ル・ルカインをめぐる内容が書かれている

彼女はエロール・ル・ルカインに憧れて、ルカインに会いたくて漫画家になったそうで、1984年に19歳で誰もが知る「ちびまる子ちゃん」で漫画家デビューした

けれど憧れのルカインはその5年後の1989年に47歳でガンで亡くなってしまった

このエッセイでは、彼の死後、日本やイギリスで生前のルカインを知る人たちに会ったりするのだけれど、彼女は生きているうちに本人に会うべきだったと後悔している

2024年にこれを読んでいる私はさくらももこもガンで他界していることを知っていて、なんの因果か考えてしまった

ルカインが亡くなったことを知った時のショックな様子も書かれているけれど、さくらさん、あんたも2018年に日本中を悲しみでいっぱいにするんだよ、と

胸がズキんとし涙がたまってしまい、これは読み進めなければという気持ちになった

今、たまたまこの本を手にした私への何かのメッセージのようにも感じた

とはいえ、このエッセイもさくらももこらしく、くだらなくて、面白さ満載で、最初の涙はどこへやらだった
何がおもしろかったのかと気になると思うけれど、それはぜひご自身で読んでいただきたい

ちなみに私は家族にこのエッセイの内容を教えた時は、思い出し笑いをしてしまったくらい


そして、コジコジでなどで見られる細かいタッチのイラストはルカインに影響をうけたものだと知った

ちびまる子ちゃんの大人の塗り絵シリーズで細かいタッチのものがあり、気に入って買って塗り絵をしていた

細かすぎて、塗るっていうより色をチョンと置くみたいな部分も多く、全然終わらない
購入して5年以上経過していると思うけれど、結局数ページしか塗り終わっていない
申し訳ないけれど、本当に本当にどうしようもなくやることがない時に引っ張り出して塗ったりしている

たまたまこの日に持っていたトートバッグは私が大好きなアーティストShokoさんのイラストがプリントされたものだった
実はShokoさんとさくらさんはプライベートでも仲良しで、無意識にこの二人の作品を一緒に持ち歩いていたことに気づきハッとした


奈良美智さんのクロージングイベントで、私の好きなものをもっと突き詰めていこうと思った気持ちが、ちゃんと形になってきているように感じた


こうして自分の中で無意識に好きが繋がってきていることもとってもおもしろい

そして、会いたい人がこの世から居なくなってしまう前に会ったり、作品に触れたりしたいと誓ったのでした


とりあえず、さくらもものこエッセイを読み直そうかな

数年前に「富士山」を捨ててしまったことをものすごく後悔している
断捨離しなきゃよかったな


▪️さくらももこ展

▪️SHOKO


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