23-6-3 多毛で剛毛の人生
生まれた時から、多毛で剛毛である。
母譲りの。
思春期の頃は、ふわふわの猫っ毛に憧れたものだ。
ちょうど高校〜大学生の頃に、頭の上でおだんごを作るヘアスタイルが流行ったが、私のような剛毛はそんな可愛らしい髪型の女子を指をくわえて見ているだけであった。
私の髪の毛でお団子を作ろうものなら、どんなに髪を丸めてヘアピンで止めて押さえつけようとも、髪の毛自体の反発力というかバネの力が強すぎてすぐにブルンッッッとプロペラのように旋回しながらほどけてただのポニーテールに戻ってしまう。
何十本ものヘアピンを駆使してそのバネの力を封じ込めたところで、憧れた「ゆるふわ」は影も形もなく、「ガッチガチ」のおだんごが頭上に乗っておりなんだか可愛くないのだ。何度か挑戦したが、今世ではおだんごは諦めよう、という結論に達した。
他にもこんなことがある。
多毛&剛毛あるある
髪を3層くらいに分けてドライヤーをかけて乾かしている
シャンプー前に髪を濡らすのに時間がかかる
美容室で軽く梳いてもらっただけなのに、床に小さめの猫一匹分くらいの毛の塊が落ちている
三つ編みにすると「しめ縄みたい」と言われる
指に髪の毛がささる
髪の毛が太くて黒すぎて、友だちに「漆黒の黒だね」と言われる(どんだけ黒いんだよ)
白髪も太い
とりあえず今思いつくのでこんくらいなので、また思いついたら追記したい。(いらん)
髪が多いと乾かすのが大変そうというのはよく言われるが、実は濡らすのも大変なのである。
剛毛は水をめちゃくちゃ弾く。
全然頭皮まで水が届かない。
こういう風に想像してみてほしい。
▶髪の量が少なくて毛が細い人=綿100%のてぬぐい
▶髪の量が多くて毛が太い人=革ジャン
前者は濡らせばすぐにグッショリになるが、後者はなかなか水が染みていかない。時間をかけて水をかけ続けるとやっと濡れるのだ。
私も毎回、水を浸透させるために滝行のようにシャワーを頭に浴びせる無の時間が発生する。
とまぁ色々と愚痴を言ったが、多毛剛毛が真価を発揮するのは齢を重ねてからなのである。
歳をとると人間どうしても髪が少なくなり毛も細くなってくる。
その点私は何の心配も無い。
現にこの遺伝子を私に宿した母親も、60を過ぎてもふさふさとした立派な毛髪が頭を覆っている。
私の髪の毛は誰に遺伝したかというと、息子である。
娘は夫の遺伝子を濃く引き継いでおり、体型や肌質、そして髪質が夫と同じだ。(あと顔もそっくり)
息子は生まれた時から毛量が多く、今でも初対面の人からは8割くらいの確率で「髪の毛多いですね!」と言われている。
息子はおそらく中高年になってもハゲないだろう。
私の、そして私の母の遺伝子に心から感謝するはずだ。
それを見届けるまで死ねないなぁと思っている。
おしまい
※書き忘れたが、なぜこんなに髪の毛のことを語ったかというと今日美容室に行ってきたからでした。
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