昔話

今日は久々に母と電話をした。

私の母はバリバリのキャリアウーマンとやらだ。

私が幼稚園に上がる前には、既に単身赴任でフィリピンやアメリカを飛び回っていた。

だから私は母に育てられた記憶がない。
年に1回か2回しか帰ってこない母を、小さい私は母という認識ではなく時々くる叔母さんくらいに思っていたらしい。(婆ちゃんに聞いた)

久々に帰ってきて私を抱っこしようとすると、この人誰ー?って逃げまわったり、大泣きしたり、、、

正直私は、最近まで母が好きになれなかった。
久々に帰ってきて怒られると、なんじゃこいつってなってたし、父さんにグチグチ言ってたりすると何様ですか?って言いたくなってた時期があった。

常に母にだけ反抗期だった気がする。

私が生まれてからずっと、母は父だった。兄達は母に育てられていたから私みたいに思うことはなかったが、私は10年以上母を母親と認めることができなかった。

ある日、父に「母さんのことも分かってやれ、母さんも好きで子供達と離れてる訳じゃない。」と。

私は昔から父が大好きだ。
優しくて面白くてカッコよくて人気者で。

そんな大好きな父が悲しそうな顔で、分かってやれって言ってきた時、初めて母の立場になって考えた。

愛する娘に、誰?と言われ、大泣きして抱っこもできなくて、会話を交わせるようになっても愛想もなくて話しかけてもこない娘。

私が母の立場だったら、死んでいるかもしれない。

話は変わるが、、、

恥ずかしい話、昔から母は帰ってくる度家族全員に必ずハグをする。
まず、父に、その次兄2人、最後に私。
いくら無愛想でも、無視しても、嫌な顔されても必ずハグをしてくるのだ。

その光景が父に言われた時、バーーっとフラッシュバックしてきた。私が今まで母にしてきたこと、思っていたこと、本当に最低だったと後悔した。

その日から私は母を母と認め、心からハグすることができるようになり、離れていても連絡を頻繁に取るようになった。

今は、仕事ができて誰かのために働く母が誇らしい。
そして、そんな母を頑張ってこいと背中を押した父を心から尊敬している。

父と母のような夫婦に私はなりたい。

おわり

あられ