事故車や修復歴車の違いとは?事故車や修復歴車の見分け方とは?デメリットは?注意点は?
こんにちは。
カーインスペクター・マックスです。
今回のコラムは事故車や修復歴車について解説していこうと思います。
事故車と修復歴車の違いは?
中古車販売店やWEBサイトによって事故車と記載しているところや修復歴車と記載しているところがありよくわからないとう声が多いです。
結論から言いますと事故車と修復歴車はほぼ同じ意味と捉えてもらって大丈夫です。
事故車=修復歴車
細かい違いは気にせず中古車の購入検討の場合は事故車=修復歴車と認識してください。
細かな違い部分をわかりやすく例えるなら
お巡りさん=警察官
と同じ感覚です。
見る角度によって多少違いはあるが、結局は同じ種類ということです。
一般ユーザーの方々は事故車と呼ぶことが多く
業者関係者の方々は修復歴車と呼ぶことが多いです。
このコラムは一般ユーザー向けですのでこちらのコラム解説では統一して事故車と表現していきます。
意味は修復歴車も同じだとご認識お願いします。
事故車や修復歴車の定義とは?
事故車とはどういう車ですか?
よくこのような質問をされることが多いですが、説明には専門的な知識も多少なことからなかなか説明は難しいのが現状です。
できる限りわかりやすく説明をしていきますのでお付き合いください。
事故車を一言でいうならば
骨格にダメージがある車や災害にあっている車です。
自動車の骨格というのは一般的に下記の図をにある部分が骨格となります。
専門的すぎでわかりずらいと思いますので
身近なもので例えますと・・・・
人間の骨格と同じイメージをしてください。
自動車が事故車となるためには人間でいう骨折レベルの怪我になることをいいます。
人間には自然治癒力があるので骨折しても治りますが、自動車は骨格を溶接で切り離し、修正して、また溶接で取り付けるなどしなければ直りません。
そしてさらにわかりにくいのが骨格にダメージがあったとしても、事故車の定義があいまいになっているということになっていることもあります。
理由は数多くの民間企業の定義が混在するためです。
全国のオークション会場を運営している民間企業をはじめ
営利目的も可能となる一般社団法人の2社で、日本自動車査定協会と自動車公正取引協議会という会社があり
各会社ごとに事故車の定義が微妙に違うのです。
これが一番厄介なんですよね。
今まで5000台以上の査定をしてきたカーインスペクター・マックスが総合的に考えて一番多い定義を採用している内容を公開します。
【骨格ダメージとは】
骨格に500円玉以上のダメージがある状態、もしくは、そのダメージを修理した状態であること。
【災害車両とは】
火災車両、エンジンの30%以上水や海水に浸かった水害車両、ルーフに10個以上の凹みができている状態のひょう害車両。
(注意)高年式で低走行距離なのに極端に安い車は水害車両が多いので注意が必要です。
また例外で事故車、修復歴車ではないが同等の評価を与えられてしまう特殊ケースで
改造車両(違法改造)
というのもあります。
まずは事故車や修復歴車の定義をご理解いただき、次のカテゴリーでは修理をしていても事故車や修復歴車にならないケースを解説していきます。
事故をしても事故車や修復歴車にならないこともある
自動車の骨(骨格)にダメージがあれば事故車になると解説しましたが
逆に考えれば骨(骨格)にダメージがなければ事故車にはなりません。
これは参考に一般社団法人自動車構成協議会の定義を引用しています。
自動車はこれらの骨(骨格)にプラスして人間でいう皮膚と同等になる
ボンネット、トランクやバックドア、ドア、フェンダーやクオーター、タイヤ
が取り付きます。
これらは骨(骨格)ではないので、これらをいくら修理しようが交換しようが事故車にはならないということです。人間で例えるなら擦り傷や切り傷、打撲レベルと同じです。
こういった理由から
大きな事故をしても運良く骨(骨格)にダメージがなければ事故車にならず、
逆に小さな事故でも運悪く骨(骨格)にダメージが入ってしまえば事故車になるということです。
すべての事故や修理が
事故車や修復歴車にならないのはこうった理由からです。
事故車や修復歴車はなぜ安いのか?
事故車が安くなるということは皆様ご存知だと思います。
ではなぜ安くなるのかを解説します。
安くなる理由は大きく2つあります。
1つは車の安全性が弱くなるからです。
自動車というのは新車の状態で工場を出荷するとき国が定めた安全基準を満たしています。
自動車の衝突実験などの映像をニュースなどで見たことがあると思います。
このような実験を繰り返し、新車出荷時は精密機械が自動車を作り安全性が高いのです。
しかしながらその後事故などで人間の手で骨格を修理することで残念ながら車の安全強度は低下してしまい、安全面の低下という観点から価値が下がってしまうのです。
バイクや自転車などのヘルメットも一度衝撃を受けるとそのヘルメットの強度は落ちるのと同じ理由で、自動車も人間の手で修理をすると弱い車になってしまいます。
価格低下の最大の理由は『安全強度の低下』なのです。
そしてもう一つは人間の手で修理した場所はどれだけ綺麗に修理してもバランスが悪くなってしまい不具合が起きる可能性が高まることにあります。
精密設計された自動車は精密機械で製造されます。
精密機械は寸分の狂い無くバランスの良い自動車が出来上がります。
だからこそ100km以上の高速走行でも安定しているのです。
しかしながら一度事故をしてそれを人間の手で修理するとどうなるか想像できるでしょうか。
人間の手がどれだけ綺麗に歪んだ骨格だけを切り離し、修正して、溶接で繋げても
精密機械の仕上がりには敵わないのです。
一度人間の手が骨格修理をしてしまえば走行中のバランスが悪くなり、数年後不具合がでてくる可能性が高まるのです。
価格低下のもう一つの理由は『不具合発生確率が上がる』ことです。
確率論なので不具合が起きないことも当然ながらあります。
『安全強度の低下』と『不具合発生確率が上がる』
これをご理解いただいた上で購入検討をしていただければ良いと思います。
事故車や修復歴車の誤った情報に注意。
事故車についてインターネット上で間違った情報が拡散されておりました。
たとえば
・前事故じゃなく後ろ事故の修理なら大丈夫
・前事故でもエンジンまでダメージがなければ大丈夫
・底面の突き上げダメージなら大丈夫
などなど、たくさんありましね。
本当の専門家(プロ)から自信を持って言えますがこれらは間違った情報です。
後ろ事故なら大丈夫なんてことはありません。
逆に私は後ろ事故車の方が危ないと思っています。
後ろ事故車ということは
追突された場合か運転手がバック中に衝突した場合
のどちらかです。
運転手は通常前方を見ていることが多いため、事故の際回避行動がとれないことが多く、無防備な状態で追突される状況の方がダメージが大きいです。またバック中に衝突した場合もブレーキを踏んでいるケースは少ないのでダメージが大きくなる確率が上がります。
しかしながら前の事故の場合は前方を見ていることが多いため、ブレーキを踏んだりハンドルを切ったりと回避行動をすることができます。
事故車のデメリットは安全面の低下ですから前も後ろも横も下もどこにダメージがあろうと変わらないと考えることが良いでしょう。
骨格にダメージがある時点で、どこの部位であろうと安全面に不安は残り、バランスも悪くなり不具合発生率が上がるのです。
事故車や修復歴車のグレーゾーンとは?
これまで事故車定義や安さの理由を解説してきましたが、ユーザーにとって一番怖いのが事故車と事故車でない車の境界線のギリギリに位置付けられる自動車の判断です。
事故車ともいえるし
事故車ではないともいえる
こんな状況だとどう判断していいのか怖いですよね。
いわゆるグレーゾーンです。
この車は白なのか・・・・
黒なのか・・・・
実はこれらの微妙なラインの自動車の流通は非常に多く度々問題になることとがあります。
正直グレーゾーンの車は事故車とも呼べるし事故車じゃないとも呼べる
販売店側のモラルによって変わってしまう部分があります。
上記の説明でいうと500円玉の大きさ未満の骨格ダメージという意味になるのですが・・・
車の査定は
目で見て
触れる
ところ以外は確認が不可能であり、死角になってしまう骨格もあるため査定士の裁量によるものもが比較的大きいです。
このためグレーゾーンの判断は非常に難しく100%なくすことは不可能といえます。
A社では事故車でないと言われたけど B社では事故車と言われた
こんなことが起きてしまうケースもありますのでグレーゾーンの車は見分け方が難しく、それを理解していただいた上で購入検討する必要ががります。
総論
今回は自動車の事故車、修復歴車について解説させていだきました。
あなたが中古車を検討するもっとも重要ことは予算だと思います。
インターネットで車を選ぶとき、ほとんどの方は年式、走行距離、価格をまずみて、興味があれば詳細をみていくでしょう。
事故車や修復歴車は安いです。
そこでお買い得な車があれば前向きな検討となると思いますが、検討後半のときに一度このコラムを再度読み返していただき、事故車、修復歴車についてのメリットとデメリットやリスクの種類を判断していただければうれしいです。
事故車や修復歴車を購入してはいけないとは一切思っていません。
ただどんな車なのかをご理解いただき購入すべきだとは思います。
長文読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?