2021/6/11 ポンポさんとミノフスキー・フライト

(この記事では最近公開の映画2作品について、ネタバレしない範囲で紹介しています)

1年のうちで最も残念な月、6月。
梅雨に入れば連日の雨。電車には鬱陶しいほどの蒸し暑さが立ち込める。それに加えてさらに残念なのが、祝日が一切ないこと。
調べてみたところ祝日がない最悪な月というのは他にもあり、年に3回も巡ってくるらしい。
けれど休日の数で見ると、自分のようにメーカー勤めというのは遥かにマシな方だと思う。ざっと計算してみても、年間のおよそ3分の1は休日なのだ。良心的なことに、6月に祝日がないからこそ「特別休日」というものが設定されている。
それにしても、弊社は本当ありがたいところに特別休日を置いてくれたと思う。
尊き休日に選ばれた今日6月11日は偶然にも、3年近く待ちわびた映画の公開日だった。

というわけで、燦々と日が差す陽気の下、馴染みの映画館に足を運んだ。
けれど別に1つだけがお目当てというわけではなく、映画はもう1つ観ることにしていた。
合わせてチケットを購入したのは、公開前から気になっていたアニメ映画の1つ。
『映画大好きポンポさん』。
あらすじをざっと説明すると、映画通の主人公ジーンが、敏腕映画プロデューサーのポンポさんに監督に指名され映画制作を行うと言う話。
ライトではあるけれど、映画業界の中身を描いた、いわゆるお仕事もの。
これがめちゃくちゃ面白い。
映画制作の物語なので、やはり作中作というのが登場する。つまり、このアニメ映画の中で主人公ジーンが制作する映画のこと。その制作過程で、ジーンはさまざまなトラブルに見舞われつつも自らの納得のいく作品を作るために奮闘する。
爽快なテンポの良さでコメディタッチに話が進むが、クリエイターは一体何のために自らの手で作品を作るのか等々、シリアスなテーマが芯に通っている。
物語としての面白さに加え、コミカルで可愛らしい絵柄がさらに作品の魅力を引き立てている。ポンポさんやナタリー、ミスティアら女の子勢の挙動には目を見張るものがある(=かわいい)ので、気になる方は劇場へGO。

次いで、一番お目当ての作品を鑑賞。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。
2018年公開の前作NT(ナラティブ)の時は2019年冬公開と予告されていたので、それから制作延期とコロナ禍を経て約2年。短かったようで、でもやはり長かった......。
率直な感想。
なんだ、この変態クオリティは......!!!!
いやまあ、わかっていたのだけれど。
監督が『虐殺器官』の村瀬修功と知った時点で、また、その後予告と冒頭十数分が公開されていた時点でわかっていたけども。
でもそれにしたって、まさかこれほどとは。
大人向けガンダムのイメージにふさわしい美しいキャラクターデザイン、アニメーションが元々二次元のものであることを忘れてしまうほどの立体的な作画(絵を描き起こす前に位置・動作の確認のためにCGでシミュレーションしている?)、そして戦場の怖ささえ伝わってくる、臨場感ある音響。
話は原作小説で知っていたので初めは絵を見るつもりで観たのだが、これが良い意味で期待を裏切られた。作画の凄さは言わずもがな、けれど一番印象的だったのは、音響。
機体の駆動音、地を焼くバーニア、着陸時の衝撃音。装甲に当たった弾丸の着弾音。特に凄かったのが、とある機体の飛行音。
お前、そんな不気味かつ恐ろしい音を出しながら飛ぶのか......。
この時期の機体は基本的に上空での移動がままならならず(バーニアによる一時的な上昇からの自由落下しかできない。つまり飛行することができない)、それに対し圧倒的優位を取る形でミノフスキー・フライト機が登場する。その対比の描写がこの作品の魅力でもある。
※ミノフスキー・フライト:ガンダム用語。重力下浮遊システム。地球などの重力下において超長距離飛行を可能にする。
そしてスクリーンに釘付けになったまま、1時間半の上映が終了。3年前にNT(ナラティブ)を見せられたのが嘘のよう(?)な、サンライズの本気を見た。
待てば待つほど凄いものが出てきそうなので、次の2作(閃光のハサウェイは全3部作)の公開も気長に待とうと思う。
最後に、ヒロインのギギを添えて。

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