見出し画像

コンクリ(ヤマスタ編)

この記事はジェフ千葉エア遠征記(https://note.com/kaoru_aoyama/n/nabdd60a3f851)の記事です。

こんちわ。まわる@です。

性懲りもなくまたノコノコ出てきてこんなのを書くことになろうとは。ご存じの方は知っているでしょうし、知らない人は知らないと思うのですが、人類が宇宙に進出する前、僕は「日本一役に立たないスタジアムガイド」というのを作っておりまして、遠征芸人だった時代があるのです。北は厚別から南は鴨池まで、そこそこ情熱をもってスタジアムに牛串を食いに行って・・・いや、マスコットをモフりに・・・いやいやいや、コンクリと鉄骨を愛でに歩いていたのです。

エア遠征記っていうか遠征してねーし

んで、今回こういう機会を頂きまして、じゃあいまさら何を書こうかなということなんですが、いまはもうサッカーは観るよりやる方にシフトしていて、少年サッカーの指導が忙しくってここ5、6年くらいほとんど遠征どころかホームのフクアリにすら満足に行けてないんですよね。ちゃんとした遠征はせいぜい家族旅行のついでくらい。おまけにいま足首骨折してて出歩くこともできない状態とか。なんだこりゃ、どうしようもねえな。僕の足が治るのとコロナウイルスが終息するのとどっちが早いかな。どっちも早くしてください。楽しいことが全部なくなっちまったじゃねえか、いい加減にしろ。

そんなわけでヤマスタも最後に行ったのは、調べてみたらなんともう6年も前。2014年なんですってよおくさん。鈴木淳監督がポゼッションやりたくて、ひょーさん真ん中に置いてのんびりのんびりチームを創り直している真っ最中。圧倒的に相手を圧し込んでカウンターでボコボコにされてあっさり負けてたっけ。だんだんクラブに体力も我慢も人もなくなりかけていた頃だなあ。嗚呼、なにもかもが懐かしい。

遠征の魅力というものは

ヤマスタの行き方?西に行くっぽい電車に乗って磐田駅から歩く。タルいひとはお金払って新幹線とかシャトルバスとか乗ってください。おわり。

で、テーマなのでエア遠征記っぽいものを書かないといけないか。基本的に僕がアウェイに行くのは、コンクリと鉄骨と牛串とマスコットのためです。試合観戦はあくまでもおまけ。まぁ、マスコットと牛串のことまで書き出すと100000字書いても終わらないので、それはまたの機会に。

今回はコンクリ・・・じゃねえや。ヤマスタの魅力について書きます。基本僕が見ている風景はファインダーの中のもの。元々僕は美しいスタジアムの写真を撮りたくて遠征しているというのがありまして、試合前は開場からほとんどキックオフギリギリまで、スタジアムのどこかの情景を切り取っています。こんな感じにね。

おおう、映える写真が1枚もねえ・・・つーかなんだここは雨の写真ばっかりだな。ヤマスタで撮った写真振り返ってみたら晴れてたのって21回行ってて1回しかないでやんの。いつもポンチョ着てビールに雨が入らないようにしてた記憶しかないのは事実だったか・・・

クソ狭いヤマスタ

ヤマスタの魅力、それは元野球場・・・じゃねえ、山肌を生かして造ったとかいう安上がりのスタンド・・・ゲフン、ゲフフン。スタジアムが狭いことです。正直、観戦者にとって狭いことなんて危ないだけで魅力でも何でもない。動線だけでいったらあの身動き取れない日立台よりもマズいというか、人が座ったらもう立ち上がるのだけで一苦労。トイレに行こうものなら並ぶうえに帰ってこれない。それくらいはメインスタンドもバックスタンドもゴール裏も狭いのですよ。この急角度のクソ狭い席間にギッシリ人がいるわけです。感覚的にはカシマのアッパーよりもこっちのがはるかに危険。おまけにゴール裏に至ってはイスのないトコまである。立ち見ですよ立ち見、イヌワですよイヌワ。

熱いサッカー観戦にイスなんかいらねえ!ってのは確かに分からんでもないんですが、それじゃはじめてのお客さんはおっかなくて来れないぞ。まあ、アウェイ側は昔のホームゴール裏なので以前と比べたら多少は快適になりましたけど、満足にビジョン見えないから時間わかんないし、閉じ込められててスタグルもたいしたもの買えないし、やっぱりロクなもんじゃねえ。日本が誇る天下のヤマハ発動機の持ちもんなんだからさ、もっとカネ使ってくれてもいいのに。あんなにカッコ良くバーンとスタジアムの名前掲げる前にまずはトイレ増やしてくれよ!

このとおり、前の席に座った人にそのままサーフボードストレッチができるくらい、膝が当たるのです。でも、これだけ席間が狭いということは、後ろの方の席でも圧倒的にピッチに近いということ。選手を真下に見下ろす、いわば鳥瞰状態で試合を楽しむことができるのです。なによりヤマスタはコンクリ感満載。このぎゅっと詰め込まれた美しいコンクリの塊感、造形、飾り気のないテカテカした灰色の三和土の安っぽさ。顔を上げれば余計なものは何もない、美しい緑色のピッチがギュギュッと凝集されている。これこそがスタジアムの色気というもんですよ。罵声と怒号飛び交うゴル裏からの声援も丸聞こえ。ビールをひっくり返せばそりゃもう阿鼻叫喚の大惨事。サッカー観戦(ラグビーもやってるけど)の醍醐味でしょう。いくらデカくて立派で1500億円投入して豪勢にあつらえたところでピッチで行われてることだけを見たいということをわかってないひとが造ったスタジアムなんかクソだクソ。このスタジアムに14000人ムリヤリ詰め込んだ時のあの絶望的なカオス感。それこそが遠征の楽しさdeathよ!あーもー書いてて楽しくなってきたな!

忘れちゃいけないハンバーグ

で、ここまでいろいろ書いてきたのですが、全部蛇足です。僕が本当に書きたかったことはここから。静岡行ったらハンバーグを食うのです。静岡の名物はハンバーグなのです。

どうですかこのシズル感。いいか、磐田に行ったら暢気にサッカーなんか見てんじゃねえ!ヤマスタなんか行ってないで真っ先にさわやかに並ぶんだよ!バスに乗ったらいけねえ、磐田駅からチンタラ歩いて腹を減らすんだ。入場列じゃなくて、お店の前に3時間並んでハンバーグ食うんだよ!どうせスタジアム行ったって美味い牛串なんか売ってねえんだ!メロン食ってないで肉だ肉、ハンバーグをたらふく食うんだよ!

おしまいに

ヤマスタは歩くとそこそこ駅から遠いし(最近新しい駅できたってホント?)バスはハンパなく混むし、帰りは新幹線に乗り遅れるし、雨は降るし雨は降るし雨が降る。そもそも試合もめったに勝てないし行って楽しかったことってあんまないんですけどね。
でも、おっさんのサポにとっては忘れられない試合の舞台でもありました。2003年の1stステージ第13節の試合。僕はサッカーに狂気というものがあることをこの試合ではじめて知ったのです。あぁ、この試合が永遠に終わらなければいいのに!って思ったのは、この試合が最初で最後。あの夜のヤマスタはあの箱の中にいた全員が何もかもがおかしかった。あの熱気を知ってしまったから、だからヤマスタには行きたくなるのですよ。次いつ行けるんだろうなあ。

あと、大事なことだからもういちど言う。ジュビロはハンバーグだ。たまに鰻としらす丼。それが牛串の売ってないヤマスタへの遠征。そういうことです。それからたまにはジュビロの歌姫、千里愛風さんのこともなかったことにしないで思い出してあげてください。おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?