見出し画像

Scentlyさんで推し香水を作った話

私自身注文前に他の人のレビューを読み漁っていたので、今後購入しようかなと思っている方の参考になれば&個人的備忘録も兼ねて書きました。


きっかけ

某海外子供向けコメディ映画を見たら悪役に凄い勢いでハマりました。11年前の作品なので他人の解釈への飢えを感じていたのと、以前フォロワーさんがScentlyで推し香水を注文していて興味がありました。
市販の香水では推しのイメージと合致するものを見つけられなかったので、推しの解釈をくみ取ることが上手そうなScentlyは求めていたサービスにぴったりでした。

注文

Scentlyでは多数の自社香水からオーダーシートに合う香水を選んでくれます。(※完全なオーダーメイドではない)  オーダーシートには合計13個の質問があり、中でも2〜9は推しについて書く必要があるので気合いが入ります。中でも面白かったものを抜粋しました。

「2.イメージしたいキャラクター/人物の性別を教えてください」
「人外」の選択肢が存在していてオタクへの寄り添いを感じます。推しに合わせて「人外のもの(男性)」を選択しました。

「6. 大人っぽさ・セクシーさはどのくらい感じられますか」(0〜5)
→考えるより先に手が動いて最大値5を選んでいました。

他にも推しのイメージを調香師さんに伝えられる重要な質問があったため、回答を3日間推敲しました。こうして出来上がった怪文書がこちらになります。

怪文書

「8. 世界観やキャラクター/人物の背景情報を教えてください 」
舞台は宋代頃の中国。人間は存在しないが、多種多様な獣人が人間のように生活している世界観。該当キャラクターは、真っ白な体と尾羽に赤黒の目玉模様を持つアルビノの孔雀で、物語上のポジションは主人公の出自の秘密を握る悪役。
王家の跡取りだったが、周囲との羽色の違いによって奇異の目を向けられたことによりコンプレックスを抱くようになる。年若いころに一族が発明した花火を流用した火薬の破壊力に取りつかれて熱中するようになった。「このまま悪の道に向かえば白黒の戦士に倒される」という予言をされるが、予言が当たらないように平和なパンダ村を襲撃し殲滅。運命に抗う己の選択を両親に認めてもらえると考えていたが、その行いにより勘当及び永久追放されて復讐を誓う。
30年かけて復讐計画を実行に移し、開発した大砲の威力で敵を圧倒。街を支配し中国全土を支配する夢まであと一歩手前までたどり着くが、予言された白黒の戦士(=主人公)の登場により劣勢になる。鋳造した大砲全てを破壊されて敗北を喫したとき、過去のことは忘れて今を生きるよう説得されるが、それに同意した上で主人公を殺そうと刃を振るう。その際に破壊された大砲を支えていたロープを断ち切ってしまい、自分に向かって落下する大砲を目にするが、逃げも喚きもせず運命を受け入れるかのように静かに目を閉じて圧死した。

「9. 第一印象としてまわりが受ける性格とまわりからは見えにくい内面に秘めた性格を教えて下さい」
・第一印象
プライドが高く居丈高。完璧主義者で部下を呆れさせるほど細かい。自分の計画通りに事が進んでいるとよく笑うが、部下に水を差されたり主人公に邪魔されると殺意を滲ませながらキレがち。主人公には意地の悪さがとてつもないと評されている。敵に大砲を撃ち込むときはその死の瞬間を目に焼き付けようとする等、若干の狂気が垣間見える。また進行先にいる一般市民ごと橋を吹き飛ばそうとしたりと無慈悲。元王族ゆえか所作は優雅で品があり、汚れのない真っ白な羽毛や着物が美しい。接近戦では舞うように戦う。

・内面
両親に愛されていなかったと思い込んでおり長年傷ついている。「真実を知れば心の傷が治ると思うか。魂に空いた穴が埋まると?」「傷跡は治らない。治るのは傷だけだ」というセリフから考えて30年間全く癒えていない。居丈高な態度や強い殺意は予言通りに倒される運命への不安の裏返しだと見抜かれて動揺している。
自らの凶行の原因である予言をしたオババの前でのみ、心の柔らかい面を見せることがある。オババにからかわれても羽を抜かれても着物を食べられても怒鳴るだけで傷つけない。またオババが戦火に巻き込まれそうになった時は人知れず部下に救助するように指示をしたり、戦闘が本格化した時は「もう用はないから解放する」と冷たいセリフを言いつつもその実は戦火から遠ざけようとしていた。心を完全に失っているのではなく、想ってくれる相手に対しては分かりづらい優しさのようなものを見せる。
両親に愛されていなかったと思い込んでいるが、接し方が上手くいかなかっただけで深く愛されていた。それに内心気づいているが復讐に30年という歳月をかけたことにより今更後戻りすることもできず「両親の誤りを正し、幸せを奪い取る」と強く自分に言い聞かせている。
年若い頃とは異なり、愛に気づけるようになったが愛し方を知らず、誇り高いがゆえに道を正せないまま最後まで徹底した悪を貫いた。

9割くらい公式通りですが、推しを知っている人であれば違っている点にも気づくと思います。公式に無い自分の妄想を織り込んで、有ること無いことを書くのが楽しかったです。

香水

わぁ〜!

注文から17日で届きました。
イメージカラーで回答した色が差し色になっていて、とても嬉しいです。
気になっていた点は以下2つ。

  • オーダーシートで伝えたかったイメージとどの程度合致するか

  • 解釈全振りだとどういう香りになるのか。普段使いできるのか

オーダーシートにある、普段使い or 解釈どちらを目的とするかという質問に対して解釈で注文していました。また、自由記載欄に「解釈をぶつけてほしい」と書いたので、どの程度の尖り方で来るのか予想できませんでした。

============================

結果:解釈が伝わったので、癖が強い
イメージ合致度 :★★★★☆
普段使いできるか:★☆☆☆☆

オーダーシートの内容をよくくみ取ってもらえたと思います。以下は香水の解説を全く読まずに、嗅覚だけに頼って書いたメモです。

【序】目の覚めるような檸檬の香りが広がる。本当に一瞬。その後優雅な男性整髪料みたいな香りになる。

【破】ツンと尖った香りが丸くなる。人にかいでもらったところ「柑橘系」「寺」「畳」「男性の整髪料」と言われたので、自分で感じた香りとだいたいあってる。自分は序盤「柑橘系」、その後「男性の整髪料」「寺」「薬草」みたいな印象を持った。

【急】突如エレガントな古風美女の香りがする。ラルチザンとかフエギアみたいな、癖があるけどすごく好きな香りがする。序盤の刺すような香りが薄くなったか無くなっている。これは推しの尾羽が翻ったときにふわっと漂う香りの再現。

序盤の柑橘系の香りは意外でしたが、要所要所であ〜〜〜わかると思いながら楽しんでいました。尖った香りから丸くなっていくところにオババへの不器用な情の表れを感じる…ありがてえ。

あと調べたら、柑橘系の香りにパチョリ、ベチバー、シダーなどが組み合わさるとオジサマの香りになるようなので、これらのうちのどれかが入っているのではないかと予想していましたが、後の説明文を見たらバッチリ含まれていて学びがありました。(推しの年齢は40代と書いていました)

特に終盤のエレガント古風美女部分がとても好きで、脳内再現度が高かったです。目を閉じると推しが”いる”んですよ。コットンにつけてしばらく置いて鼻の前でぱたぱたすると推しの尾羽が風を切ったときふわっと漂う香りが再現できることに気付いて、延々とぱたぱたしていました。

解釈レター

わぁ〜!!

オーダーシートままに受け取ってもらったからか文面が重い重い重い。推しの人生を考えると「王」というワードを入れてくるのは良い意味できつかったです。あとエレガント古風美女の香りはラストノートだと思われるのですが、そんな意味が…?!

感想

もともと自分の中で推しからしそうな香りのイメージ(白檀とか沈香みたいな…?)がありましたが、推しの概念を表現した香りは新鮮でした。この点が自分で考えていた香りのイメージと若干ギャップを生んでいたと思います。推しの概念としてはとても良く汲み取ってもらえたと思います。

オーダーシートの質問内容には無いですが、「推しの概念をイメージした香り」か「推しからしそうな香り」のどちらを目的とするかで印象が異なってきそうです。
また私の場合、男性向けの香水や整髪料の匂いが好きな香りの系統と異なるので、ナイスミドルな男性キャラを注文するときは苦手な香り欄に書くと安全かなと思いました。

解釈全振りでOKであれば問題ないですが、もしイメージに寄せて癖が強いのを避けたいのであれば、以下に気をつけると良いのかなと思います。

1、「推しからしそうな香り」を希望する場合、オーダーシートに書く
2、苦手な香りを書く
3、外でも楽しみたい場合は「普段使い」で

私の推しはおそらく癖が強い方かつ、解釈全振りで注文したため香水にもそのまま反映しましたが、オーダーシートで苛烈なキャラ性を前面に出さなければそれほど気にしなくて大丈夫だと思います。

最後に

同じ怪文書で普段使いバージョンも作ってもらいたくなりました! ミドルからラストにかけてのエレガント古風美女の香りがとても好きなので、それを生かしてみたいです。今度の休日に推し香水をつけて推しの作品を観る贅沢な時間を作ろうと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?