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フランスのロックダウンを経て得た、「本当のわたし」という生き方

例の感染症で人生が大きく変わった方も多いのではないでしょうか?
もしまだ苦しんでいらっしゃる方は、よい方向にむかわれますように、心からお祈りします。


フランスのロックダウンとはどんなものだったのか。


さて、日本の方もご存知のように、フランスではパンデミック初期に「ロックダウン」という厳しい政策が取られました。

「全く外出できない期間」(家族のうち1人だけ食糧の買い出しには行けた)

「証明書を持てば時間と移動距離制限内で外出できる期間」

「マスクを付けて外出できる期間」

を経てやっと自由になったのですが、今度は例のパスポートによる制限が大きくのしかかってきて、ヨーロッパでは既にかなりの被害者が出ていた例のお薬(大手メディアでは流れない公式データによると)を、わたしたち家族は拒否していたため、レストランには1年以上に渡って入ることができませんでした。

「大変だったね」といわれることも多いし、そういう報道もされていたと思います。

でも実はそうでもなかった、むしろ自分自身と、人生と向き合うとても良い時間になった、というのが私の個人的な感想です。

それに、「ない」ことに慣れ、それが当たり前になると、他に代わるものを見付けるだけなので、私たちは家族は持ち運びできるテーブルとイスを買い、ある時はラベンダー畑の前で、ある時はビーチで、自然の景色と音と香りのご馳走とともにお弁当を食べることにハマりました♥

どんなレストランのテラステラス席よりも最高にイケてるラベンダー畑席!

ロックダウンで気が付いたこと

仕事を取り上げられ、強制的に「何も出来ない時間」を過ごしてみると、これまでの人生をいかに「立ち止まることなく走り続けてきた」のかに気が付きます。
周りの風景をゆっくり見ることなく、前だけを向いて走ってきていた。
すぐそばにあった素敵なことには見向きもせず、ずっとずっと忙しく走っていたし、それが幸せだと信じていました。

風の心地良さを感じたり、自然の美しさに感動したり、ご飯をゆっくり味わったり、家族とゆっくりお喋りしたり・・・
ロックダウンの期間は、私にはそんな「当たり前にあった幸せ」に気付かせてくれる時間でもありました。

これは、私がど田舎にいるから味わえた贅沢な時間だったと思います。移住当初は鬱になりかけるほど田舎が嫌いでしたが、今は本当に恵まれている、と、やっとそう思えるようになりました。
同じ期間、都会に住んで、窓からはコンクリートの壁しか見えない環境にいらした方にとっては、また別の体験になたのではないかと思います。(どちらが良い悪いではなく、それぞれ別の体験で別の気付きがあったのだと思います)

とにかくロックダウン後期は、家族でのお散歩がとても楽しかったです。

ここから散歩道の写真をいくつか紹介しますので、是非「お散歩してる気分」で見てみてください(*´˘`*)♡

近所のレストランのテラス
可愛いライラック♥
トトロ出て来そう♥
ここに住みたい!
ご近所さん宅のキレイに整えられたお庭♥

この風景と空気や花の香り、虫やお散歩中の犬、野良猫・・・とにかく自然の恩恵をたっぷり味わった時間でした♥
(この時、交通量が激減したコートダジュールの海には、野生のいるかも戻ってきていました!いかに人間が自然界に迷惑をかけているのか・・・涙)

この時に感じたんです。
これまでの人生、ずっとずっと未来だけ見て走ってたんだな。と。

今日は明日のために頑張って、明日は明後日のために頑張って・・・

じゃぁ、いつ「今のわたし」に寄り添うの?

フランス人は「今を生きる」天才かもしれない

フランスでは前もってプライベートの予定を立てることが、日本に比べたらかなり少ないように感じます。

週末どこに行くのか、日本にいた時は2週間後の週末の予定まで決まってたのだけど、フランスでは「2週間後のフィーリングは分からない」から、2週間後の日曜日に何をするかは、2週間後に決めるよ、という人が多い。

移住当初は困惑しました。だって、約束の時間になっても誰も来ない、ということが結構頻繁に起こるから。

電話をすると、「う~ん、ちょっと今日、そんな気分じゃなくなった」とか、普通に言われます(o゚Д゚o)え?

最初はムッとしてたけど、我が家のフランス人を見てるうちに、そーいうことか(゚∀゚;)ナルホド と気が付きました。

週末、朝食を食べながら、「今日どこ行く?何する?」と聞くと・・・

「今ご飯食べてる!」

と言われるんです。必ず!

そう、「ご飯を食べる時は、ご飯をキチンと味わって食べる」

今日何をするかは、「食べ終わった後に、天気予報を見ながらゆっくり考える」

これが彼の中の常識。

人間の気分は、割とちょこちょこ変わります。
今「これ最高!」と思ったものが、次の瞬間「あ・・・そうでもないかも・・・」となることだって、時にはあります。

今「それいいね!」ってワクワクしても、2週間後の約束に日には「そうでもない」って思う事だってあるでしょう。でも「約束したから」「今更断ったら悪いから」と、ネガティブな思いを「なかったこと」にして前に進むことだってあります。

この夫の常識に付き合っていると、「今ここ」とはこういうことか!
と気が付かされます。
そして「今ここ」とは「本当の私の気持ちとしっかり向き合うこと」だったんです!

「今ここ」に戻る作業をやってみた


こうやって、夫に付き合い、最初は渋々やってた「今ここ」も、ロックダウンを経て「ゆっくり時間」の中に身を置いているうちに、私の中でも徐々に当たり前になっていきました。

ところで、「手帳術」ってご存知ですか?
以前日本でも大ブームになり、その当時私はある本に出合いました。

「夢をかなえる人の魔法の手帳」という名のその本は、そのキラッキラなタイトルとは裏腹に、一時期ブームになった「引き寄せ」のようなものではなく、「しっかり自分と向き合う」ためのワークブックでした。

私が最初にこの本(手帳)を買ったのは2011年版。
なので、もう10年以上の手帳暦です。

だけど、最初にやった「私と向き合う」はいつしか忘れ去られ、手帳の中身は「未来の目標」にばかりスポットライトが当てられた物へと化していました。

私はこの「夢をかなえる人の魔法の手帳」を改めて読み直し、もう一度「私と向き合う」という作業を始めました。
そうするうちに、私はこれまで色んな好奇心を押し殺してたんだな・・・と気が付きました。

ずっとずっと語学ばかりやってたけど・・・

語学も好きだけど・・・

本当はクリエイティブも好き!

本当は自然も好き!

でも、「これでは食べていけない」と思ってたから、ずっと蓋をしていたんです。ずっと「仕事になるものだけが人生で価値があるもの」「仕事になるものだけに、お金を使っていい」と思い込んでいたんです。

当時、翻訳の仕事は「状況が落ち着き、国際間の取引が復活したらまたお願いします」となっていて、「いつかまた同じ仕事に戻れる安心感」があったので、とにかく私は、心が欲するままに色んなことに挑戦しました。

コロナのお陰(?)でオンラインによるお稽古が盛んになっていたので、絵本作り、刺しゅう、イラスト、コーディング、レタリング、占星術と、それぞれ「この先生!」という色んな国の先生のレッスンを受けました。

ぐるぐる、ぐるぐる、私は何をやってるのが楽しいのか、理科の実験のように、やってみて起こる化学反応を楽しむように、色んなことにチャレンジしました。

「今ここ」に戻って起こった化学反応

あまりにも収まり切れない「あれも好き!」「これも好き!」は、これまでの人生で「なかったこと」にして蓋をしてしまった好奇心が、大波のようにあふれ出たのを、可視化したようなものでした。

そうか、こんなに自分を抑えて生きてきていたのか・・・・。
そんなことを思いました。

これからの人生、もっと自分の「こうやりたい」に寄り添ってみよう。
「こうであるべき」を一度、そぎ落としてみよう。

そう思った時、ロックダウン開始前にやっていた翻訳の仕事に戻ることに違和感を感じました。
「仕事に復帰できますか?」というメールが来た時、心が躍らない自分がいました。

そして、人生で初めて「どこかの会社に所属する」のを止めよう、そう思いました。

翻訳をやっていた当時、私は早朝に起き、洗濯、お昼ご飯作り、子ども達を起こし、着替えさせ、ご飯をあげて、学校へ送って行き、掃除、その後仕事、夕方迎えに行って夜ご飯、お風呂、また仕事、という生活をしていました。(ベテランさんはそんなことないのかもしれませんが)新人翻訳者にとっては、納期との戦いで、ゆっくりコーヒーを飲む時間すらありませんでした。

その生活を手放すということは、もちろん夫の負担が増え(←本人あまり気にしてない風だけど)、私は安定収入を失うわけだけれど、それでも「本当にやりたいこと」にチャレンジしてみよう、そう思ったわけなのです。

この数年間で、人生いつどうなるか分からない。本当に「今ここ」をいかに「自分が最高と思っている状態」で生きているかが大事だと思ったのです。

面白いことに、最近私の周りでも「別にそうしなくてもいい」のに、安定の正社員を辞め、自分のやりたいことに専念する人が増えてきました。
(注:会社に所属することを否定してるわけではありません。)

きっとこの数年間で、それぞれに、それぞれの気付きがあったのでしょう。

ありとあらゆるお稽古を経て、今私はいくつかのデザインとデジタル商品で副収入を得ながら(習い事の恩恵♥)、ずっとずっと独学でやっていた、ずっと趣味の範囲を越えない、と思っていた「植物」について、本格的に学び始めたところです。

フランス伝統アロマ(日本で言うメディカルアロマ)、その後、アロマテラピー・コスメティックスを取り、野花のコースを、こちらはイギリスで取る予定です。(余裕があればハーバルメディスンも)。
そして、自然を日常に招き入れた生活の提案をする場を作りたい!

今私が歩き始めた道がどこに続いているのかは分からないけれど、「今日幸せ」な道を、明日も明後日も続けていこう、そんなことを思っています♥


ここまで読んでいただき、ありがとうございました♥

Bonne journée (*≧∀≦)ノ マタネー


地球を愛し、自然を愛するイラストで、癒し活動を続けるため、よろしければサポートをお願いします♥