オピオイド離脱からの離脱

一週間超経過後の今

私はnoteを一週間くらい(記憶が曖昧)離れていた。
今ようやくインターネットという世界に戻れた。
スマホはまだ怖くて前のようには触れない。
(メールチェックのみスマホ)

スマホが怖いというのは、
何かが攻撃してくるとか、気分が落ち込むからとかではなく、
単純に頭が痛くなるのが怖いから。
だから出来るだけスマホとか、PCとか、
一週間触らないように過ごして、今9日目。
ある意味良い一週間で、
とても辛い一週間ちょっとの記録をここに記したいと思う。

前置き

私の経験したこと、
それは薬の過剰摂取であり、
危険薬物の過剰摂取。
本来なら死んでいたかもしれない。
この体験を誰にも経験してほしくなくてここに書き残す。
私への戒めでもある。

過剰摂取したのはオピオイド系の鎮痛剤。
例を挙げるならモルヒネとか、ドラッグならヘロイン。
私はそれらのほぼ最下層(弱い)の鎮痛剤を過剰摂取したわけだが、
(ヘロインは原料が同じだけで違う薬です、念のため。)
それでも過去味わったことが無いほどの苦痛を味わった。

これから試そうと思っている人、
既にルーティンにはまっている人、
全く知らない人…
全ての人にこの経験をお伝えすることが私の使命だと、
経験した今はそう思う。

離脱症状を緩和させるために

まずはゴールを知っておいた方がいい。
オピオイドの離脱症状は、
使用期間や使用量にもよりけりではあるが、
(時間的なよりけりというよりは、症状の強弱の方)
不快症状のピークが最終摂取から48時間~72時間後。
だいたい1週間で不快症状は消失、もしくは気にならなくなる。

次にどんなものが症状を和らげるのか。
まず、睡眠、眠れるなら寝る。
栄養価の高い食事、食べられるなら食べる。
気を紛らわす何か、運動は出来ないと思った方がいいので、散歩程度。

上記は基本中の基本として、
その他、ビタミンCの多い飲み物を飲む。
入浴。
ヨガもしくはストレッチ。
軽作業。
この辺りをただひたすら無になって行うと、
時間が過ぎるのが早く、
ふらふらでもとりあえず出来る。

やめといた方がいいのは、
遠出(吐きそうになる)。
運動(倒れる)。
料理(けがをする)。
SNSやインターネットニュース(悪い事ばかり目につく)。
スマホ(頭痛やら疲労やらは回避した方がいい)。
人と会うこと(自己嫌悪に陥って死にたくなる)。

1週間ほど自主隔離の期間を設けて挑むことをお勧めする。
1週間どんな体験をするのかは下記参照。

Day 0

過剰摂取した日。
普通の日曜日。
体に痛い箇所があるのかもうわからない。
2か月くらいほぼ毎日オピオイドを摂取していたので、
薬を飲まない日がよくわからなくなっている。
とにかく朝から寝る4時間前(それ以降摂ると眠れなくなる)まで、
処方の限界を120%超えるくらい摂取。
気持ちが悪いが気分は良い。
明日は仕事も休みだからとりあえず摂れるだけ摂って、
明日はもう摂らない。
ダイエットは明日からみたいな心境。
でもとにかく胃がおかしい。

Day 1

今日は絶対にオピオイドを摂取しないと決めた。
仕事も休んだから、頭が痛くても寝ればいい。
眠れなければ何かをすればいい、どこかへ行けばいい、好きなことをすればいい。
特に何も感じない一日。
なんだ、余裕じゃない。
時間があったから髪の毛を染めた。
染めた薬剤の匂いがきついのか、息がうまく出来ない。
夜寝ている間汗を異常にかく。
ただそれだけ。
大丈夫、続けられる。

Day 2

昨日の夜からの息苦しさが治らない。
髪の毛の匂い?じゃない。
何だかよくわからないけど、
胸の上の方が苦しい。
全身に鳥肌が立つ。
今は7月、ヨーロッパも結構暑い。
でも体が震える。
冷や汗も時々かいたりする。
寒くはない、暑くもない。
不快。
とにかく不快。
二日酔いの気持ち悪さを抜いて、
その他全部の不快を詰め合わせたよう。
立っていられない。
座ってもいられない。
集中できないし、ぼーっとすることも出来ない。
この日誓った。
オピオイドは自分の意志で二度と使わないと。
(手術や入院で、医者の指示なら話は別)
とにかく寝よう、寝たり、やれることを少しだけやろうと思って生きた。

Day 3

寝汗はまだ凄い。
水をかぶったような大量の汗。
汗が引いた後全くべたべたにならない。
違う種類の汗なんだろうな。
パジャマやTシャツが面倒になったので、
下着か裸で寝るようにした。
日中はまだ鳥肌がたつ。
食欲が全くない。
2日目から100%ジュースをがぶ飲みしている。
ビタミンCで体に溜まったオピオイドを流すんだそうだ。
(夫がインターネットで調べた)
一日1リットルのジュースは、
普段なら気持ち悪くなる量だけど、
今回は全くなにも不快じゃない。
生きてることが不快だった。
息苦しさは軽減した。
ふとした瞬間に、
急降下するような、ふわっとした感覚がある。
それが本当に不快。
どこかに落ちるんだろうか。

Day 4

寝汗は相変わらず。
夜ほとんど眠れなかった。
腰が痛くて眠れず、
日中は病院へ行った。
でも特に異常はなかった。
多分子宮内膜症かな、といった感じ。
これはまた今度どうにかする。
仕事はほとんど手につかない、集中できないので、
週明けまでエコモード運転することにした。
同僚や上司はみんな優しい。
私の代わりなんていくらでもいる。
とにかく休んだ。
まだまだ不快。
鳥肌はなくなって、
気温を感じるようになった。
夏は暑いことを実感した。

Day 5

まだまだ寝汗で起きる日々。
でも少しよく眠れるようになってきた。
この日は金曜日。
片付けないといけない仕事は片付いたので、
午後は久しぶりにプールに入った。
外は暑いし、プールは冷たい。
ビールも飲んでみた。
久しぶりにお酒の味がわかった。
オピオイド中はお酒の味なんてわからなくなっていた。
ビールの味が久しぶりにわかって泣いた。
少しずつだけど戻ってきている。
まだふわっとした感覚が残っている。
ドアを開けた瞬間とかによくなる。
とんでもなく不快。
とにかく一週間過ぎることをひたすら祈る。

Day 6

土曜日。
初めて寝汗をかかずに起きた。
なんて爽快なんだろう。
腰は痛いんだけど、
もう絶対にあの薬は飲まない。
ボルタレンの塗り薬塗って頑張る。
ヨガとかも毎日やってる。
それでも痛いけど、
あのわけのわからない、作られた幸福のような日々には戻りたくない。
オピオイドを抜いてから御飯が美味しい。
体から感じる感覚が通常に戻ってきた。
空気の感覚。
これをどうやら忘れていたらしい。

Day 7

あの日から1週間、
寝汗はなくなって、
食欲も戻った。
感覚もだいぶ戻って、
たまに感じるふわっとした感覚も弱くなってきた。
一週間たって一番よく感じるのは、
記憶力が戻ってきたこと。
過去のことを、
それも10年前くらいのことをよく思い出す。
こんなこと忘れていた。
オピオイドは私の過去も消してしまうらしい。


オピオイドから脱して

仕方なく摂取している人もいるかと思うので、
絶対にダメだ、
そんなことは言えない。
私はそもそも医者でもなんでもない。
ただ、少しの痛みを耐えることなくオピオイドに頼るのはおすすめしない。
そこまで痛くないのに使用すると耐性も出来るし、
オピオイド由来の偏頭痛にも悩まされる。
一生抜けられなくなる。
この離脱症状もいつか体験することになるのであれば、
絶対に避けた方がいい。

私は知らなかったけど、
強めのオピオイドから脱するには、
普通徐々に摂取量を減らす、
もしくは代替の薬を使用して減らしていくんだそうだ。
私がやった方法は、
長期間強いオピオイドを摂取してきた人にはおすすめしない。
ヘロインは知らないけど、
強いオピオイドでも、いきなり止めても死なないとは言われているものの、
長ければ長いほど、
強ければ強いほど、
不快感も強く長くなる。
(ピークが72時間で、1週間で消失、という話ではあるけれど)

この世の不快を全て詰め合わせたような、
とても濃厚なこの一週間は一生忘れたくない一週間でもある。
もう二度と触らない。
処方した医者は悪気があるわけではなかったのだろうけど、
私ももう少し慎重になるべきだった。
皆様も是非お気を付けて。

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