クリエイティブリーダーシップ特論5月24日

補足:
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースの授業をまとめているnoteです。
クリエイティブリーダシップ特論の授業において花まる学習会代表の高濱正伸氏からご講演いただき、記事にしています。
 
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論第7回高濱正伸氏(以下高濱さん)、—5月24日
 
高濱さんは東京大学、および同大学院修士課程修了後、1993年に「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。
父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの人気を博している。
「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」(テレビ東京)などドキュメンタリー番組にも出演し、注目を集めている。現在、算数オリンピック委員会の理事も務めるなど、教育の第一線をまさに走っている方です。
 
 
「褒められる自分」と「幸せな自分」

高濱さんは教育者らしく「生き方」についてのお話をしてくださいました。内容は高濱さん自身のご経験だったわけですが、非常に興味深いものでした。
幼い頃の高濱さんは「褒められる」ということに違和感があったそうです。勉強ができる、人をまとめあげたりとまさに優等生だった高濱さんにとって先生から褒められるということは日常茶飯事でした。
しかし、褒められるということに高濱さんはあまり価値を感じず、この生き方でいいのか、本当にこれは自分のやりたいことなのかと自身の日記に残していたそうです。
その後、24歳で哲学に目覚める高濱さんですが、物事を徹底的に考え抜く萌芽は幼い頃
からあったわけです。
これはアート分野に限らずですが、人間はどうしてもブレが出てしまいます。
自分はやりたいことだけど、他人の反応次第で、あれ?と疑問符がついてしまいます。もしくはそもそも最初から人のことを気にしすぎて、自分がないということが起きてしまいます。
生き方が問われる今、まさに重要な考え方であり、「君は自分を持っているか?」と講演を通して高濱さんに問われました。高濱さんはまさに自分に正直に生きているわけです。
 


「見えないものを見る力」を育てる

高濱さんが教育の現場で最も意識していることは偏差値や合格実績ではなく「見えないものを見る力」を育てることでした。
もちろん学習能力も大切だとしたうえで、それだけでは人としてたくましくならないということでした。
その「見えないものを見る力」とは一体何を指しているのか、そのことを講演のなかからあぶり出すと、それは「課題発見力」に近いものでした。
別の言い方では「本質を見抜く力」などになるわけですが、近年注目される力でもあります。
高濱さんはビジネスパーソンたちが必死になって身につけようとしている
時代にその力を子供たちに仕込もうとしているわけです。
その教育方針にも前述いた高濱さんの思いが込められています。
高濱さんは塾をはじめる際に幼児を対象にすると決めました。しかし、知人からは儲からないと言われたそうです。しかし、やりたいからやると決めて今に至ります。
おそらく今も学力を上げてくれという親御さんの方がきっと多い気がします。おそらくその方がニーズはあるはずですが、高濱さんはブレずに「これだ」というもの(見えないものを見る力を育てるという意志)を曲げずに成功を積み重ねているわけです。
その裏には失敗もたくさんあったかと思うのですが、それでも自分を持ち続ける高濱さんからアートやデザイン、もしくは研究ということを超えて生き方を教えていただいた気がします。
 

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