クリエイティブリーダーシップ特論4月12日

補足:
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースの授業をまとめているnoteです。
クリエイティブリーダシップ特論の授業において林業アーティストの足立成亮氏および林業建築家の陣内雄氏からご講演いただき、記事にしています。
 
 
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論第1回足立成亮氏(以下足立さん)、陣内雄氏(以下陣内さん)—4月12日
 
 
お二人はアウトウッズという団体を創設し、北海道で林業を営みながら、山を自分たちの表現と捉えデザインし価値に変えているクリエイターです。
 
 
絵空事を現実にする
 
本日の授業は足立さんの印象的な自己紹介で始まりました。美しい写真とわかりやすく情緒的な言葉を巧みに使いながら自己紹介をしていただきましたが、そのなかでも心に残った言葉があります。
「絵空事を現実にする」という言葉でした。

あとにつづくプレゼンの導入ではあるわけですが、
昨年武蔵野美術大学大学院に入学し、下手なりに一年かけてビジョンを描く、自らの思い込みを打ち破る、言葉ではなくとりあえず作ってみるという練習をたくさんしてきた身にはとてもハッとする言葉です。


足立さんのようなソーシャルデザインはもちろんのこと、簡単に起こるわけのないイノベーションを生み出すために必要な「苦労、苦難を乗り越える」というプロセスを足立さんの実体験を通してあらためて感じることができました。
 
 


個性と向き合う創作
 
お二人のお話を伺って「林業」という業種の難しさを初めて知りました。
というのも、林業はその根幹に同じ素材が絶対にないという考え方があります。

もちろん、木を切る、加工するというようなことをしていけば、林業のなかでも自らの思い通りのものを作ることができるのかもしれませんが、お二人のアプローチはそうではなく、「そこにあるものをどう生かすか」もしくは「そこにあるものに、どう自分たちが乗っかるか」ということに拘っていらっしゃいました。

それは言葉ほど簡単なことではなく、なにをするにしても必ず、その木はなんなのか、どういう形なのか、どういう色なのか、もしかしたらどういう歴史なのかということにまで思いを馳せることになります。
そういった、ある意味途方のない作業の繰り返しのなかで「木という個性」に向き合い答えを見つけ出す、もしくは答えを探し続けるという考え方は「クリエイティブ」や「イノベーション」などの本質のように思います。
 
 
シュンペーターはイノベーションを「新結合」としたわけですが、
お二人は新結合ではなく、ひたすら深堀り(もしかすると半永久的に深堀り)することで違った道でイノベーションに近づいているのではないかと感じました。

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