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コンビニ人間
死んでしまった小鳥やヒステリックな担任に対して小学生だった主人公の対応にサイコパスの話なの?と引いたけど、読み進めるうちにハラハラ半分ワクワク半分な自分がそこにいた。
主人公は「普通の人たちの行動」をまねすることによって「普通の人」に見せようと努力はしていたものの、深く人と関わるとそれがバレてしまうからという理由で、ただただコンビニで朝から夕方まで機械の一部となって生きていくことを選んだ。
途中で白羽という婚活目的でアルバイトを始めた男と知り合い、お互いの損得勘定が一致したからという理由だけで感情を通わせないまま同居し始める。
私は一瞬、こういう結末もありじゃないかと少し安堵したのだけれど、、
就職もせず、結婚も出産もせず、交際相手もいないという知り合いが周りにいないので自分ならどう接するのか見当はつかないが、たぶん色眼鏡で相手を見てしまうだろう。
「~~すべき」とまでは言わないけど「~~しないの?」とは聞いていたかもしれない。
でも、まだ独身の頃に「結婚は?」と聞かれ
結婚すると「子どもは?」と聞かれ
出産すると「2人めは?」と聞かれ
子どもたちが小学校に入ったあたりから「働かないの?」とか悪気なく踏み込まれた時の嫌悪感を思い出した。
同調圧力に屈してみんなと同じように生きることと
立ち向かって何も持たずに生きること
どちらも大変だと思う。
つまり、生きてるだけで十分頑張ってるはず。
その中で心からここだ、と感じられる自分の居場所があるなら誰が何と言おうと幸せな人生なんだと思う。
昔よりも現代の方がずっと生き方は多様化しているのに、人は普通でない人間や自分が選ばなかった道を生きている人間を攻撃することで自分の選択は間違っていなかったんだと確認したいのだろう。
でも、そうでもしないと揺らいでしまうような価値観で生きる人生とはある意味主人公より不幸な人生かもしれない。
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