見出し画像

内科セルトレ2024解説(11)〜顔つきが変わり指輪が入らない...〜

急性期病院で9年間総合内科医として働き詰めるも、ヘルスケアスタートアップに転職したため、総合内科専門医試験の受験資格がなくなってしまった10年目の総合内科医です。
"出願時点での、1週間あたりの臨床勤務時間が不足している"とのことで、出願取り消しとなりました。転職したのは出願申込のわずか4ヶ月前のことでした。
その連絡が来るまで今年受験するつもりでいたので、セルフトレーニング問題(日本内科学会発行)を試験対策のため購入していました。
もったいないので、自分のアセスメントを加えながら解いていきます。


〜注意書き〜
セルフトレーニング問題の解答提出締め切りの前日(9/29)に、解答だけ(解説なし)無料記事として公開します。
専門医資格の取得、更新のための単位取得だけが目的の方は、それまでフォローして待っていれば良いと思います。

それまで待たず、専門医試験対策として、あるいは日々の生涯学習として勉強したい方は、こちらの解説を購入することもできます。問題文は載せませんが、セルトレ購入している方ならどの問題の解説かはわかると思います。



問題:45歳女性、顔貌の変化

顔貌の変化を指摘された場合に考えられる疾患を挙げ、それを確定するための検査を選択させる問題。

アセスメント

キーワードだけでもうこれだろってわかる。
正直、確定するための検査方法なんか、仮に覚えてなくたって、その場で調べればいい。

サン的に大事なのは、
このような顔貌の変化がはっきりしない非典型例を
どうやってスクリーニングできるか?
総合内科医として、そのスクリーニング対象となる基準をわかってるか?
ということだと思う。

(なお、問題で問われているわけではない)

ちなみにこの内科学会雑誌読めば絶対書いてあるから
日内会誌 103:825-831, 2014
解説なんか買わなくていいんだよ…

診断

下垂体性成長ホルモン分泌亢進症
(先端巨大症、下垂体性巨人症とも呼ばれる)

病態

成長ホルモン(GH)の持続的な過剰分泌

肝臓でのインスリン様成長因子-1(IGF-1)の分泌を刺激

様々な症状の発現

症状

  • 四肢末端の肥大

  • 顔貌の変化

    • 眉弓部の膨隆

    • 鼻・口唇の肥大

    • 下顎の突出

  • 巨大舌

  • 皮膚タグ

  • 多汗症

  • いびき、睡眠時無呼吸症候群

  • 手根管症候群

  • 月経不順、無月経

  • 乳汁分泌

  • 下垂体腺腫による症状

    • 頭痛

    • 視野障害

  • 大腸ポリープ

  • 心筋症、心不全

  • 高血圧症

  • 気分障害

など…

N Engl J Med 2006;355:2558-2573 Table 1に多彩な症状リストあり、他の症状も知りたい方はぜひ見てみて。


原因

  • 下垂体腺腫(GH分泌腺腫)

    • 最も一般的

    • ホルモン分泌性下垂体腺腫の1/3を占める

  • 遺伝的原因

  • その他

    • 視床下部腫瘍によるGH放出ホルモン(GHRH)の過剰分泌

    • 神経内分泌腫瘍によるGHやGHRHの異所性分泌

      • カルチノイド腫瘍

      • 小細胞肺癌

N Engl J Med 2006;355:2558-2573 Figure 2に比較的わかりやすいシェーマあり。

スクリーニング対象

ここから先は

1,582字 / 1画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?