2024年度セルフトレーニング問題を解いていく!(1)〜急性胆管炎のドレナージ〜
急性期病院で9年間総合内科医として働き詰めるも、ヘルスケアスタートアップに転職したため、総合内科専門医試験の受験資格がなくなってしまった10年目の総合内科医です。
出願取り消しの連絡が来るまで今年受験するつもりでいたので、セルフトレーニング問題(日本内科学会発行)を試験対策のため購入していました。
もったいないので、自分のアセスメントを加えながら解いていきます。誰かの役に立てば。
問題:61歳男性、右季肋部痛
問題文は一部改変、解釈加えて記載します。
アセスメント
診断
急性胆管炎(結石性胆管炎)
Tokyo Guideline 2018の診断基準
この症例では、
A. 発熱、炎症反応所見
B. 黄疸、肝機能検査異常
C. 胆管拡張、胆管結石
A+B+Cを満たすため、確診となる。
重症度分類
この症例では、
重症胆管炎の項目に該当するものはない。(※意識レベルについては問題文に記載なし)
中等症胆管炎の項目のうち、
WBC>12,000/μL
総ビリルビン>5mg/dL
の2つに該当するため、中等症と判断できる。
解答
(d) 内視鏡的胆道ドレナージ
治療フローチャート
中等症(GradeⅡ)の急性胆管炎の場合、血液培養採取の上、抗菌薬投与を開始し、早期の胆管ドレナージを行う。来院から24時間以内にドレナージを行った方が、死亡率が低いとされる。また、胆管炎からの改善が早く、入院期間を短縮でき、医療コスト削減につながるとされる。
胆道ドレナージ法の選択
胆管ドレナージの手段としては、素直に(d) 内視鏡的胆道ドレナージを試みるでよいだろう。胆道閉塞の原因が腫瘍だったり、硬化性胆管炎などによる胆管狭窄だったりして、内視鏡的経乳頭的アプローチが困難なケース、かつ、肝内胆管が十分拡張している場合には、(b) 経皮経肝胆管ドレナージが選択される場合がある。
EBD困難例には、超音波内視鏡ガイド下胆管ドレナージ(EUS-BD: endoscopic ultrasound-guided biliary drainage)も検討されるが、熟練したな胆膵超音波内視鏡医のいる施設に限られる。
感想
あまり悩む点はなさそう。
このケースでは、胆嚢結石が残っていますし、症候性の胆石症なので、再発予防を目的とした待機的な胆嚢摘出術が推奨されると思います。
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