『SLAM DUNK』読解~山王戦の桜木花道は一体なぜ大怪我を負ったのか~
見る限り、簡潔に説明したひとがいなかったので書き残しておきます。
『SLAM DUNK』執筆時にはいくつもの有名エピソードがあり、山王戦の桜木花道の大怪我もそうですね。作品本編で最後に描かれた山王戦、追い上げムードでさあこれからだ、となる場面での、不意の大怪我。
この大怪我に関しては、作者・井上雄彦自身の発言が有名なものです。描いていて、これはずいぶん酷そうな怪我と分かった。このような旨だったと記憶しています。
ではなぜ、桜木花道は大怪我をしてしまったのか?
本稿では、作品の変遷を踏まえ、大怪我に至った仮説を打ち立てます。作品にはライブ感とでも言うべきものがあり、ライブ感はしばしば作者にも予想外の事態を引き起こす……そんな一端を、少しでも察して頂けたら幸いです。
では、まずそもそもの話をします。
桜木花道は大怪我をしていないという話です。
作品を入念に読み返したところ、分かったことがあります。
事実として、桜木花道は大怪我をしていないのです。
一体どういうことでしょうか?
無論、山王戦の話ではありません、
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