ある文法(2019年版)

 本稿は以下の記事の(まさかの)続編です。この記事単体でもお読み頂けますが、できれば通読をお薦めします。

※お読みの方が興味本位で触れてしまうことを防ぐため、以下具体的な事例名は無しで行きます。発生する仕組みが分かったからと言って、予防以外にほぼどうしようもない事だからです。


 前回の記事まででの、当方の認識はこうでした。

・通常の状態であれば、人は意味不明な情報(文章、動画など)を見続けることはできない。
・しかし判断力が低下している状態ならば、人は意味不明な情報を見続けることができてしまい、そこに無理矢理意味を見出しバグる(正気を失う)。

 そう考えていた……のですが。
 残念ながらと言うべきか、覆す条件が存在していました。
 では、その条件とは何でしょうか。

・人が通常の状態であっても、意味不明な情報を飲み込ませてバグらせることは出来る。

 ……なので以上の話は、以下のテーゼの一側面ということになります。
 考えていたよりもっとずっと、条件が緩かった訳です。

・人は意味不明な情報を飲み込むと意味を見出してしまいバグる。

 前提は単に「意味不明な情報を飲み込む」でしかない。
 こう考えると、「意味不明な情報を飲み込んでしまう状況」は時折発生してしまうことが分かります。

 たとえば、親しい人が薦めてきた場合。
 たとえば、人気ラジオが突然意味不明になった場合。
 たとえば……人気番組の続編が意味不明だった場合。

 後段は突発的な事態であり、ほとんど天災のようなものです。
 現実的に防ぐには、以下の1点に留意する他ないように思います。
 すなわち、

意味不明な情報から無理矢理に意味を見出そうとしない(見出そうとすればバグる)。

 絶対に触れるなとまでは言いませんが、無理矢理意味を見出すような真似は避けるべきと言うことです。

 ……なお、いったんバグに陥ると一発で解決するような方法はありません。一度そんな状況に陥ると前提に従い情報を解釈するようになり、新たな情報入手が(たとえ事実であっても)極めて困難になるためです。
 端的にカルトに囲い込まれた状態と非常に近く、そこからの脱出の困難さは、カルトが幾度となく社会問題と化していることからも察せましょう。

 不幸中の幸いは、今回のそれにメッセージが無かったことでしょうか。 
 方向性を持っていた時のことを考えると、人間の正気が崩れる機会とは存外、身近なのだと思わされます。

 ……いやしかしこれ、大勢を一度にバグらせるルートが存在してる訳で、何ともとんでもない地雷があったもので……。

※本稿は全文無料の投げ銭式です。頂いたお金は資料代に使います。

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