『ハーモニー』最終読解に必要なポイント1つ。/伊藤計劃読解

 またつらつらと考えてまして、霧慧トァンの意志(なぜ『ハーモニー』を記したか?)を確定させるに際し、以下の一点が必要と考えるに至ったため、ひとまず記しておきます。

 まず、「大調和後の霧慧トァンは意志を持っている(自身は大調和の影響を受けておらず、また回避手段も持っていた)」のは既に書きました。
 その上で、

大調和後の生府社会で、御冷ミァハはどう語られているか?

 が情報として必要だなと。
 これは仮定を2つ置けば明瞭です。

1・ミァハが語り継がれる存在であった場合

 この場合、御冷ミァハの実態(冷酷で打算的なカリスマ)の告発。

2・御冷ミァハが語り継がれなかった場合

 この場合、複雑な屈託を抱えながらも選択した語り継ぎ。

 おおむねこんな風で、今のところまだ確定しかねている感じですね。
 いくつかの記述から後者かなとは思いつつ、確信は持てていません。

 また何かありましたら書きます、では……。

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