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八王子市 旧 清水橋の遺構

東京都の西部、八王子市を流れる浅川の支流のひとつ川口川。今でこそ流路改修され比較的真っ直ぐな川筋となっていますが、昔はうねうねと蛇行した川でした。蛇行していた頃の川を渡る橋のうち、おそらく唯一、旧清水橋の遺構がまだ街中に残っています。

場所

東京都西部、JR中央線八王子駅北西に約3km、中央自動車道と川口川が交わる付近(+の位置)です。

スクリーンショット 2022-03-30 18.31.11
国道地理院地図より引用

拡大図

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国土地理院地図より引用

新旧地図比較

左の真ん中の橋の記号部分が旧 清水橋。

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時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)より引用

残された遺構

コンクリート製の欄干と親柱の一部のみ残っています。ストリートビューで過去の写真を見るとかつてはこの倍以上、Google Mapsで計測すると13mくらいの径があったようです。工事用の柵の部分は細長い野原になっており、これがかつての川筋の一部と思われます。衛星写真をみるとこの細長い野原と奥の住宅の宅地が川の跡だったようです。

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遺構全体

木の葉を退けてみると「清水橋」の文字が。ここがかつての橋だったことを示しています。残念ながら竣工年代などを示す部分は既に無くなっているのでわかりませんでした。古い地図で調べる限り、1966年(昭和41年)には今の新しい方の橋に変わっていますので60年近く遺構として残っているようです。橋梁データベースも調べてみましたが掲載がなく、竣工時期はわかりません。国土地理院の航空写真も1941年が最古のため、いつ頃作られたかが判然としません。

コンクリート造ですが粗めの小石が多くそれほど質のよいコンクリートではなさそうです。

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親柱には「清水橋」の文字。

いつごろ切り替わったのか?

国土地理院の航空写真を見比べると、1956年では流路改修が終わっており1947年では旧流路でこの清水橋が写っていますのでこの間と思われます。写真の写り具合からしても幅がそれなりあったようです。
橋梁の資料で現在の清水橋は1960年3月に架橋されたとのことですので、おそらくこのあとごろに切り替わったのかもしれません。

終わりに

竣工時期、径間など不明箇所が多いので引き続き調査を進め追記したいと思います。


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