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目標型の人生と展開型の人生

3月29日を以て29歳となりました。20代最後の年です。
二十歳になった時、この日が来るとは考えていませんでした。

考えないのが普通ですね。


人間が抗えないものの一つが時間で、一つは老いかもしれません。

老いたなと感じるのは朝早く目覚めること。早く寝た時は夜中に普通に目が覚めます。
ただその後すぐに寝付けるのでまだ若いのだと思うことにしています。
短時間睡眠でも日中眠いということもあまりないので、今のところなんとかなっています。

とまあ、今日筆をとったのは、誕生日の報告でもアピールでも、まだ若いという強がりでもなく、
今まで漠然と考えていたことがすっと頭の中でまとまったので、この機会に文章に残しておこうと思ったからでした。

6歳から始まった「学生」生活を20代前半に終え、社会人となりましたが、自分でもこのような人生(北海道でサイクルツーリズムに携わる)になるとはまったく想像していなかったです。

昔から海外に興味を持っていたこと、海外生活を経験したこともあって、大企業に入って海外駐在して(できたら日本人が全然いないような国に飛びたいと思い)、
海外に拠点を置きながら日本製品の販売を通して現地の人々の生活の向上の役に立ちたい!と新卒の頃の面接では豪語していました。懐かしいですね。

自分でも現状と違いすぎてビックリなのです。


突然ですが、生き方には「目標型」と「展開型」という2つのタイプがあると言われます。なんとなく分かるでしょうか。

前者は目標を大目標、中目標、小目標などと立てていき、それを遂行していく中で夢を実現する人生。計画型と言ってもよいかもしれません。

後者は、自分の興味の赴くままに動いていき、後から振り返るとその足跡が(自然に)結びついて一つの絵ができあがっているような人生です。


僕は、学生時代に欧州でバックパッカーをして、旅の面白さに気づきました。人生がこんな形で進んでいったら死ぬまで飽きることなく楽しめるだろうなと思いました。

そして学生時代から、普通であればロードバイクで走るような距離でも、電車代(と自転車代)の節約と称し、ロードバイクを買わずクロスバイクで東京のあちこちを走り回っていました。

旅と自転車という2つの要素。それが今の仕事であるサイクルツーリズムにつながっています。


それら2つを最初から結びつけようと思っていた訳ではありません。

後になって(結果的に、自然に)こうしてつながってくる。

自分の経験がそのまま今の仕事になっていると思うと、ここまでの人生「有意義」だったんだな、と思うことができます。


そしてその舞台は北海道。

何年住んでも東京の生活はどこか息苦しく、生きている感覚があまりしなかった。単純にストレスが多かったのでしょう。そんな時にふらっと北海道を旅して、その自然と人が僕をすっと癒してくれました。

(大して国内旅行したこともないけれど)日本にこんな桃源郷のような場所があったなんて、、と東京へ帰ってからもしばらく感動しきりでした。

その旅をした時の気持ちが忘れられず、勤めていた大企業をあっさり辞めて、北海道へ移住しました。

もう一度就活するぐらいの気持ちで自分を見つめ直し、どの仕事をするか一生懸命考えました。

その結果、観光分野で、生きる力を取り戻してくれた北海道のためになりたいと考えました。

こちらへ来て心のゆとりができてからは、さらに一歩進んで、自分のように都会暮らしで疲れた人にこの素晴らしさを伝えていきたい、
魅力を感じてもらえるようアプローチをしていこうと思いました。

東京にいた時はそもそも他人に何かを施すという意識が芽生えなかったので、本当に心の余裕が生まれたのだと思います。

北海道へ来てからも、順風満帆だった訳ではありません。特に仕事面では最初うまくいきませんでした。自信をなくすことも多かったです。

今でも思うようにいかず大変だと感じることもありますが、少なくとも前のように生きる意味や働く意味について自問する時間はなくなり、
ほぼ100%「自然体」に近い形で生きられるようになりました。

このように今までを振り返ってみると、自分は典型的な「展開型」の人間なのだな、と改めて思うのです。

10代から20代まで生き方について悩んできて、でも30代になる前に、一つの境地に達することができました。嬉しいというよりホッとしています。


自分にできないことはたくさんあり、数えたらきりがありません。できなかったことに目を向けることは結構簡単です。

ただ、自分ができたことも少なからずあるし、これからできることは無限にあります。

20代最後の年は、これから良い方向に人生を「展開」できるよう、自分のペースで努力を積んでいく年にしたいと思います。

「展開型」の人間でも、一応目標は立てています。ただそれが達せられなくてもほとんど気に留めないようにする。

動いていれば結果は後になってついてくる。ある意味楽観的な生き方とも言えるでしょう。

目標を立ててもうまくいかない、そんな人に、こんな生き方もあるよ、今やっていることはきっと後で役に立つ、というのが伝わればいいなと思っています。


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