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中腰でボーリング

最近、switch sportsでボーリングにハマっている。
ハマった結果、スコアは最高で220 くらいを取れるようになった。
オンラインでマッチングをしても何度かに一度は1位をとれるくらいの感じ。

そうして調子に乗った結果、久々に本物のボーリングがしたくなってしまった。
switchであれだけ的確にボールを投げられるのだから、本物をプレイしたらどれほどスコアが上がるのかと期待が膨らむ。

近所のボーリング場についた。
何十年と年季が入って錆びれた装い。
とりあえず2ゲームをプレイした。
結果は散々で、スコアは80-110といったところであった。

そういえばと、子供の頃に近所の友だちとボーリングをプレイしたことを思い出す。
あの頃もよくよく振り返れば、周りと比べてスコアは低く上手だとはいえなかった。

悔しいのでYouTubeを見て研究。
斜めから投げる、力を入れず振り子の原理で押し出すイメージ、1,2番か1,3番ピンの間を狙え、などなど。
理にかなったアドバイスもあれば、自分の身体感覚を元にした抽象的なアドバイスもある.

かんたんに筋肉痛になったので、2日を開けて再挑戦した。
アドバイスにそって、斜めから投げたり、ボールを親指がちょうどまわるくらいのボールにしたり、重さも少し重めに変えてみた。
まず2ゲームをプレイ、結果はまたもや80-100といったところ。

斜め云々とかそういう以前にまっすぐに安定してボールを転がすということができなかった。
うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。
投球精度が低い、射出角が安定しない.

とても悔しかったので、スマホで自分のフォームを取って、1投ごとに自分のフォームを見直してみた。
どうにも投球後に身体がおぼつかず、ボールに引っ張られてしまっている感じがある.
実感としても、ボールが指からツルリと抜け落ちて、最後まで狙い通りの軌道で射出できている感じがまったくない.

頭の中のイメージは完璧だが、身体がまったくついていっていない。
switch sportsとリアルのボーリングの違いがここにあることにふと思い至る。
リアルのボーリング玉には、重量があり、大きさがあり、指とボールの間の摩擦もある。
特にこの重量が問題だった。
11ポンドのボール球 (約5kg)を正確に安定した軌道で投げることができないという点に気がついた。

振り返ってみると、足に筋肉がつきやすく、腕に筋肉がつきにくい体質であった。
走ることは得意だが、ボールを投げたりすることが苦手なのだ。
つまりボールと体幹をつなぐ腕パーツの筋力不足で、姿勢制御が安定せず、ボールが正確な軌道で射出できないというのが低スコアの結論であった。

とはいえすぐに腕の筋力を上げることはできないし、そんなことをしている間に飽きてしまうことは目に見えている。
そこで一つの仮説を立ててみた。

仮設. ボールの射出角のぶれは振り子の高低差に比例する


ボーリングの標準的なフォームでは、ボールを弧を描いて投げるのだけれど、この弧を描くときの高低差が射出角のブレにつながるのではないか?という仮設だ。
僕はいままでボーリングというものを平面的に捉えて過ぎていた。
平面という発想をすて、高低差を入れて考えると見えてくるものがあるのではという閃き。
たしかに、高く振り上げたボールほど真下に振り下がった時に指からすっぽ抜けてたり、重さに引っ張られて体幹がブレる感じがあった。
この仮設は直感的には正しいのではないかと思えた。

そう考えた結果が、少し身体をかがませた中腰フォーム。
これは弧を描くときの高低差をできるだけなくすということを意図するフォームだ。
直立した状態でボールを持つと大体地面から60-70cmぐらいの高さになるのだけど、これを中腰で持つとで20-30cm程度の高さになる。
これにより、振り下ろしの高低差をなくし、腕の筋力が弱い自分でも、指からすっぽ抜けたときのブレを小さくできる。結果として射出角のブレを小さくできるのではないかと考えた。

結果は大正解だった。
安定的に1,2,3番ピンにあたり、明らかに軌道が安定した。
スコアも一気に165まで伸びた。
控えめにいってとっても嬉しい。



ボーリングという競技を改めて考えてみる.

ボーリングレーンは18.28m。 1,2番ピンの間は18.5cm、正面からみると9.25cmの間隔。

X = atan(0.0925 / 18.28) * 180 / pi = 0.2899242 [deg]

約0.29度の範囲でまっすぐ投げ込めれば、いいスコアが取れる.
これは3メートル助走して投げるとすると、

3* tan(0.29 * pi/180) = 0.01518449415 [m]

許される誤差は1.5cm。爪一つ分くらいのズレだ。
ボーリングとはつまるところ、正確な軌道でどれだけ安定して投球できるか?というスポーツであって、
特殊な投げ方を考えなければ、爪一つ分に満たない左右のブレでどれだけ安定的に狙った軌道で投げられるかという勝負になる。
(もちろんカーブや斜め投げなんかを考えると数字は少し変わってくるだろうけど)

なにか結論があるっていう話ではないけど、
こう考えてボーリングの事が少し理解できた気がした。

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