2021/02/16(未明-p.17)


 なんかぜんぜん読むペースが上がらない。山もあれば谷もあるから、いつかは戻ってくるんだろうし、むしろ、1日1ページも読まない方が今までは長かったんだから、今のペースの方が通常運転なのかもしれない。

 この日記を書くモチベーションもちょっと下がってる。Twitterをみてたら、ある人が、その人は大学の先生で文学の先生なんだけど、学生に文学作品の感想を書かせても、今までになかったような、面白い読みは出てこず、みんなおんなじようなことを書く。その理由を学生に訊いてみると、変な読みを提示してセンスがない奴とか変な奴と思われるのが嫌だから無難なことを書くらしい。

 その気持ちはちょっと分かる。
「もしかしたら、こういう読みができるんじゃないか?」
 と思うことはたまにある。頻繁に出てくるわけではないけど、たまにある。大学のレポートで、「こういう読み方もできるんじゃないか?」と思いついたものがあっても、無難なことを書いてやり過ごしたこともあるし、もちろん書いたこともある。その線引きは何なのかはわからない。

 こうして文章を書いて、センスないとか思われたくないし、読み方を書くことによって自分の差別感情が露呈したりすることがある。自分はそんなつもりないけどでも無意識にあって、読み方を提示することで露呈しちゃう差別感情とか、どうコントロールしたらいいのか、って考えると怖くなる。卒論は第三者の立場でいろいろ言ってくれるゼミの先生がいたから、自分でも意識しつつ、先生のチェックもあって、ダブルチェックができたけど、今は自分のチェックしかない。でも自分のチェックほど頼りないものはない。だって書いてるのは自分なんだから。

 絵を描いてた友達が絵を描かなくなってしまって、「なんで描かなくなっちゃったの?」と訊いたら、
「怖くなったんだよね……」
 と言っていた。俺はそのとき心の中で、意味わかんねーよ、と思ってたけど、今はちょっと分かるような気がする。

 でもだいじょうぶ。
 今ちょっと谷なだけだから、また盛り上がると思うので。ご心配なく。というかご心配していただくほど落ち込んだりしてるわけではないからだいじょうぶです。みんなそういう気持ちを日々痛感しながら書いてるんだろうな、みんな同じような心配は持ってるだろうな、でもそれでも書いてるんだよな、と思うと心強い。

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