2021/04/20(ガープ-p.24)


 誰が言っていたのかほんとに忘れてしまったんだけど、魂はおんなじ人生を繰り返し生きる、という意見もあるらしい。つまり、活発で朗らかな性格の人は前世も活発で朗らかだったし、後世も同じ人生を歩む。そうじゃない人は前世もそうじゃなかったし、後世もそうじゃない。僕はまだ人間25年目だけれど、死んで生まれ変わっても、僕の魂は肉体は変わっても(人間に生まれ変わるのか、なにか動植物か分からないけれど)同じ人生を送る。

 藤圭子は「十五、十六、十七と 私の人生暗かった」と歌うけれど、僕は大学2年生以降が暗かった。
 でもこう書いてみると、「大学2年生以降が暗かった」と大きくくくってしまうのはとっても無理がある感じがする。たまたま思い出すそのころのハイライトがたしかに「大学中退しようかな」と考えていたり、人生で初めて挫折したりしていたことなだけで、毎日毎日暗い日々を送っていたわけではない。むしろ、どうせ大学やめんだから、と開き直って、好き勝手たのしくやっていたんじゃないか。

 日記なりなんでもいいんだけど、その日のことを書いておかないといけないと思う。こうやって忘れちゃって、なんの根拠もなしに、
「俺の若い頃は元気ハツラツで楽しかった」とか、
「十五、十六、十七と 私の人生暗かった」
 と、くくりたくない。悪いときにも良いことは絶対あったはずだし、良いときに悪いことも絶対あったはずだ。どっちもあったはずだ。

『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』でスーさんが、
「シリアスに切り取ろうと思えばすべての物語はシリアスになるし、すべての物語にマヌケな点を探そうと思えばマヌケなことはたくさんあるし、どの画角でどういう絵を取るかによって話って変わってきちゃうんだけど、どっちもあって人生じゃん」
 と言っていて、両方憶えておくのは大変だから書き残しておきたい。

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