2022/07/27


 休日。6時にテレビが点いて、消せずに寝て、8時ちょっと前に起きて、「THE TIME,」から「ラヴィット!」に移る安住さんと川島さんのおしゃべりを聞いて、
「いつもはこの時間、仕事に行っちゃうから観られないよなぁ」
 と思いながら観て、「ラヴィット!」を最初の10分くらい観て消してまた寝る。
 起きたのは11時半とかだった。ぐっすり寝てしまった。午後から出かける用事があった。もう1時間ちょっとしかなかった。休日恒例の洗濯はできなかった。ささっとできる人はご飯食べて、シャワー浴びて、着替えて、身なりを整えているあいだに平行して洗濯機一回ぐらい回せるのかもしれないけれど、
「うわぁ、昼前まで寝るなんて久しぶりだなぁ」
 って感慨に浸って10分くらいぼーっとして、カーテン開けてすっかり陽の光が昼なのを見てぼーっとして、ご飯なに食べよう、冷蔵庫にはレンジで温めたら食べられるうどんしかないからそれを食べるしかないんだけど、なんかほかにあるかなってボーッと考えた。
 急いで準備して出かける。本屋に寄って、おひなさんがインスタで紹介してた稲田 豊史『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ——コンテンツ消費の現在形 』、坂口恭平『中学生のためのテストの段取り講座』、あと綿谷りさの新刊と、山﨑努『俳優のノート』読んで読みたくなった松岡和子訳の『リア王』を買う。滝口悠生『水平線』はいずれ買うけど今日はやめておいた。
 夕方すぎに帰ってきて、いつものそば屋さんでそばを食べる。ビールを飲む。ここのビールジョッキがいちばんかっこいい。坂口恭平を読む。「職場はみなさんが通っている中学校より厳しい学校です」、ほんとそう、口では「休んでいいよ」って上司は言ってくれるけどそれでほんとに休める人なんてほとんどいない。学校は不登校もできる。でも仕事は不出勤できない。したらクビになる。
 こんなん書いていいのか分からないが、妹は(話を聞くかぎりだが)ちょっとブラックっぽいところに勤めている。
「そんなこと言い出したらどこもブラックになっちゃうよ。どこだって多少はブラックなところはあるよ。それはしょうがないよ」
 と心の中の「社会くん」が言ってくる。
「でも諦めて甘んじるのは違うと思うよ。少しずつでも変えていくべきだと思うよ」
 と僕くんが答える。
 祖父が亡くなったときに、もちろん最終的にはお葬式にも納骨にも四十九日にも参列したけれど、最初、
「休めないかもしれない」
 みたいなことを言ってて、父母は、
「おじいちゃんが死んだのに休めないとは何事だ」
「そんな会社辞めちまえ」
「(妹に対して)大人なんだから会社にちゃんと言いなさい」
 みたいなことを言ってて、若干の一悶着があったんだけど、そりゃそうよ、おじいちゃんが、家族が亡くなったのに仕事を優先しろなんで頭がおかしいけど、妹が「休めないかもしれない」って言ったのもよく分かるというか。
 これは会社の言い分が分かるってことでは決してなくて、そう考えてしまう妹の気持ちが分かるってことで、そりゃあね、「休みをください」って言いづらいよね。『中学生のためのテストの段取り講座』の中で「体は大人だけど、心が子どものまんまの大人が増えてる」って書いてて、経営者が「子ども」だったら大人の話なんか通じない。
「休みたいんですが」
「ヤーダ!」
 ほんとの子どもだったら対処のしようがあるけれど、なまじ相手は「大人」なので、こっちが「休みづらいなぁ」「言いづらいなぁ」となる。
 帰ってシャワーを浴びて、ビールを飲んで寝る。今日もいい日だった。最高だった。

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