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光と構図でステップアップする #VRoid 写真ガイド

みなさんこんにちは。バーチャル人間のサツキトウカです。

去年からVRoidが流行り始めて、身の回りでもオリジナルモデルを使った写真を撮る人が増えてきました。

自分は元々カメラを趣味にしていたので、失敗しないために必須となる技法は自然と覚えていきました。しかし、スマートフォンから入った人は失敗が少ない代わりに、技法を覚えるチャンスが少ないと感じています。

ワタシから見てセンスは良いのに「撮り方が分からず困ってる」人もちらほら見かけたので、「もっとみんなが自由に撮れるお手伝いは出来ないかなぁ」と思い、今回ざっとですが基本的なところをまとめてみました。

スマートフォンによる撮影はこの数年で爆発的に増えて、写真のスタンダードになりつつあります。それでもなお、百年以上の歴史と共に、人の目に焼き付けられた世界はカメラによるものです。膨大に残された写真の法則を駆使できれば、「バーチャルなリアルさ」が武器になります。

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だいじなこと
「基本ができればアイデアが浮かぶ」
写真の基本の順序
「構図」→「ピント」→「露出」

「構図」は三分割法からはじめよう
絵画や写真には手本となる構図があります。
構図を意識すると、撮るだけでなく見ることもステップアップに繋げられるので、非常に大事な要素になります。やり方は様々にありますが、一番意識しやすく安定しているのが三分割法です。

画面の縦横それぞれの辺を3分割して線で結び、9マスに分割します。このマスや線にあわせてレイアウトをまとめていくと、水平を始めとする画面全体のバランスが取れて来ます。最近ではスマートフォンの撮影画面でも「グリッド」などの項目で表示が追加できたりします。

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まずは縦分割か横分割で構成し、1:2の比率でマスの中にモデルや背景を設置してみてください。地面や建物がある場合は線と平行に設置すると画面が安定します。

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慣れてきたら、分割線の交点に目立たせたいものを配置すると見る人の視線を集めやすくなります。モデルであれば、顔の中心や瞳がオススメです。

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この他にも、定番の「日の丸構図」、一歩進んだ「黄金分割」、対角線や三角にS字といった図形になぞらえて配置する方法もあります。


ピントとボケ
よく「ボケ」と表記しますが、カメラで撮影した場合では一番くっきり映る面(ピント)から離れるほど、その前後の空間のあらゆるものは段階的に輪郭の滲み方(ボケ)が強くなっていきます。

ここで重要なのは、画面における上下左右ではなく立体空間的な前後の距離でボケ量が増えます。
さらに、ボケ方にはいくつかの法則があります。細かな理由や量は割愛しますが、おおよそ下記のようになります。

・広い景色を写す場合はボケが少なく、狭い景色になるとボケが増える。
・被写体(ピント)に近づくほど前後はボケて、離れるとボケなくなる。
・手前のほうがボケやすく、前後のボケ量はおおよそ2:1の比率になる。

上記は機器の規格により、わかりやすいもの(一眼カメラ)から一見ではほぼ分からないもの(スマートフォン)まで幅はありますが、物理現象として全てに起こっているものです。
モデルが背景と同じ位置にいる場合は、あえてアプリのぼかし機能を使わないなど気を配ることで、違和感を減らすことが出来ます。
ワタシの場合は、ぼかしを使わない場合はモデルの輪郭をなじませるために、フィルムの粒子加工をすることで全体を調整しています。

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光と影
現実世界では主に太陽の光が物体に当たる明るい面と、その対面の暗い面が存在しています。撮影した状況に近い明暗によるリアルさや、表現したい陰影による印象を使いこなせば、プロカメラマン顔負けの作品になります!

・光の向き
順光:画面に向かっている部分に光が当たっている状態。
色や形がはっきりするが、明るい面は凹凸と立体感が減る。
半順光:画面の左右斜めから奥に向かって光が当たる状態。
はっきり見えるだけでなく多少の陰影もできて、立体感とバランスが取れる。

逆光:画面の向こうが明るく手前に光が当たらない面がある状態。
手前の面が暗くなるが、輪郭は明るく陰影が生まれシルエットも出来る。
半逆光:画面の左右斜め奥から手前に向かって光が当たる状態。
手前に向かって影が増えるが、明暗差と陰影で立体感が表現しやすい。

・光の角度
季節にも寄りますが、朝~昼~夕方では太陽の動きにより、光の当たる角度が違います。
朝夕は角度が低いので、側面は明るく、出来る影は長く伸びます。
昼は高い位置から降り注ぐので影は短く、下に影が出やすくなります。
余談ですが、曇りの日は陰影が少なくやや青白くなります。夕日は大気の性質でやや赤みが強くなります。

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こちらは2枚の画像を合成しながら、逆光と明るさの補正をイメージしながら加工していきました。その甲斐あってか、VRoidのフォトコンテストで入賞することが出来ました。

上記の特性に関してはレタッチの際により役立つ内容になっています。まずは、現実の影の向きとモデルの状態が、大きくかけ離れてないかに注意すると違和感をぐっと抑えれるはずです。

最初は多少難しく感じるかもしれませんが、みなさんが毎日目にしている光を言語化しただけなので、少しずつ意識してもらえればすぐに慣れるはずです。
ここで紹介した内容を守らないといい作品にならないというわけでは決してありませんが、撮り方に迷った際のガイドや、アプリで加工する際は説得力のプラスになるはずです。

今後は、もう少し上記3つの内容について、作例も増やしながら解説していければと思います。