松尾さんの日常 1. ブログをはじめる

松尾さんはずっと、ブログが書いてみたいと思っていた。

でも、なかなか書けなかった。

書いてみたいことは次々と頭に浮かぶのだが、書いている間に、自分は何が言いたいのかさっぱり分からなくなってくるのだ。(いつもの私の話のようだ、と松尾さんは思った。)

…だがついに今日、彼女は気付いたのだ!

主語を"わたし"じゃなく"松尾さん"にすれば、文章がスラスラ出てくるということに。

おお、なんというひらめき!

近所の銭湯でぼーっとお湯に浸かっていた松尾さんの頭の中は、次第に、文章で埋め尽くされていったー。