見出し画像

Claris FileMaker カスタム Appを開くことができる最低バージョンを指定する

こんにちは、エミックの松尾です。FileMaker Pro 東京ユーザーズミーティング(FM-Tokyo)のある日の午前中にカスタムWeb勉強会というClaris FileMakerとWebに関する勉強会を開催していましたが、2020年6月からは勉強会の名称を変更して開催曜日を変更する予定でいます。初回は6月28日(日)の午前に開催する予定でいますが、詳細については決まり次第ご案内したいと思います。今回の記事では、Claris FileMaker カスタム Appを開くことができる最低バージョンを指定する方法について記しています。

カスタム Appを開くことができる最低バージョンを指定する

Claris FileMakerには、古いバージョンのクライアントやサーバーでカスタム Appのファイルが開かれることを防止する機能が用意されています。

旧バージョンのクライアントやサーバーでファイルが開かれることを防止するには、Claris FileMaker Pro(旧称FileMaker Pro Advanced)で対象のファイルを開いた後、[ファイル]メニューの[ファイルオプション...]を選択します。

Claris FileMaker Proで[ファイル]メニューの[ファイルオプション...]を選択

[開く]タブにある[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションで、最低バージョンを指定できます。バージョン19以上でないとファイルを開くことができないようにしたい場合には、「19.0」に変更して[OK]を押します。

(2020年6月12日追記:[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを変更するには、[完全アクセス]アクセス権セットが割り当てられているアカウントでファイルを開く必要があります。)

[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションで旧バージョンのクライアントやサーバーでファイルが開かれることを防止できる

このように設定することで、旧バージョンでファイルを開くことができないように変更できます。実際にFileMaker Pro 18 Advancedで当該ファイルを開こうとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。

最低バージョンを指定した後に旧バージョンでファイルを開こうとした際に表示されるダイアログボックス

(2020年10月2日追記:Claris FileMaker Pro 19.1.2では、[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションの設定方法が、バージョン番号を一覧から選択するのではなく、バージョン番号を入力する方法に変更されています。)

バージョン19では共有ファイルでも最低バージョンを指定可能

バージョン18以前では、手元にあるローカルファイルを開いている場合にのみ[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを変更できます。

このような仕様であったため、サーバー上の共有ファイルを開いている場合にこのオプション設定を変更しようとしても、ローカルファイルにする必要がある旨のメッセージが表示され設定を変更することはできませんでした。

バージョン18以前ではローカルで開いている場合のみ[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを変更可能

先月発売されたClaris FileMaker Pro 19では、サーバーでホストされている共有ファイルを開いている場合でも[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを変更できるようになっています。

なお、FileMaker Server 18でファイルがホストされている場合、Claris FileMaker Pro 19を使って[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを「19.0」に変更することはできません。サーバーのバージョンが考慮されます。

開くことのできる最低バージョンの指定はサーバーにも影響

FileMaker Serverを利用している場合、ファイルを開くことのできる最低バージョンを19にする場合には、サーバーのバージョンも19に統一する必要があります。

[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプションを「19.0」に変更しているファイルを、FileMaker Server 18で開こうとしてもファイルを開くことはできません。Admin Consoleで操作している際には、何もエラーメッセージが表示されず、すぐにファイルが閉じられてしまいます。

FileMaker ServerのEvent.logファイルの内容を確認すると、データベース名が「タスク」である場合、“データベース「タスク」を開くことができません。データベースのバージョンに互換性がありません。FileMaker Pro で開いてください。(Database "タスク" could not be opened. Database version incompatible; try opening in FileMaker Pro.)”というエラーメッセージ(イベントログのIDは106)を確認できます。

FileMaker ServerのEvent.logファイルに出力されるエラーメッセージ

しかしながら、実際の運用時にはこのエラーメッセージの内容からは直接の原因にすぐには気づきにくいと思いますので、最低バージョンを設定する際には注意が必要でしょう。

まとめ

Claris FileMaker カスタム Appを開くことができる最低バージョンを指定する方法について解説しました。Claris FileMaker Proを使って、ファイルオプションの[このファイルを開くことのできる最低バージョン]オプション設定を変更することで、開くことができる最低バージョンを指定できます。Claris FileMaker Pro 19では、サーバーでホストされている共有ファイルを開いている場合でも同オプション設定を変更できるようになっています。この最低バージョンの指定はサーバーにも影響を与えるので、クライアント側のバージョンだけでなく、利用しているサーバー製品のバージョンにも留意する必要があります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?