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FileMaker Server 17以降でスケジュール設定をロードする際の注意点

こんにちは、エミックの松尾です。一昨日の午前中にFMウェブもくもく会 Vol.3をオンラインで開催しました。FMウェブもくもく会は、Claris FileMakerとWebに関してもくもくがやがや一緒に勉強していく会です。ご参加いただいた方々、誠にありがとうございました。次回のFMウェブもくもく会は2020年12月に開催する予定です。さて、今回の記事では、FileMaker Server 17以降でスケジュール設定をロードする際の注意点について記しています。

Claris FileMaker Serverのスケジュールについて

Claris FileMaker Serverでは、サーバー上で特定の処理を決まった日時に実行させたい場合や定期的に実行させる場合にスケジュールを設定することができます。

FileMaker Serverで利用できるスケジュールタイプは大別すると4種類あり、スクリプトスケジュール、バックアップスケジュール、メッセージスケジュールおよびデータベースの検証スケジュールがあります。

Claris FileMaker Serverで利用できるスケジュールタイプは4種類

スクリプトスケジュールでは、FileMaker スクリプトとシステムスクリプトを実行することができます。さらに、スクリプトシーケンスタスクスケジュールを作成して、FileMaker スクリプトの前後にシステムスクリプトを実行することも可能です。

Claris FileMaker ServerのスクリプトスケジュールではFileMaker スクリプトとシステムスクリプトを実行することができる

設定ファイルをロードすると既存のスケジュールは削除される

FileMaker Serverにはスケジュール設定を保存およびロードする機能が備わっています。FileMaker Serverのバージョンアップや再インストール、もしくは別のサーバーに移行するような場合に主に使用します。

現在利用中のFileMaker Serverでスケジュール設定を保存して、スケジュール設定ファイルを出力します。その設定ファイルを新しいFileMaker Serverでロードすると、スケジュール設定を移行させることができます。

Claris FileMaker Serverでスケジュール設定ファイルをロードすると既存のスケジュールがすべて削除されるので注意が必要

スケジュール設定ファイルをロードすると、ロードしたサーバーにおいて既存のスケジュールがすべて削除され、スケジュール設定ファイルのスケジュールに置き換えられるようになっています。ロードの際に既存のスケジュール設定を残さない仕様となっているので注意が必要です。

Admin Console上で確認できなくなったスケジュールタイプ

FileMaker Server 17ではFileMaker Server Admin Consoleが刷新されました。これに伴い、例えば、FileMaker Server 16以前で保存したスケジュール設定ファイルをFileMaker Server 17以降でロードした場合に、Admin Console上で確認できなくなっているスケジュールタイプがあります。

FileMaker Server 16で利用できるスケジュールアシスタントの画面

具体的には、メッセージスケジュールとデータベースの検証スケジュールの2種類がFileMaker Server Admin Console上で設定内容を確認できなくなっています。Admin Console上では確認できないものの、これらのスケジュールタイプはバージョン17以降でも引き続きサポートされており、fmsadminコマンドやClaris FileMaker Admin APIを使用すれば設定内容を確認することは可能です。

(2021年8月22日追記:2021年6月に提供が開始されたClaris FileMaker Server 19.3.1においてFileMaker Server Admin Consoleで再度データベースの検証スケジュールを作成・管理できるようになっています。)

データベースの検証スケジュールを実行するタイミングに注意

特に注意しておきたい点として、データベースの検証スケジュールは、バックアップスケジュールとタイミングが重なると、バックアップスケジュールが正常に動かないケースに直面する場合があります。検証の際にデータベースファイルが閉じられてしまうからです。

データベースの検証についてはバックアップスケジュールの[検証]オプションを利用するという方法もあるので、データベースの検証スケジュールについては使わない方針にする方も少なくないと思われます。

場合によっては、fmsadminコマンドのdisableコマンドでデータベースの検証スケジュールを無効化したり、FileMaker Admin APIを使用してスケジュールを編集もしくは削除して対処する必要が出てくることでしょう。

データベースの検証はバックアップスケジュールの[バックアップを検証]オプションを利用するという方法でも可

バックアップフォルダや各種フォルダの設定を念のため確認

古いサーバー環境と新しいサーバー環境で一部構成が違う場合には、バックアップスケジュールにおける[バックアップフォルダ]の設定を確認した上でバックアップスケジュールを1度手動で実行し、バックアップスケジュールが正常に機能するか確認すると良いでしょう。

特に、新しいサーバー環境でフォルダやデータベース、スクリプトを別のフォルダに変更しているような場合には、バックアップスケジュールにおける[バックアップフォルダ]の設定だけでなく、FileMaker Server Admin Consoleにおいて各種フォルダの設定についても念のため確認しておくと良いでしょう。フォルダの設定は[構成]タブ>[フォルダ]で確認できます。

Claris FileMaker Server Admin Consoleで各種フォルダの設定は[構成]タブ>[フォルダ]で確認可能

まとめ

FileMaker Server 17以降でスケジュール設定をロードする際の注意点について解説しました。Claris FileMaker Serverでスケジュール設定ファイルをロードすると、既存のスケジュールがすべて削除され、ロードした設定ファイルのスケジュールに置き換えられるようになっています。また、FileMaker Server 17以降では、メッセージスケジュールとデータベースの検証スケジュールの2種類がAdmin Console上で設定内容を確認できなくなっています。場合によっては、fmsadminコマンドのdisableコマンドでデータベースの検証スケジュールを無効化したり、Claris FileMaker Admin APIを使用してスケジュールを編集もしくは削除して対処する必要が出てきます。さらに、古いサーバー環境と新しいサーバー環境で一部構成が違う場合には、Admin Consoleでフォルダの設定やバックアップスケジュールにおける[バックアップフォルダ]の設定を確認し、バックアップスケジュールが正常に機能するか確認すると良いでしょう。


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