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寝込んで熱にうなされた妄想癖の収束

先週の土曜日に2回目のワクチンを接種し、同時に打った、妻・上の娘と共に寝込んでいた。

寝込んでいる時は、下の娘が末の息子の世話を焼いてくれたり、買い物、氷枕の用意など甲斐甲斐しく、寝込むのも悪くないなと思ったものだ。


もともと妄想癖が強く、寝る前に夢なのか妄想なのか分からないラインで妄想を繰り広げることがある。

熱で一日中(結果として二日間になったのだけれど)ゴロゴロしていると、それほど寝られるわけでもなく、また、とりとめのない妄想が捗ってしまう。


良くする妄想が「人生のあの時の分岐点で、現在のAではなくBを選択していたらどうだろう?」というものだ。

自分の中の大きな分岐点は、

・前の会社を退職したこと(退職するタイミング)

・フリーランス時代のこと

・フリーランスから現在の会社に入社したこと

の3つだけれど、大枠では失敗したと思っていない。

失敗したとすれば、前の会社を退職するタイミングが遅すぎたことで、今回の妄想も、その時のタイミングで退職していれば……という点に終始した。


親しい友人にしか話していないけれど、会社員時代から借金があり、現在も返済中(来年中には完済できる見込み)だ。

その借金の大半が、前の会社に勤務していた時にできたものだ。


勤めていた会社はガソリンスタンド(その後、自動車整備に転属する)で店長だったため、月の間に丸々1日の休みは1日あるかどうか、1日の勤務時間は短くても12時間という勤務状況だった。

それでいて、給料は手取りで19万円(役職手当含む)だったので、妻と子二人の生活を支えられるはずもなく、妻はパートに出てくれていたものの、毎月、じわじわと赤字が嵩んでいた。

妻は、俺の勤務状況を見ていることもあり、お金のことが不安になっても「自分が家計を管理しなければ」と抱えてしまっていた。

また、今となっては恥じ入るしかないが、その時の精神状態でお金の相談をされても「これ以上どうしろって言うんだ」と喧嘩になってしまっていただろう。


24歳まで東京でバンドをやっており、その会社は地元に帰ってバイトから始めて、結婚する際に正社員にしてもらった、当時の自分としては「拾ってくれた恩のある会社」だった。

だから、月末に売上目標に満たない数字があれば、自分のクレジットカードで足りない部分を自爆購入するのも当然だと思っていたし、労働基準局対策に、記録に残す表向きのシフト表と、実際に働くシフト表の二種類を作るように言われても、それが会社ってもんだと思ってさえいた。


極めつけになった事件がある。

当時の社長の知人が社員として入ってきて、二か月もしない間に配属された別の店舗で、金庫のお金を盗んで本店(自分の働く店舗)に呼ばれていた。

その時、金を盗んだ彼を本店で使ってくれないかと言われ、当然断ったのだが、「俺はどんな奴でも見捨てたくないし、お前にはそれでも使いこなせる器がある……うんぬんかんぬん」という話を二時間され、もし、金銭的な問題があったら社長が責任を持つということで折れた。

そして、2か月で金庫からお金を盗まれた。

俺には使いこなせる器は無かったようだし、金銭的な責任は社長が追うはずだったのに、俺がカードローンで借りて盗られた金を補填した。

さらに、管理不行き届きということで、減給のうえ(手取り19万からよく減らせたなw)別店舗に異動となった。


それでも、なぜかその当時は、それが当たり前だと思っていたし、じわじわと借金を増やしながら、それから5年以上は勤めていた。

今の会社で、ちょっとしたミスがあり、会社に金銭的な損害が出た時に、今の社長に「すいません、補填します」と伝えたら、「バカか、それならなんのために俺がいるんだ」と言われて驚愕したことがある。


どうだろうか。

大きな借金を背負うきっかけとなった、お金を取る社員を使わなければならない前に、会社をやめてフリーになっていれば。

きっと、今の年齢には借金はないだろうし、貯金やマイホームだって夢じゃないかもしれない。


でも、そうすると、フリーになってから出来た、末の子は居ない人生になるってことか……、と思って、妄想は収束する。


現在の会社には恵まれていると思うし、社長と同僚との仲も良好で、前の職場での話は雑談時の鉄板ネタとして昇華できている。

そして、なによりも、中学生に上がった上の子は、まだ夜に一緒にゲームをしてくれるし、下の子は家族全員の看病をしてくれるほど成長した。

妻は、前の会社の時よりもニコニコしてくれているし、末の息子はただ可愛いだけで生きている。


過去に戻って分岐点を変えるのではなく、今、これからできることを必死に頑張っていこうと思うのだ。




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