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全物語(短編小説/140字/体感/イラスト物語/脚本/回文)

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2021年7月の記事一覧

脚本68「禁煙」

●登場人物 ◯立花(たちばな) ◯真口(まぐち) ◯外神(とがみ)  疲れた顔で壁によりかかる立花に歩み寄る真口。 真口「おつかれっすー」 立花「ん。おつかれ」 真口「なっ、おまえそれやめろ!」  立花の右手を弾き飛ばす。宙を舞ったタバコが壁に叩きつけられた。 立花「は? なにすんだよ」 真口「おまえそれタバコだろ」 立花「なに、真口おまえそんなにタバコ駄目だったっけ?」 真口「ここ禁煙」 立花「は? 喫煙所だったろ」 真口「それは昨日までだ」 立花「なんだよそれ聞い

脚本67「ブリキのソレルのアンブレラ」

これは『演出』のWSで使おうと思った脚本ですが、元がエグイくらいグロかったので、表現を変えて変えてマイルドにしたら意味が解らなくなってお蔵入りした脚本です。 (元は戦争系だと思って頂ければ) ●登場人物 ◯ソレル、探偵 ○チエロ、バンセン ●ブリキの兵隊は転がる自分の頭を拾い上げる。 ソレル「ここにもいない、か」 探偵「おさがしですか。もしもし、おさがしですか」 ソレル「ぽぽぽっぽーーーうっ」 探偵「おさがしですか、兵隊さん」 ソレル「あなたは?」 探偵「わたしは、名の

脚本66「エスケープ」

●登場人物 ◯海浩(うみひろ) ◯山路(やまじ) ◯早良(さわら) ●全員ドアを開けて室内に飛び込んでくる。 海浩「どぅあああ! ドア! ドア! 閉めろ!」 山路「痛い痛い痛いよ踏まないで!」 早良「しっ! 君たち静かにするんだ」 ●ドアを閉める早良が鎮める。海浩は山路の口を窒息させるくらい押さえる。 早良「いいかい、ゾンビってのは音に寄って来るんだ」 海浩「つってもよぉ、あんな騒ぎながら飛び込んだんだ。寄ってきてるだろ」 山路「ん~~~ん~~~~」 早良「だからこそ

脚本65「まわるまわる世界が回る」

何かをテーマにしたWSで使うために作ったようだけど、今となっちゃ何の意味もわからないし、思い出せない。謎の言葉の羅列脚本です。 なんとなく覚えているのは、友達と徹夜しながら脚本を書く会をしたということ。 ○登場人物 漢字 ひらがな カタカナ 【1】 漢字   まわるまわる カタ   世界が回る 漢字   動きを止めれど ひら   目は回る 漢字   まわるまわる ひら   目が回る カタ   家計を見れば 漢字   火の車 カタ   もえるもえる 漢字   家計が燃える

脚本64「ハニーは危険な女」

●登場人物 ◯テムズ ◯ミーチェ ◯男 ○アーノルド テムズ   3本目の街頭を右に曲がるとアーノルドという小親父がいる。彼の持つ手帳を奪い帰還するべし。まったく、回りくどいミッションだ。おれは、そう言って君に赤いバラを差し出す。 ミーチェ   ありがと。でも私は、あなたの気持ちを受け取らないわ。私が受け取るのはマスターの言葉だけ。内容は伝えたんだからさっさと行きなさい。 テムズ   やれやれガードの固い女だ。 ミーチェ   パスワードが必要なのよ。 テムズ   次会う時に

【1分小説】7「カリカリチーズ」

僕は文原(あやはら)先輩に居酒屋に誘われた。別に嫌いではないが、好きでもない。タイプの女性というわけでもない。断らなかった理由は、断る理由が瞬時に出せなかったからだ。 「好きな物頼んでいいよ、明日休みだし」 「え、いいんすか、今日忙しくてなんも食ってないから爆食いしますよ」 「うん、いいよ、明日休みだし」 明日休みだから何なのだろうか、いやに強調してくるな。しかもメニューを開いてる間に、文原先輩が僕の分もお酒を頼んでいた。 え、それ結構強いやつじゃない? 「とりあえず、

【1分小説】6「おかしな彼女」

朗は、彼女の舞衣と公園デートの最中だ。フリスビーなどの軽く遊べる物を持ち寄って、遊んでいた。 運動すると、疲れるから糖分が欲しくなる。朗は舞衣に 「食う? チョコ」 「んー、太る」 「あっそ」 ヘロりとする朗が、チョコを口に放り込むのを舞衣は、じいっと見ていた。 「ちょっとー、そこはさ? お前スタイルいいんだから大丈夫だ、とかさー、色々言えることあるじゃん?」 「……ん、ず、ずっと可愛いから…大丈夫」 照れながら、朗はすかさず舞衣の口にチョコをねじ込む。 「なにすん

脚本63「見参、真童江茂助。」

○登場人物 ・枕将軍、真童江茂助(しんどう・えもすけ) ・尾道主浩(おみち・かずひろ) ・佐々倉大臣(ささくら・ひろおみ) ・刷吊水木(すりづり・みずき) ・三角刈菜(みかど・かるな) 尾道   では現在の私たちの状況を整理しましょう。 佐々倉   聞こう。 尾道   幸いにも、三角さんは隣の部屋を借りている。 佐々倉   幸いにもだなんて幹事さ~ん。 尾道   そう、この作戦はボクが合宿の幹事になった時から動いていた。 水木   悪いやっちゃ~。 尾道   宿を調べ、口コ

脚本62「私の彼は宇宙人」

●登場人物 ◯知町(しりまち) ◯マルコフェルペッソ ◯高原(たかはら) ○ウェイトレス・ウェイ 知町   私ねUFOに乗るの。 高原   は? 知町   ドライブなんだ。 高原   は? 知町   すごいんだよ、ふわぁぁって体が浮くの。 高原   はぁ? 知町   彼氏がね、できたの。 高原   は? え? うそっ! 知町   ほ・ん・と。宇宙人なんだぁ。 高原   は? なにおまえ。 知町   火星に住んでるの。 高原   どうした。 知町   喧嘩するとね…… 高原 

脚本61「コント/犬と娘」

これは7年くらい前に書いた脚本ですね。 結局ボツにしてやらなかった気がする。 ほぼアンジャッシュだったし。 【登場人物】 ・ななこ  犬 ・かなこ 部長の娘 ・鈴本 やる人の名字。娘かなこの婚約者。坂本と同じ会社「娘の話をしている」と書いた紙 を体に張る。 ・坂本 やる人の名字。犬ななこの貰い手。鈴本と同じ会社「犬の話をしている」と書いた紙 を体に張る。 ・空島部長 やる人の名字部長。犬と娘の貰い手を間違える。「犬の話をしている」「娘の話をして いる」と書いた紙を、坂本、鈴

【1分小説】5「あのクラスでの計画」

「さて皆さん、この問題は解けますか?はい、では罰尾君」 担任は異臭を放ちながら授業をしていた。 異臭の原因、それは2ヶ月入浴をしていないことによる。 「ずばり!…!ず、ずばり…!」 「ふふふ、問題が見えなくては答えられませんねぇ」 担任は黒マジックで罰尾の眼鏡を塗り潰しだした。罰尾は間近で嗅いだ担任の異臭で倒れ、その眼鏡は真っ黒に染まっていた。 担任は教室の後ろへ歩き、話す。 「皆さん、先生に隠し事をしていますね」 横を過ぎる悪臭に児童は意識が朦朧としている。大杉が

【1分小説】4「クラスの任務」

クラス委員長は放課後、クラスメイト全員を居残りにし教壇に立った。 その行いを否定する者はおらず、皆固い決意を持っていた。 「ずばり、諸君に提供するエモノはコレでしょう」 委員長はキラリと眼鏡を光らせ、クラス全員分の拳銃を広げた。 「よく集めたメェ〜委員長」 「ああ、脳の調子が悪くなってきたよ…」 「なんだよそれ食えんのかぁ?」 委員長は教壇で両手を広げて天を仰ぎ言う。 「ずばり!入手経路はどうだっていいでしょ〜う。さて、皆さん、明日は戦争です。この拳銃を使い先生に気

短編小説34「気づかれる事なんてないのにな」

 私が透明人間になって以来、彼女と会うことはなくなった。いや、厳密には私は会っているが、それが彼女に見えることはなかったろう。  何度か会いに行った。つい、声をかけてしまったこともあった。 ☆ 「華、そこ危ないよ」  私はつい声を出してしまった。誰もいない空間から声がするなんて、恐ろしい事じゃないか。空耳かと思ってもらえればいいが、あまりに聞こえすぎると問題になりかねない。  だいたい、彼女はすぐによそ見をして歩くから気が気でないんだ。透明人間になった私が手を引いて

脚本60「BL~Butyo Love~」

●強風が吹くオフィスビルの屋上 新発田(しばた)   なんでだよぉーーーー! なんでなんだよぉぉぉ! 大晦(おおみそ)   そ、そんな叫ばないでくださいよっ 新発田   なんでだぁぁぁ! なにがだめなんだぁぁぁ! 大晦   ちょ、警備員さん来ちゃいますってっ 新発田   お願いだよぉ…… 大晦   部長っ! 泣かないでください! 新発田   一体私の何がダメだと言うんだね……年齢か、年齢がダメだというのかね。 大晦   いえ、年齢というわけではないんですよ。部長がしっかりし