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新財政政策提言-MMTまるわかり

MMTを初心者にも判りやすく、Q&A形式で解説した本である。
財源(税収)がなくても政府予算は組める、そして赤字国債が増えても財政破綻しない、減税を行なっても通貨発行できる。
従来の考え方だと、予算も無いのにばらまきをするのは無責任だとの非難がでるのが当然だった。しかし、最新の貨幣理論によれば、非難には当たらず、科学的にも妥当な考え方であることが分かる。

政府の赤字は国民の黒字。実は経済成長を遂げている各国の政府予算は黒字であるケースは殆ど存在しない。稀なケースとして2000年に米国で黒字になったが、その直後から不況に転落している。つまり政府は赤字であることにより、国債を通して市中に資金を回転させている。それによって好景気が保たれる。

ではなぜ税収がなくても予算を組め、政府支出ができるのか。それは一般の家計と違い、政府は通貨発行権を持つ唯一の存在だから。政府が先づ通貨を発行し、それを使って国民はビジネスを行い、利益が上がれば納税する。実は政府は納税が少なくても、構わない。通貨発行すれば良いのだから。

通貨を好きなだけ発行できる、と書くと多くの人は、何て無責任かと思うだろう。実はインフレ率2%までであれば通貨を発行しても良いだろうと、上限を設けているのがMMTの特徴。事実参議院調査室の試算によると国民全員に毎月10万円配ってもインフレ2%には到達できないことが国会でも公表されている。

また国債のデフォルトにはならない理由も書かれている。自国通貨で国債を発行する国で、なおかつ変動相場制を採用している国は、国債の不履行はあり得ない。

こういう議論をしっかり理解し、自分なりに本当かどうか確かめる。それがこの国を良くしていくと思う。残念ながら本書は電子出版のみだが、微に入り細に入り、読者の疑問に答えようとしている。

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