劇場版アニメ「聲の形」のススメ
自分的には、「マッドマックス」「ベイマックス」「ガルパン」「シン・ゴジラ」並みに面白かった映画が「聲の形」です。タイトルいっそ「聲・マックス」にすればよかったのに。
え、「聲の形」って、聴力障害の女の子がいじめられる話でしょ?と腰が引けぎみながら、でも京アニだしキャラクターの造形とかよさげだし…でもとうじうじしている人は、何も考えず先入観持たずにレッツ「聲の形」だ。
これ障碍者のための映画じゃないし、障碍者とどう生きていくか考える映画でもない。
青春映画です。
すぐに「もう死ぬしかない」と思う、傷付いた出来事から逃れる術を知らない(たった10数年しか生きていないから)この目の前のことが、世界の全てだと思い詰めるせつない子どもたちに寄り添う大人、寄り添おうとするけれど、どうしていいかわからない大人、そもそもの無関心しか示さない大人。
コミュニケーションがテーマの映画です。
35年前に教育実習にいって、小学生に囲まれたときの恐怖を思い出しました。うるさい。それぞれ何をいっているのかさっぱりわからない、怒鳴るように叫ぶようにしてにこにこと迫ってくる子どもたち。怖かった。
特別支援学級が逃げ場でした。静かだった。にこにこしているけれど何も話さないでそばにただ居る子、端の方で膝を抱えてうつむいているだけの子、担当の先生と熱心に何かに取り組んでいるので、私がそこにいようが出て行こうが、全く関心を示さない子。実習中はそこが癒しだった。
20歳そこそこの学生の私は、コミュニケーション能力が閉じていた。自分と自分の生きる半径数メートルの世界の中で、そこに通じる言葉と態度のみで、何不自由することなく生きていた。
またさらに、マグドナルドの注文すらろくにできなかった、初めての海外旅行も思い出す。英語が全く聞き取れなかった。指差しと片言で注文はできたと思ったのに、ここで食べていくのか、持ち帰るのか?が聞き取れず、固まってしまった。
主人公の男の子は、小学校6年のとき転校してきた障害で耳が聞こえない女の子に強く惹かれる。強く惹かれるが、彼女は耳が聞こえないので、自分のこれまでのやり方では、この女の子と関わることはできない…そこから話は始まる。
以下は、個人的にこの映画観てよかったーと思うポイントを箇条書きしておきます。観なきゃ良かったというポイントはないです。
○高校生の主人公のキャラデザインがカッコイイ!特に立ち姿、シルエットになったところ!
○主人公のおかあさん。男の子って!どうしてこう!と抱き合って泣きたかった。
○女の子たちがちゃんと意地悪。意地悪じゃない子もそれぞれ問題ありで、男子視聴者は、それが苦手かも。このあたりは原作を読んでもっと堪能したい。
○耳が聞こえない子特有の話し方をやり切った声優の早見さん力量すごい!ちなみに声優さんは、全員超上手です。
○友人役の天パ男子。「きみのキャラに救われたよ」って思った。
○妹萌える。中学生の方も、幼児の方も。
○京アニというか、山田尚子監督特有の足の演出。何度も観たい!足が画面に映っているだけでなんでこんなにうれしいんだ。
○aikoさんの主題歌が、作品完全に終わるまで鳴らない。つまり本編にかぶさってこない。ホッとしました。いい曲ですよ。個人的にJ-popがラストシーンに重なるのは、生理的に好きじゃないだけという理由でよかった。
もっとあるけどこのくらいで。近場にいる人で観た人はどこが良かったか今度教えてください。
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