DJ Shindyさんに聞く―クラブの固定観念を払拭するというコト―


DJ以前の活動は何をしていましたか?またその活動は今に活きていますか?

Shindyさん 2014年に丁度大学を卒業して、そこからマーケティング系の仕事をしていました。物を作って物を届ける部分。例えば、お金を使って広告を出したりコラボしたり。どうやって、自分の会社のプロダクトをお客さんに届けて、1人でもより多くの人に商品を知ってもらえるのかをずっとやっていました。それが、今の経験にもかなりつながっています。」

具体的にはどういった部分で活きていますか?

Shindyさん 僕は、イベント=『モノ』だと思っています。僕なりの商品なんですね。それをお客さんに届けるためにどうすればいいのか。どういった見せ方をするか、フライヤーをどう作ればいいのか。そもそも商品の魅力、僕のイベントの魅力ってどこなのか。それをお客さんにちゃんと届けなければいけない。そして、僕の商品に合うお客さん、僕の商品を楽しんでくれるお客さん、そもそも僕のイベントを楽しんでくれる人って誰なんだろう?とかを考えたりとか。イベント作りにおいてマーケティングの仕事をやっていてよかったなって思います。単純にDJ活動ってしたときもDJプレイっていうのをどういう風にすれば、お客さんが楽しんでくれるのか。例え、30分でもひたすら考えるようになりました。他にもTwitterの発言もそうですよね。そういう小さいところでもその辺は、意識します。

そもそも、何故DJをはじめようと思ったんですか?

Shindyさん 大学の時にダンスミュージックのトラックメイクをしていて、東京に来たときに初めてクラブという所に行ってこんな世界があるんだぁと感動しました。そこでトラックメイクをしていることを伝えたら、DJをやってみないかと誘われたのがきっかけです。実際、いざやるとなるとどんなDJになろうかと考え、最初のほうは、お客さんが楽しんでくれるPOPなDJになろうと考えました。最初の頃は、誰にも教わっていなかったので、つなぎも何もできないし再生ボタンを押すだけの人って感じでボロボロでした笑。

そこから、どう変わりましたか?何かきっかけなどあれば教えてください。

Shindyさん 基本はその後も独学で進めました。自分の演出でお客さんが盛り上がってくれるのが嬉しくて、DJを本気でやっていきたいなと思い始めました。クラブとかだけでなく、友達の交流会・飲み会にもとりあえずDJをやらせてくれとお願いしました。機材などは全て自分で持ち込んで。3.4時間の飲み放題コースでひたすら修行するといった感じです。技術はそこで身につけました。とはいっても、クラブに直接の人脈があるわけでもなかったので、クラブには友達づてにひたすらお願いして出してもらっていました。その頃に今のスタイルである『自分が1番楽しんでDJをする』スタイルを築きあげました。DJやるときには、僕が1番ジャンプしたりして楽しんでいます。お客さんにウケル曲だし、自分が好きな曲でお客さんと一緒に楽しむことを意識しています。例えお客さんが数人だろうが、たくさんいようが関係なく僕のDJタイムは皆楽しいぞ。みたいなことがやりたくて。これを続けていくと、「Shindy君のDJは見ていて楽しいし選曲もいいよね」といっていただき、次々にいろんなイベントに呼んでいただけるようになりました。
 その後DJの仕事が増えたのはよかったのですが、ナイトイベントが多かったんです。ナイトイベントでDJしてそのままオールで会社に行くっていう地獄みたいな日々を過ごしてました笑。けど、その生活で体調を崩してしまい、ちょっとこれは無理だな。DJは楽しいけどナイトイベントはでられないなってなって1回お休みしようってなったんです。しかし、DJをやりたいって気持ちが捨てられずお休みしきれなくて。じゃあ、自分でイベントを作ろうとなり、トッラクメイカーから、DJ、そしてオーガナイザーになりました。

現在、モットーにクラブイメージの払拭とありますがきっかけを教えてください。

Shindyさん これは最初から思っていました。トッラクメイカー出身ということもあって、音楽って楽しいよって事だけをシンプル伝えたいんです。しかし、クラブイベントって他の要素が多すぎるんです。例えば、出会い・お酒・タバコ・夜・若者文化だったりと。といいたように日本だとあんまりよくないイメージが専攻していると感じていました。一般人にクラブでDJやっていることを伝えると、あぁ夜のお仕事なんだ、チャラいねっていわれたこともありましたね。クラブ業界には素敵な音楽、素敵な人がいっぱいいるんです。なので、一般の人たちにもクラブ=音楽を楽しめる場所になれば、フランクな場所になればいいなと思いました。日本で音楽を楽しむといってもあんまりなくて、フェスやライブにいくこととなってしまっていて、こんなにも身近なクラブがあるのに悪いイメージでなかなか行けない。行ったことないから良くわからない、ナイトだったら怖いだったりの理由で。だから、自分が主催する時には、悪いイメージをとっぱらって全部、真逆の事をやろうと考えました。タバコも分煙、ご飯もある、しかも日中だったりします。本当に音楽に集中してもらおうと考えています。クラブっぽくない感じですけど。

最近は海外進出も増えていると聞きました。海外と日本の違いを教えてください。

Shindyさん 日本と海外の夜の飲み会方の文化的背景の違いが圧倒的にあるんですね。海外はHUBみたいにクラブみたいな所に行って酒を飲んで踊るのがスタンダード。一方日本は、どうかというと居酒屋文化が発達しているんです。日本のサラリーマンは仕事が終わってじゃあ居酒屋でのもうか。海外だとひと踊りしていく?といった夜の文化背景があるんですよ。日本は飲みというところでクラブがなくなってしまったので、結局クラブに行く人は、本当に音楽好きの人はいるでしょうけどクラブ好きのDEEPなものに変わってしまった。一般人のなじみのない所へと変わってしまった。特に六本木で、クラブカルチャーは育ったので、お金持ちの人が金をかけたひたすらでかいパーティーしにいくイメージになってしまったんです。だから、お酒の単価も高いしですし、入場料もかかりますしね。最近はフィリピンに行ったのですが100円で1Dで入場できたんですよ。日本だとテキーラ1shot500円が、50円でした。もちろん物価の違いはあるでしょうけど、VIPとっても2-3000円でご飯もついてきました。簡単に3000円の食事コースでしたね。逆に向こうは居酒屋があんまりないのでクラブに皆が向かいます。

日本で真逆のことをやっているとのことですが、入り口を作ってShindyさんの型を広げていきたいのですか?

Shindyさん あんまり、僕の型を広げようっていうのは考えていません。僕は、そこの入り口になりたいんです。クラブと聞いて、無理と答えられるのではなく、ちょっと過剰なイメージを払拭していきたいです。僕が入り口になって、そこから、ナイトイベントにいってもらうのでもいいですし、自由に選択して欲しいです。怖いところもありますけど、怖くないものもあるよと広めて行きたいです。

既存の文化とShindyさんのイメージの折り合いはどうしていますか?

Shindyさん 正直、あんまり意識はしていません。僕がやっていることは戦場が違うと考えてやっています。ナイトもいいけど僕はデイで戦う。ただ、僕のスタンスとしてナイトはでないし、やらないって決めています。クラブ業界に新しい選択肢を提示していきたいので、既存の文化と喧嘩しようということは全く無いです。ナイトイベントでももう既に素敵なイベントをやられているので、わざわざ僕がやる必要もないと感じでいます。喧嘩というよりむしろそこの橋渡しにでもなれたらいいなと思います。」

Shindyさんの主催イベントと他の方の主催イベントのお客さんはどう違いますか?

Shindyさん 抽象的にいうとクラブ好きか,そうじゃないかになります。ナイトクラブに行く人は限られていて。時間がある学生や本当にクラブ好きの社会人か。僕のイベントに来てくれる人は、純粋に音楽好きな人と、企画イベントが好きな人が多いです。沈黙ダンスとかこれおもしろそうっていってもらえたりとか。次にデモグラ的に話をすると、ナイトクラブは、学生や社会人でも20代の若い子が多いです。また、六本木とかになるとVIPのおじ様たちになります。僕のイベントに来てくれるターゲットは2層あって、一般的なサラリーマン。クラブとは縁の無いようなちょっと夜のみに行こうかなってぐらい。もう1つは、未成年も含めた若い層です。

イベント未成年無料のこだわりなどは、そこから入り口として来て欲しいからですか?

Shindyさん 2018年10月に未成年無料ってさせてもらいました。イベントは夜も多いし、お金もないですし。じゃあ無料でいいじゃんって。しかもナイトって未成年はそもそも、法律として行けなくて。行きたいと思っているのに行けないのはもったいないじゃないですか。だから、デイにこだわり、誰でも来れるよってイベントにしたんです。

無料にしてから効果はどうでした?

Shindyさん 未成年の子たちが増えましたね。1つのイベントに毎回来てくれる子もいますし、どのイベントにはじめてきましたって子も必ずいます。ドリンク1杯飲んで4時間くらい音楽聴いて楽しかったです。って言ってもらえて。その子達のクラブのイメージも変えられたと感じますし、ふらっと音楽を聴きにいくっていう選択肢が人生に増えたと思うんです。それだけでも、僕のイベントはやった意味があります。これからも、やっていきたいと思います。

オーガナイザーとしてのキャリアを積み始めてどうでしたか?そこでの失敗やその後どう成長したのか教えてください。

Shindyさん 最初の頃は、全く成功しませんでした。作り方も全然わかっていませんでしたし。お金を払って、箱を借りて、パーティーします。っていっても、5人程度しか集まりませんでした。始めてから半年間は全く芽が出なかったのでイベントを開くたびに赤字でした。ただ、思っていることはずっと一緒で、こういうイベントをやり続けたいっていう気持ちは1回もぶれていないんです。そう思えたのも、お金にならなくても、来てくれたお客さんがすごい楽しかったって言ってくれていて、クラブっぽくないけど、すごいいい音楽が聴けて良かった。その言葉でこれは、僕がやりたかったことだと、毎回確認は出来ていました。辛かったですけど。つまり、やっていることは間違っていない。あとは、規模が大きくなればと考えていました。

規模を大きくするためにまず、何をやられたのでしょうか?

Shindyさん 1つは『継続』。リピーターを増やし続ける。もう1つは『発信』です。Twitterマーケーティングをメインに動きました。イベントの告知だけでなく、自分がどういう思いでやっているのかをひたすら伝え続けました。そして、最後に他との『差別化」です。それが、出来ていないと人は来ないです。お客さんは僕のイベントに来てくれることでどういう体験を届けられるのかを考えに考え続けました。そこで、企画型イベントに辿りつき「沈黙ダンス」※(プレイ中会話を禁じというルールのクラブイベント)が生まれました。マイナスイメージを吹き飛ばして、ひたすら音楽に集中できる空間ってどう作るんだろう?ということから喋れなくしてしまえばいいんだとなった訳です。

最初の1年間は何をされましたか?

Shindyさん 最初は一般的なパーティーを行いました。そこから、2016年の2月くらいですかね、初心者ディスコというのを始めました。いいイベントだね。とは言われるもののなかなか集客率は伸びなくて。まぁ、1年もやっていくとまぁまぁな大きさのイベントにはなるんです。初心者ディスコをやっている人という認識を周りに持ってもらうようになり初心者ディスコの人が新しい沈黙ダンスってのを開くよとなり、沈黙ダンスおもしろいじゃんってなってどんどんバズっていった感じです。そこから暗転ダンス※(プレイ中一定時間アイマスクをするイベント)や匿名ダンス※(出演者に仮面をつけ誰がプレイしているのかわからなくするイベント)などに来ていただけるようになりました。

色んなパーティーを開いていますが、イベントのこだわりはありますか?

Shindyさん どのイベントを開いても、一貫しているのは初心者が来て楽しめるかどうかです。もう1つ、音楽に集中できる仕掛けを考えています。沈黙ダンスは喋らないことで目の前の音楽に集中できる仕掛けを。周りのしゃべりごえ(ノイズ)を消せるようにしました。次に暗転ダンスを思いついて、視覚を奪って音楽だけに没頭できるようにしました。ただ、真っ暗闇だと安全面上、問題があるのであいマスクを配ってお客さんごとに暗闇で音楽に没頭して欲しいということになりました。更に、日本人って好き勝手踊ってくださいって言ってもなかなか踊れないと思うので、周りの目を気にならなくさせることにも成功しました。そして、その恥ずかしさ取っ払うことに関しては、より匿名ダンスでアップグレードに成功しました。匿名ダンスに関してはずっと顔がわからないので、お客さんもDJ(出演者)も本当に恥ずかしがらずに踊れます。個性がなくなった状態でのダンスなのですごい新鮮でした。フライヤーもDJも秘密で、当日にばれることはあるんですよね。
 まぁ、それに関してはDJに集客を頼らないという違う挑戦もはいいっています。なので、出演することがわかっている人も告知も禁止なんですよ。本当は豪華なゲストを呼んでいても、僕も言えないんです。
 そうなったのも、僕がノルマ制度のイベントが嫌いで。DJや出演者がノルマ背負ってでるのは無しにしようと思っていて、僕のイベントでは1回もノルマをつけたことが無いんです。周りの人には、パーティーそれで開いても絶対成功しないよって言われ続けていたんです。ノルマつけないと人を集めようとしないから、僕が集めないとこけちゃうよって言われてました。確かに始めた頃は人も少なくて苦しかったです。でも、僕はノルマとかで集めても本質的じゃないと思っていました。それよりもDJの人たちがお客さんを呼びたい、呼びやすい魅力的なイベントを開くのがオーガナイザーの使命だと思っていました。それもあって、企画型イベントにしたっていうのがあります。匿名ダンスっていうイベントもDJは告知が出来ないけど、本当にこのイベントが好きなら個別で呼んだりはしてくれるはずだとは思っていて。実は、俺出るんだとかね。実際、皆やってくれて色んな人が遊びに来てくれました。SNSではもちろん禁止なんですけど。こっちのほうが集客の形としても本質的だよなとすごく思いました。

先ほど、ノルマが嫌いとおっしゃっていましたが、Shindyさん自身ではノルマを課しているようなつぶやきを拝見しました。人に優しく、自分に厳しくの原点はありますか?

Shindyさん オーガナイザーとしてとプレイヤーとしてを別けて考えています。プレイヤーのDJShindyとしては、勝手にノルマをかしています。お客さんを絶対連れて行くことを決めています。現在のパーティーってノルマ制からチケットバック制に変わっています。その結果、オーガナイザーの負担が大きくなったんですね。演者としてもノルマがなかったら、今回はお客さん呼べなかったです。すみません。で終わってしまうときもあるんですよ。オーガナイザーとしては正しいと思うんですけど、プレイヤーとしてはノルマが無いからこそお客さんを呼ばないといけないと思うんです。LIVEもDJも無料で出させてもらう場所じゃ無いんです。プレイヤーとしてはそういうところを大切にしていかないと死んでいくと思います。プレイヤーとして考えた時、お客さんを呼べない人がアーティストとしては厳しいと思うよっていうのをスタンスに持っています。だから、立場の違いですね。オーガナイザーをやっている時には、お客さんを呼べない演者に1万払えよとかいうのは絶対やりたくないんです。先ほどからいっている通り本質的ではないので。
 DJ業界もプレイヤーが沢山増えてきて、その中でじゃ誰を呼ぶのってなったときによりいいアーティストを呼びたいですよね。じゃあ、いいって何かって考えると純粋に技術・パフォーマンスが優れているものとちゃんとファンを持っているかだと思うんです。どっちかでもいいと思いますが、どっちも持っていれば最強ですよね。現代のアーティストはその両方を持つべきだなというのは感じています。もちろん、どっちかに優れているのもありです。でも、どっちも微妙、中途半端だと今後ブッキングはされなくなっていってしまうだろうなと思います。だから、僕はどっちも目指しています。オーガナイザーとしての痛みを僕はわかっているのでなるべく還元できるプレイヤーになりたいですね。

どっちの立場もわかっていて良かったことはありますか?逆に悪かったことはありますか?

Shindyさん ありますね。僕は本質的にはプレイヤーでありたいので、色んなところに呼んでいただきたいです。プレイヤーだけやっていると見えない部分もあるので、このイベントってどれくらいお金がかかっているんだろうとか、オーガナイザーが何を求めているのかとかそういうところが見えたのが大きいです。オーガナイザーもプレイヤーも全部を巻き込んで1つのパーティーを作るのは変わらないのでリーダーはオーガナイザーですけど、演者も呼ばれてから出てるだけだといいパーティーにはならないので、どっちの立場もわかるとパーティーとしていいものが作れますし、いいプレイヤーになります。悪かったことはないです。


ShindyさんのDJプレイは、毎回かける曲もジャンルも違いますが、どういった意識でやられているのでしょうか?

Shindyさん すごく、大雑把に言うとアーティストとエンターテイナーという意識が僕の中にあって両方、共存している人もいると思うんですけど、意識的にどっちによるのかをすごく大事に考えています。例えば、俺は、このジャンルでやっていく、このジャンルの魅力を伝えたいんだっていうのはアーティストよりの思考だと思います。まぁ、それがエンターテイナーではないってわけでは無くて、お客さんを楽しませるひとつの道なんですね。僕はどちらかというと、色んな音楽を伝えたい、そして何より目の前にいるお客さんを楽しませたいという意識がどうしても強いんです。自分のやりたいことより、お客さんが楽しんでくれることが優先なので、そこが原点です。だから、ジャンルは絞らずに、イベントごとのスタイルになります。クラブだったらEDMバキバキだし、ラウンジだったらおとなしめ、身内パーティーなら皆が知っているPOPも流します。

Shindyさんのようなスタイルの人はあまりいないですよね?

Shindyさん そうですね。DJ始めた頃の原体験があって、DJってめちゃくちゃ母数がいるので、普通に上手くまわしているだけだと、全然記憶に残らないんですよ。上手いDJって無限にいるんですよ。技術があるとか、選曲がいいとか。そんな中でオーガナイザーに今日出た演者で一番良かったよって言われるには、上手いし、楽しいし、イベントに貢献しなきゃいけなくて、その時思ったのが、色んな価値を自分につけなくてはこの世界で生き残れないと思ったんです。EDMで盛り上げれるし、J-popで場をわかせられすし、変な話、お酒もいっぱい飲みますし、他のDJの時は目の前でめっちゃ踊ります。あいつイベント呼ぶといいなっていうメリットをどんどん自分の中でつけました。っていうのが選曲やプレイスタイルにも表れているんだと思います。その中でも、こうしたほうがいいじゃんっていうことをやっています。最初見てて思ったのがなんで皆すました顔でやっているんだろうって思いました。楽しそうにやったほうが絶対お客さんも盛り上がりやすいのにって思って、そういう絶対やったほうが良くない?ってことを1つ1つ足していってますね。僕はもうMIXが雑でもいいからジャンプして盛り上げるでもいいと思います。DJとお客さんで分断されがちなんですけど、結構コミュニケーションがあると思っていて、僕らもお客さんのこと見てますし、お客さんももちろん見てくれています。あのDJ乗り気じゃないなって思われたら、お客さんは去りますし、あのDJ楽しそうが伝わったり、目が合ったら前に出てきてくれるんですね。この間も僕の前のDJのかたがクールにやられていて、お客さんも見なくなってしまって、BGMに変わってしまっているんですね。何故ってお客さんを見ていないからなんです。僕に代わって、地声で「よろしくお願いします。」っていって、皆こっち見てくれて、手を挙げてくれるんですね。大きい箱だと距離が開いてしまうんですけど届いたなって感覚があります。やっぱり、気持ちが届くとお客さんも盛り上がりますし、よかったねっていってくださります。そこのコミュニケーションを大事にしています。

○○ダンスのようなもの以外にもお花見会やハロウィンパーティーなどさまざまな企画を立ち上げていますが、その発想はどこから?

Shindyさん 日常の会話から思いついたことをやっています。そもそもにクラブイベントってこうあるべきだっていう固定概念が無いんですね。クラブで流しそうめんとかやったんですけど、夏だし流しそうめんやりたくない?しかも音楽あったら最高じゃない?とかそんな感じですね。どうしても知らず知らずのうちに固定概念がうまれてきてクラブイベントならこうあるべきでしょみたいなイメージって皆あるんですよね。僕はそれをださないようにして、気取らないってことを意識してます。

立ち上げた企画は現状イメージどおりに進んでいますか?

Shindyさん まだまだですけどね。もっと大きくしていきたいです。まぁ、上手く今年はバズれたので来年はもっと大きくしていきたいですね。

ブログにも1人でがんばるのではなく一緒にがんばれる仲間を探す。とありましたが、なにか経験があったのでしょうか?

Shindyさん 結局、去年1年間なかなかイベントが成功しなかったのって僕1人で頑張りすぎていたというか、なるべく人に頼らずに自分で作ろうとしていたんですよ。今も基本的には自分たちで作っていこうとは考えているんですけど、とはいえ、自分ひとりでは限界があって頼らなくてはいけない。上手くチームで動かないと大きくする言は出来ないっていうのを1年間で学びました。イベントの作り方は大分変わりました。例えば、去年は1人で全部僕がやっていたんですよ。ブッキングも宣伝も会計も。今年からは、DJをイベントによって一部レギュラー化したりしました。それがどういうことかというと、メンバーを固定化することでコミュニティを作り出しサークルみたいな間隔で団結力を高め、役割分担をしましたね。あと、単純にイベントが増えたこともあります。

イベントを通して何を見出して、何を感じましたか?

Shindyさん すごく抽象的な話をすると、人生楽しくありたいじゃないですか。Afromanさんが世の中の楽しい総量を増やすということを言っていて、楽しいって増えるはずなんですよ。楽しいの総量って決まっていないので皆が楽しいってこともありえるんですよ。その考え方と似た考えを僕も持っていて、皆の人生ちょっと楽しくしたいんです。自分もそうだし、僕と出会った人も。その1つに友達だと思うんです。人とのつながりの場としてパーティーをやっているんです。いいパーティーって皆幸せなんですよ。皆、幸せのパーティーってやばくない??せっかく人生をかけてやることなら皆楽しいことやったほうがいいじゃんって思います。僕は、お金とか物欲とかにあんまり執着が無くて、何が1番必要って友達が欲しいんです。友達と毎週会ってお酒が飲めれば超HAPPYじゃんって思っています。そういう人生でありたいし、その考えに共感してくれる人の為にもこの活動をしています。まとめると、僕がコミュニティを作って皆でHAPPYになりたい。それを実現する1つの武器として音楽を選んだんですよ。音楽は人と人を仲良くさせる力があると思っていて、ただの交流会ではなく、クラブイベントを選びました。」

これから、何か新しいことをしようとしている人へアドバイスはありますか?

Shindyさん 曲げずに続けるということ、継続は力なりってよくいったものだなと思います。やろうとしていることを続けると、絶対理解してくれる人が出てくるので、自分のやろうとしていることが正しいと思うなら突き通すべきですね。

続けていく中で、途中で挫折する人もいると思います。続ける上でのポイントはありますか?

Shindyさん 続けられない人はそこまでの意思が無い人だと思います。続けるだけなんです。お金が無いなら、借りればいいし、お金を使わない方法を探せばいいです。心が折れちゃう原因に、お金にならないとか誰もついてきてくれない。とかだと思うんです。でも、人生をかけるのであれば、1人でもやり続けるという覚悟を持ったほうがいいです。そこまでの覚悟が無いならやらなくていいと思います。具体的な話をすると、続けるのは大事なんですけど、改善はしなくちゃいけないです。俺はパーティーをやりたい。でも上手くいかない。そしたら、パーティーのやり方を変える。これは、物凄く大事です。お金にならない、じゃあどうしよう。お金になるように動くのか、コストが掛からない方法を選ぶのか。もっと人がついてくる方法にするのか。心折れちゃう要因って結構具体的なんですよね。それをつぶしていって、思いは達成するように続けて、方法はどんどん修正・改善の連続です。小さく大きく変えるのは問いません。その中で、ここは続けていくべきなどのいいことも絶対にあるので、いいところは伸ばしていきましょう。何も考えずに続けていると一生は変わらないことはあります。ダルビッシュが言っていた言葉なんですけど、努力は裏切らないというけれど、頭を使わないと裏切るよ。っていっていて間違いないなと思いましたね。やり続けるは大前提、モチベーションで左右されている場合じゃないです。

今までで1番最高のパーティーはありますか?

Shindyさん パーティーはいつも最高です。最高は常に更新していきたいです。ただ、イベントやっていて良かったなと思ったのが16歳の高校生がコーラ一杯で4時間踊って帰ってくれて、すごい楽しかったです。といってくれて、もし、仮に僕が死んでもこの子の中に楽しみの1つが残るなって思って、その瞬間にやってきて良かったなと思いました。来ていただいたお客さんの喜びの一言が、続けられる原動力になっていますね。