eスポーツのスポンサー獲得に思うこと ※個人的な意見

先日、なぞべーむさんがeスポーツビジネスについてnoteに書かれていましたが、それについて私も思うことがあり、書かせていただきました。

【なぞべーむさんのブログ】
https://note.mu/nasobem/n/n389cea5aea9b

個人的な感覚だと、現在のeスポーツ事業全体は、主催型(RAGEとか闘会議とかGAMEMASTER CUPとか)は赤字、受注型(ウェルプレイドさんとかグルーブシンクさんとか)は黒字になっているはずです。

主催型は興行主として主催するので、BtoC(チケット収入、グッズ販売収入、チャンネル課金など)とBtoB(スポンサー、配信権など)のビジネスモデルです。集客や配信視聴数などによりイベントの「価値」が決まるわけで、日本においてはまだまだ先行投資のフェイズです。
日本におけるeスポーツは、まだまだシーディングの時期ですので、彼らがいないとこれからのeスポーツも盛り上がらないですね。
個人的には、近い将来ESLのようになってくれると思い、応援をとにかくしています。

受注型はいわずもがな、BtoBのビジネスモデルですので、クライアントからの発注ベースで案件が進みます。いわゆる、メーカー主催の大会ってやつですね。
そのため、基本的には黒字になっているので、ビジネスとしては当たり前に「儲かってる」といえるでしょう。
ただ、これはクライアントがいるから成立するビジネスですので、タイトルが売れない、課金されないという要因が絡むと、そもその案件自体がなくなるリスクはあるものの、ゲームメーカー側がやり続ける限りは需要もあることになります。

主催型も受注型も一長一短はあるものの、eスポーツを盛り上げるための両輪であることは間違いありません。

さて、今日の本筋の話です。
主催型にせよ、受注型にせよ、eスポーツ大会(オンライン、オフラインは問わず)を実施するにはお金はかかるわけです。
そのお金をどうやって稼ぐかについて、いろんな収入源を各社が頭をひねって見つけているわけですが、一番手っ取り早く、そして大きく収入を上げるには「スポンサーからの収入」が重要となっています。

【DIGDAY:スポンサー収入について】
https://digiday.jp/brands/state-esports-advertisers-five-charts/

eスポーツビジネスにおいて、スポンサー収入の割合が40%。
eスポーツビジネスにおいては、最も重要な収入源であることが分かります。

さて、そのスポンサー収入ですが、一言でスポンサー収入といっても、スポンサー側の出すお金の中身は2つに分かれると思います。

・ブランド予算
・販促予算

分かりやすく言えば、「ブランド予算」は、自社商品、自社サービスのイメージを良くするために使用される予算、「販促予算」は、自社商品、自社サービスを売り上げるために使用される予算ですかね。
※マーケティングの知識に乏しいところがあり、個人的な理解度に問題があるということで、ご了承ください。
※この分け方が適切かどうかはスポンサーする側の予算の考え方により異なってきます

この2つの予算のうち、予算規模が大きいのはどちらでしょうか。
当然ながら「販促予算」≫「ブランド予算」となります。

理由は明確です。
使ったお金で売り上げがあがるかどうか。
そうなれば必然的に「販促予算」が予算規模として大きくなります。では、現在のeスポーツにおいては、どちらの予算から費用がでてきているのでしょうか。
答えは、両方です。
が、現在のところ「ブランド予算」から出ているほうが多い気がします。
理由は、新規層へのPRというのが大きいのではないでしょうか。最近特に言われている言葉でいえば、ミレニアム世代へのPRともいえるかもしれません。
例でいえば、日清食品さんが積極的にeスポーツへスポンサーするのは、
通常の広告宣伝ではリーチできない層へのPR、またゲームしながら日清食品製品を食べるというイメージ訴求という部分が大きいと予想されます。
それ以外にもJesuの公式スポンサーである、「au」「SUNTORY」「LAWSON」「BEAMS」「INDEED」といったところは、eスポーツを通じて新規層へのPRという名目でスポンサードしたのかなと思います。
ちょっと話はそれますが、プロゲーミングチームへのスポンサーもブランド予算ですかね。
※Jesuの専属代理店として電通さんが指名されてますね。まあいろいろとやったのだと安易に想像できますが、あながち外れてないとは思います・・・・。ところでJesu主催の大会は「INDEED」でアルバイト募集とかしないのかな。
その他の事例となりますが、「ULTRA JAPAN」「DANCE@LIVE」などへのスポンサーはブランド予算から出されていると聞いたことがあります。

では「販促予算」としては、どうスポンサーとして投下されるのでしょうか。
例でいえば、PCメーカーやデバイスメーカーが大会へスポンサーしているのは、おそらく販促予算が多いかなと思います。
大会を視聴や来場しているファンは、プロゲーミングチームが使用しているデバイスや大会で使用されているPCを使ってみたいと思っている方も多いでしょう。
また会場が秋葉原であれば、実店舗とのキャンペーン展開で売り上げも期待できますし、配信で見ている場合でもネットショップでの割チケ配布などで、購入機会の創出も可能です。

さて、これからeスポーツ大会を開催を検討しているゲームメーカーの皆さん、大会の主催企業の皆さんは、どちらの予算からスポンサー費用を取ってくるのがよいのでしょうか。
私の個人的な意見としては、「ブランド予算」からを狙っていくのがよいかと思います。
とはいえ、単純に「大会のスポンサーになってください、ブランド予算で!!」という営業をしても意味ないので、きちんと大会で採用するタイトルや視聴層、過去に大会を行っているのであれば、視聴数や視聴者層のデータ、来場者数、来場者データからスポンサーがメリットを感じられるものにすることが必要です。
またそれに合わせた協賛プラン(会場にロゴ掲出やブース出展、配信内でのCMやインフォマーシャルをやるなど)の提案が必須です。

それから、一番重要なのは「夢」をぜひ語ってほしいです。


これから日本のeスポーツがどうなっていくのか、そして採用されたタイトルはどうなっていってユーザーはどう成長していくのかなどです。
「夢」のない産業は必ず衰退します。
過去のeスポーツ元年では、「夢」はあれど、その実現性に乏しかった。
ただ今は違う。「夢」は現実味を帯びてきましたし、世の中がeスポーツを理解し、認識し始めている今であれば「夢」を買ってくれるスポンサー企業は多いはずです。
そしてスポンサーしたことで商品イメージアップや商品が売れたなどの実績ができれば、継続的な支援もしてくれますし、事業提携、協業などで新しい組み方もできてきます。そうなれば、市場も活性化して、更にお金を運んできてくれることになると思います。

今はなかなか上手くいかないことも多いと思いますが、チャレンジがないところの大きなリターンもありません。
eスポーツを主催する企業の皆さん、ゲームメーカーの皆さん、今は事業としてはおいしくはないと思いますが、少なからず応援しているファンやユーザーが日ごとに増えていっています。
本当に、本当に応援していますので、頑張ってください!!
何かできることを見つけて、私も頑張ります!!


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