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こわいもの

いつからか
階段がこわくなった。あれだけ段飛ばししてたのに絶対出来ないし、手摺があれば安全確保する。多分階段で滑り落ちたから落ちかけたせいだと思う。
高い所に行って「こわくないよ〜」って言ってた人が急に体がすくむ…あの感覚だ。突然わかってしまうのね、自らの現状に。自らの弱さを知って途轍もなく目眩を感じて心が落ち着かなくなる…自分が体の外に突然押し出された気分というのか…とにかくこわい。

それは、日々の暮らしに出てきたのは、いつかはっきり覚えている。あの日から気の強い私は何処かへ行った。影の様に残っているけれど殆ど出ないで体が震える様になった。人が一番こわい。そう、あれも人からだった。そしてそれから私は務めて笑うようになった。とは言え少ないけれど、それでも、こわいを消したくて笑うようになった。作り笑いでも力はある。

こわいものには敬意を払うと良いの。
絶対あるものだから、否定せず、自分が弱いことを受け入れて敬う心を忘れない。私の処世術なのかも知れない。長い時間をかけて、こわいと付き合う術を少しずつ身につけた。心も平静を作れるようにする。

こわいは山ほどあるから、拒否できないから。人はそれぞれだから。
…これって、諦めてんのかな。そんな風にも思ってしまった、今。でも、「違うよ」って、思いたい。

こわいは、酷いものばかりでもないのだから。

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