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忘れられないと忘れない

あの年の今日の朝から長い間、
震災の起こった街は闘った。
今も
その想いを持ち続ける方がおられる。

阪神淡路大震災は、
「関西に地震は来ない」神話を
破り捨ててしまったのだった。

辛うじて難の少なかった私の家で、
その朝テレビを点けた。
和やかな番組の絵が揺れた。自分も。
訳がわからずも、
仕事に支障があってはと、
早く支度をして駅に向かった。
静かだったのは
電車が動いていなかったから。
人が慌ただしく動き話していた。
まだ訳がわからず、
他の電車に急いだが、同じだった。

上司に電話した。
「こんな時にかけてくるな!」
「とにかく自宅待機して」と。

後はメディアからの辛い情報が
毎日駆け巡った。
1ヶ月して、
神戸まで動く様になった電車と徒歩、
それで仕事に出た。
ヒビの入った街、
崩れ落ちた街、
割れた街、
時が止まった街だった。

仕事は客先で、
お客様の会社は全国展開していたので、
これ以上停められない状況だった。
体も頭も酷使したが、
必死だったからもっていられた。

みんなが肩を叩き合い、
乗り越えようとしていた。
涙が止まらない事もあったが、
みんなが頑張っていた。
でも戻りたいなど思わない。
多くの犠牲があり過ぎたから。
忘れられないあの日々。


令和って、元号まで変わった今。
強く生きなければならない今。
それなのに何なんだろう、
ふわふわした風潮に流されて、
強さが足りない気がする。

あの日に戻るもんか。
でもあの日を忘れない。
忘れるもんか。
何気ない事に押し倒され、
怪我をしてしまう事が増えたけど、
強さを持っていた事を思い出せ。
負けるな
負けるな

そして押し倒すな。

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