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無駄なことから愛着が生まれるとしたら。


私が働いている場所は、標高が高い森の中にある。
ここ数日でぐっと寒くなり、最低気温は氷点下を下回るようになってきた。

こちらにきて2回目の冬を迎えようとしているのに、
相変わらず季節の移ろいを眺める余裕がなかったな。

いつもそんな感じの自分だけれど、
4年前の人生どん底の時期だけ、その辺に生えている草花をよく見ていた。
分からない植物があると、名前を調べたっけ。

テストに出るからとか、仕事で使うからとか、何か役に立つことしか、
やっちゃいけないと思っていた自分。
無駄なことはしている時間がないって思っていたのに、
その辺の植物の名前を調べるって、無駄なことをやっていた。
自分のためだけの無駄な学習って、これが唯一なのかもしれない。

今まで見えてもいなかった道端の植物の名前を知った時、
不思議と、自分が見ている世界に愛着を感じた気がする。

今の職場に愛着があるか、それを聞かれたら上手く言葉にできない。
日々のやるべき事が積み上がり、それをこなすだけの毎日。
せっかく美しい自然に囲まれているのに。

ここを去る前に、ほんのちょっとでいいから、
足下の自然を見るっていう、無駄なことをしてやろうと思う。


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