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おおいぬ座のシリウス


夜カーテンを閉めずに寝たら、何かがすごく明るくて、目が覚めた。
自分でもびっくりしたのだけれど、星だった。

星が明るくて起きることってある?なんて思いながら、
でも、こんなことは初めてだったので、眼鏡をかけて見た。

窓の真ん中にはオリオン座。
その斜め下あたりに、強く光る白っぽい星。
おおいぬ座のシリウスだ。

私が住んでいる所はすごく田舎だから、星が本当にたくさん見える。
夜空を見つめるほどに、星が増えていくような感じがする。

そんな空の中で、シリウスはひときわ明るい。
「星に願いを~」みたいにふんわりしてなくて、
迷いなく、強く輝いている。

私や私の環境は、木の葉が舞うように不規則で、
胸が痛くなるくらいに、目まぐるしく変わっていくけれど、
この星は全く変わらない。
私がどこに住んでいたって、冬の夜空で輝いている。

それに、星を見るって、お得だって思う。
高山植物を見たいなら、お金も時間も体力も使って、高い山に登るでしょ。
有名な美術作品を見たいなら、美術館の入館料や交通費がかかるじゃない。

病気になって、仕事を辞めざるを得なくなって、手術でお腹を切って
動けなくて、体力もお金も不安で仕方ない時に、気づいた。

最低な時も、嬉しくて幸せな時も、なんなら何千年も、
ずっとそこにある存在。
星座神話には、あまり興味がない自分だったけど、
なるほど、こういう存在って、神さまなのかもしれないな。

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