缶に入った焦げ茶のベルト、謎が謎呼ぶ【メイド イン スコットランド】の印字
泣きの半荘
まず最初に、謝らなくてはいけません。
“井戸多美男作”のメガネ→“WHC”のメガネケースとDK.ブラウンでスタートしたはずなのに、“ハッドン&ジョーンズ”のベルトはLT.ブラウン、“チャーチ”の靴はM.ブラウンとブレてしまい、これはこれでなにか違うのではないか?と。
茶色は茶色でも色味がたくさんあって、同じ色名でもメーカーや商品によって若干変わってくるわけでして…
言い訳をさせていただくと、期限が迫ったdポイント消化に焦ってあのベルトをポチったのが失敗の始まり。
昔に販売していたサイトを見るとまだカラバリがあったみたいですが(焦げ茶もあり)、今となっては黒と薄茶しかありません。
買ってはみたものの、自分の中で納得ができずにモヤモヤが貯まってしまいました。
そういうことで、今回はあと半チャンだけリトライさせていただきます。
さて、
これから焦げ茶に近い色のベルトと靴をエントリーしていくのですが、条件を満たすだけなら目ぼしいブツは売っています。
ですが、昨今のコロナ第3波による『緊急事態宣言』。
住んでいる愛知もその対象です。
麻生財務相は、前回みたいな10万円の特別定額給付金を支給しないと明言しています。
原資もないのに、先行き不透明な2021年の今現在、ホイホイと買うわけにもいきません。
条件を満たすアイテムがあるといっても、「多分、私生活では使わねえだろう」的な、好みが違う浪費確定アイテムしか見つけられなかったので、それっぽい手持ちの私物でなんとなく『お茶を濁す』…今回はそんな話です。
49ersファッション
それでは、ベルトから。
この焦げ茶の革ベルトは、いくらだったか?すら覚えていない、かれこれ20年ほど前に買ったベルトなんですが、数回しか使用していないのでほぼ新品です。
今は閉店してしまった福岡のとあるセレクトショップで買った、“ヴィンテージ ワークス”の缶入りレザーベルトです。
名前からしてアメリカのワークウェアを意識しているこちらのブランドは、“リーバイス”501や“レッド・ウィング”ベックマンなどと合わせるのが、当然といえば当然の『鉄板コーディネート』でしょう。
労働者のためのジーンズを穿いて、労働者のためのワークブーツを履く。
おまけに、金鉱脈を掘り当てたときのスラングでもある“ラッキー ストライク”(ソフトパック限定)を吸っていれば、パーフェクト(ライターは、“ジッポー”に限る)。
1890年誕生の501XXなので、1855年に終わったカリフォルニアの『ゴールドラッシュ』には、リアルで穿かれることはありませんでしたが…
どのジャンルでもそうでしょうけど、オタクになっていくと徐々に他人とは違うブランド、他人とは違うモノを求めていき、界隈ではない人はあまり知らない『知っている人は知っている』アイテムに興味を示すようになります。
この系統だと、同じ米国のジーンズでも知名度がある“リー”や“ラングラー”ではなくて、畑違いの欧州ブランドでもなくて、ビンテージの501XXを病的にリスペクトしている日本の“ウエアハウス”や“フルカウント”。
合成繊維のポリウレタンが入っているストレッチジーンズは邪道ですので、シルエットがパツパツのスキニーとかはありえません。
綿100%のストレートオンリー。
ワークブーツなら、“ホワイツブーツ”や“ウエスコ”といった、そのカテゴリーの高級ブランドとか。
ワークブーツの本場アメリカだけあって米国産というだけではマウントが取れないので、高級路線に走るか?変わり種の日本産に走るくらいしかありません。
知らんけど。
真のアメリカ野郎になるならトップスには“カムコ”、“ファイブ ブラザー”やストア系“ビッグ マック”など古き良きアメリカ臭のする、フランネルシャツを羽織るのが定石です。
今でも『MADE IN USA』のものが、古着や運がよければデッドストックで見つけることができます。
ブランド名だけが同じ、新生の『MADE IN CHINA』や『MADE IN INDIA』ではダメです。
ただし!
チェックのネルシャツはその着方を一歩間違えてしまうと、他人から「ダサい」と認定されてしまうリスキーなシャツなので、その辺は十分注意してください。
1990年代のブームのときも横目で見ていただけなので、『アメカジ』について詳しくもありませんが…そんなアメリカナイズの“ヴィンテージ ワークス”のベルトは肉厚で、「シュッ」とはせずに「ポテッ」としてるわけです。
投稿期日も迫ってきて背に腹はかえられず、ベルト幅は3cmと細身なので『キレカジ』にもなんとか対応できるだろうと思い、候補に格上げしたのでありました。
ああ、パイプ咥えて探偵登場
そもそも、“ヴィンテージ ワークス”というブランド名でさえ、缶に「VINTAGE WORKS」と書いたシールが貼ってあるから知っていただけで、記事を書くにあたってブランドをちょこちょこリサーチすると、いくつか腑に落ちないことが…
◆製造番号が入った織りネームが、裏に縫い込まれていない。
◆どれだけ画像検索しても、同じデザインの缶が出てこない。
◆サイズ展開が奇数飛びしかないのに、裏に見える32の数字。
◆中に入っている油紙が、ロゴも印刷されていない白紙状態。
そして、衝撃の事実が判明します。
ベルト裏の文字を拡大してみると、「REAL LETHER」「MADE IN SCOTLAND」という文字がうっすら見えます。
『MADE IN JAPAN』ではない…
英国人が、日本人が作ったものをパクるか?
しかも、両国にまったくカンケーのない米国文化で、前項で私見を力説したアメカジの話は一体なんだったのでしょう?
たしかに、そのセレクトショップはアメリカではなく、ヨーロッパ中心の品ぞろえでした(だから、通っていたんだけれど)。
同じ英国製の革ベルトでも、“ダンヒル”のような都市の洗練されたデザインや格式はこれっぽっちも感じない、いうたらブリティッシュカントリー調です。
革靴にたとえると、“ジョン・ロブ”ではなく“トリッカーズ”。
我ながら、的を得たたとえ。
今一度まじまじと見てみると、そのイマイチあか抜けていないシルエットとは裏腹に、ベルトの革質や縫製のクオリティは高く、これは『羊の皮を被った狼』です。
いや…『羊の皮を被った山羊』。
モード系(狼)のような攻撃力はないけれど、ファクトリー系(山羊)のように防御力が高い。
真実は買った店に聞くのが1番間違いないのですが、先ほどお話したように今はないので真相は闇の中。
残尿感が残るだけの結末だったとはいえ、ベルトは隠しアイテムがあったのでなんとかいけましたが、『お茶を濁す』ネタがない靴をどうするか?1週間考えたいと思います。