ガメラはヒーロー映画だ!
こんばんは。
もっと定期的に投稿するつもりでしたが、とんだ筆不精のおかげで全然書いておりませんでした。(汗)
2021年も忙殺されて中々投稿出来ないかもしれませんが出来る限り投稿するよう努力したいと思います。(苦笑)
さて、今回は先週観た映画「ガメラ大怪獣空中決戦」について書きたいと思います。
初めて観たのはテレビで放送された時、記憶は曖昧ですが小学校低学年だったと思います。
多分一度しか観たことないし、長らく記憶の奥底に眠っていましたが、Twitter方面でのフォロワーさんによる情報でアンコール上映されることを知りました。
あらすじもはっきりと覚えていないにもかかわらず、衝動的に「観に行きたい!」という気持ちになりました。
そして観に行ったのが3/20。期間限定公開ながら有難いことに上映期間が延びていました。
実は正直なところ、直前まで見ることを躊躇していました。果たして大人に成り下がった自分があの頃と同じように平成怪獣映画を楽しめるのか?
しかしそれは杞憂に過ぎませんでした。
まず初めにドルビーサウンドが凄まじく良かったです!!!
IMAXレーザーGT程ではないにせよ、立体的な音響と迫力ある大画面で臨場感がが溢れていました。素人ながらもそう感じました。
特撮技術にはさすがに時代を感じるもののギャオスに対する恐怖感は今でも充分に感じられました。
個人的に特筆すべき点は2大ヒロインの役割です。
今作で語らないわけにはいかないのは鳥類学者である長峰真弓と女子高生の草薙浅黄。
どちらも美しくて鑑賞中の目の保養でしたが(おい)、個人的には特に中山忍さん演じる長峰さんが本当にきれいでお美しかった←
ギャオスの件でマスコミに取材されるシーンとか今なら「美しすぎる鳥類学者」のようなバカみたいなタイトル付けられて本人は悪くもないのに調子乗ってんじゃねえよとネットで叩かれてしまうんだろうな…。
閑話休題。
さて、この二人のヒロインが物語の展開において相対的な役割を果たしていることがよく分かります。
長峰は鳥類学者としての立場としてギャオスを(かなりアグレッシブに)調査し現実的な視点でその危険性を終始警戒しています。
ちょっとまた話は逸れますが、印象的だったのは学者の中で唯一目撃した理由だけでギャオスの対策責任者に押し付けられて、ドームにおびき寄せる作戦を思いついた時もお偉いさんから「こんな作戦で本当に成功するのかね?」と言いよじられている場面。
責任はあるけど権限は無い理不尽な立場はサラリーマンとして共感しまくりでした(マジ)
しかしそこで長峰が「どんな生物かも分からないのに対策しろと言ったのは誰ですか!」と反論したのはかっこよかったです。
一方女子高生の浅黄は主人公の米森から渡された勾玉をきっかけにガメラを崇拝するかのように特別な想いを抱き始めます。序盤でムー大陸やアトランティスに興味があるようなことを発言していたのでオカルチックな一面もありますが、それでもガメラに対する信仰の仕方は突発的でありながらどこか運命的で妙にしっくり来て、神秘的でした。
現実の立場から解決しようとする長峰と神秘的な立場から危機を救おうとする浅黄は良い意味で対照的で物語を補完し合っているように感じました。
二人が対照的なシーンをもうひとつ挙げます。
長峰が木曽山脈で調査している時、ギャオスの襲撃の中で子供を抱えて必死に救おうとします。この救うシーンはまさに「現実的な」場面。
一方で富士山麓にてガメラとギャオスの戦闘シーンでは、浅黄がタクシードライバーに禁止区域を突破してくれと無茶な頼み事をします。
そしてこれに対してタクシードライバーも「一度やってみたかったんだよね」と言ってゲートを強行突破するヤバさ(笑)
いや、浅黄はまだ未成年だけど、成人で且つ実行犯のアンタは逮捕案件だよとツッコミたくなりましたw
さて富士山麓にて浅黄はガメラを応援し、そして同じところに傷を負います。「神秘的」です。
…余談ですが、浅黄の父が娘の部屋で彼氏の写真を発見して「知らないところで大人になっていたんだな」とほほ笑むシーン。劇中彼氏の話なんか一切せずにあんなにガメラに夢中になっていてもかわいい子には彼氏がいるのは当然と突きつけられる(おい)シーンでした←
次に自分が語りたいのは実際に怪獣が日本に現れたら、というifに対してのリアリティ(とそれに付随する人間の愚かしさ)について。
最近ですと、「シン・ゴジラ」はその作品のクオリティの高さもありつつ、実際に怪獣が出現した時のシミュレーションがとてもリアルだったと思います。
しかし、「シン・ゴジラ」より遥か前にも「ガメラ」もまた怪獣が出現した時の状況を巧く描けていると思います。
例えば、ガメラが瀬戸内海に潜んだことにより瀬戸内海で獲れる魚が高騰したこと、ギャオスが東京を根城にすると東京から人々が逃げ出そうとして新幹線は激込み高速道路は大渋滞。証券取引所に人はいなくなり株は大暴落するという動き。さらにはギャオスは貴重な鳥類として保護しようとする政府高官(一方でガメラは攻撃しようとするのは整合性が取りづらいと思いましたが)。
「シン・ゴジラ」は比較的に優秀な人たちの動きを描き出していたと思いますが、ガメラでは人々の「愚かしさ」に上手く焦点が当てられていたと思います。
そして物語はクライマックスへ。ギャオスが東京タワーを破壊して巣にします。(そういえば昭和モスラでも東京タワーを破壊していましたね。東京タワーを破壊することが東京崩壊の象徴としやすいのかもしれませんが、令和怪獣映画では東京スカイツリーを破壊させるかもしれませんね)
夜行性のギャオスを日中に攻撃しようとしますが、ギャオスは眼球を遮光性の膜を作り攻撃を回避。この時の絶望感は素晴らしかったです。
そこへ登場するガメラ。
大空での戦い。その攻防戦にシンクロする浅黄。これもまた神秘性を巧く描けていました。そして工業地帯での最終決戦。ガメラがギャオスを焼き払うシーンは圧巻でした。ゴジラは昭和平成を通して(全てがそうではないにしても)人類を襲う畏怖すべき存在でした。一方でガメラは地球(結果的に人類も)を守る存在として描かれています。ガメラが子供や女性を守るのは全シリーズで象徴的に描かれていますが平成ガメラでもそうです。
まさにヒーローです。
・地球(及び人類)を救うヒーローとしてのガメラ
・科学的な現実的側面と神秘性側面それぞれ2人のヒロインの役割
・人間の愚かしさのリアリティ
この3点がこの映画の素晴らしさだと思います。
特にガメラのヒーロー要素は3で見事にアンチ要素として活かされていると思います。
鑑賞後は快楽的な余韻に浸れました。そして2と3も観たい!という鑑賞欲に動かされました。しかしこの鑑賞時はともかくこの文章を書いている時点(4/11)で2の「レギオン襲来」は既に復刻上映も終了してしまいました(泣)
仕方ないのでアマプラで観ようと思います。しかし3はやはり劇場で観たい!!!やはり劇場での臨場感は格別だと思いました。
それと中山忍さんが舞台挨拶でも語っていましたが、令和版ガメラを観てみたいです!今のCG技術でどうなるのか。ギャオスの絶望感、人間の愚かしさをどう描かれるのか想像が膨らみます。てか、金曜ロードショーは平成ガメラを放送して←
GWには3を観に行こうと思います。
改めて素晴らしい映画でした。
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