うめざわしゅん先生の「一匹と九十九匹と」を読んで
こないだ強めの雨が降ったんですよ。ただ、その日はどうしてもジョギングに行きたくて。エイヤッと、iphone片手にジョギング行ったんです。
そしたらiphoneがヘソを曲げてしまって。FaceID(顔認証)が全く反応してくれません。アプリは立ち上がるんですが、僕を全く認識してくれません。「今度は反応してくれたらいいな」と期待しながら顔認証を待ち続ける毎日です。彼女の瞳(カメラ)に僕が映ることは、もう二度とないのでしょうか。(言語学的には電話って、男性もしくは中性らしいですが。)
さて、最近Amazon Unlimited に登録しました。Amazonの読み放題サービスなんですが、とても充実してます。普段読まないような作者の本も気軽に読めるので、実に良きです。で、出会ったのがこれ。
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--------------------------以下、Amazonの紹介文より--------------------------
失意と疑惑と苦痛と迷い…一体僕達は何によって救われるのか?珠玉のオムニバスシリーズ第二集。
「人間はひとつの誤謬だ」
工場で働く浜名のもとに現れた一人の美しい女性、栗本。彼女との出会いですべての歯車が狂い始める…
人間、この劇的なるものは一体何処へゆくのか?人間性の底をつく問題作『機械に対する憤怒』を完全収録。
一切か無か、失せたる一匹の救いにすべてが賭けられる…異端者たちの叙事詩ここに終幕。」
うめざわしゅん先生。とても面白いです。今までノータッチだったのが悔やまれます。
鬱屈としたロリコンのルサンチマンを粛々と描いたかと思えば(なぜか共感できる)、能天気通り越して破滅的なキャラが突っ走るスラップスティックを描いたり、とにかく幅広い。性犯罪だったり虐待だったり、所々で重いテーマを扱ってはいるものの、読み応えはカラっとしていました。作者と作品が程よく距離取れている、様な気がしました。
※同作者の「パンティストッキングのような空の下」とかも良きです。
からの本作。ここまで色々書いておきながら、真逆です。どシリアスです。重いです。胃もたれどころではありません。主人公は良い感じにサイコパスだわ、登場人物は犯されるわ殺されるわ。読んでて鼻先が痛くなります。
作中、主人公たちが犯罪者に制裁を加えるシーンが有るのですが、
ここまで救いようの無い制裁はなかなか無いと思います。誰も報われない。
歯車が狂い続けていく様が、淡々と描写されていきます。
ただ、ラストシーン。主人公が一言でぶっ壊されるシーンは、
妙なカタルシスを感じました。積上げたジェンガを一気に崩すような気分というか。
決して万人に薦められるような内容ではないです。
というかこれを嬉々として薦めてくる人がいたら、絶対にお近づきにならないほうがいいと思います。
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