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吾輩は迷い猫である② はじめてのほかくき

吾輩は、迷い猫である。
名前は、梅。
前回は、不覚にも初日にして猫探偵に見つかったが、なんとか撒いた。
そして雪だ。猫生はじめての雪だ。
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雪だと猫は隠れて動かないので、今日は探偵の捜索はせず、捕獲器を置くことに。

Xさんに、猫の通り道や来そうなポイントと、「捕獲器」と「動体検知カメラ」の設置の仕方を教えてもらいます。
捕獲器は網の箱の中に餌をおいて、猫が踏み板を踏んだら入り口がガシャンと閉まる仕組みです。

匂いが強くなるようにウエットフードをあっためて、捕獲器に導くようにごはんやおやつを効果的に散りばめます。
さらに周りには梅の使用済みトイレ砂(安心するらしい)をネットに入れて撒きます。
そして捕獲器をセットですが、何回も失敗して間違えて蓋が閉まったり餌が飛び散ったり・・・。

他人の庭のすみっこでこれをやるのは結構むずかしい&悲しくなります。

よく考えたら令和なのに昭和いや大正みたいなアナログ捕獲器なんなの!?捕獲業界って時が止まってるんじゃないの!?もっと遠隔でシュンってできそうなんだけど!!と、私は捕獲業界のDX化を願ったのでした。

そんな感じで初めての捕獲器に奮闘したその日の夕方、

なぜか私は浅草公会堂でつるべえのスジナシを観ていました。

大好きな先輩からの招待だったので空けたくなかったのと、だんだん「私が何しようと梅は出てきたくなきゃ出て来ん」と気づいたからです。

つるべえが「次回のスジナシは半年後です」と言うので、「半年後、梅は見つかっているだろうか…」という気持ちになりました。

帰宅後、捕獲器をチェック。何もかかっていません。

しかしカメラをチェックすると、なんと梅が何回も映っているではありませんか!!
私がスジナシを観ている間に、梅は捕獲器の周りを練り歩いていたのです。しかし、捕獲器を怪しみまくり、去っていった様子でした。
「そんなに匂い嗅いで覗き込んで、入らんのかい!!」という感じでした。

確かにこのへんに居る!という希望とともに、後輩Hと一緒に近辺を探しました。すると
「梅タン!?」Hが住宅の隙間の奥に光る眼を見つけました。
「梅!?いた!?」
しかし、梅は少しキョドったあと、サーッと消えてしまいました。

Xさんに電話で「その様子だと今日明日、捕獲器に入ってくれるかもしれません。」とコメントをもらい、私はその夜いてもたってもいられず、
朝4時頃ドンキでマタタビを買ってきて、捕獲器にまきにいきました。

静寂の中、マタタビをまく私の後ろのフェンスで「ガシャン!」という音が。

③へつづく

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