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吾輩は迷い猫である③ 消えた梅

吾輩は、迷い猫である。
名前は、梅。
クッソ怪しい匂いのする鉄の箱を観察していたら、人間がめっちゃ来るようになった。
この辺気に入ってたのに…
うざいからちょっと違うとこ行くわぁ。
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フェンスの「ガシャン!」という音がして、何かが去っていきました。
暗すぎて梅だったのかどうか確かではありませんが、
その気配を最後に、梅の姿を見なくなってしまいました。

次の日も自力で近辺捜索をしました(一緒に探してくれた方ほんとにありがとうございます!)が、まっっったく見ません。

深夜にまたXさんが探しましたが、結論
「長期戦です。探しすぎて少し遠くへいった可能性高い。ただ戻ってくるとは思います。捕獲器とカメラは一応そのままで、しばらく目撃情報を待ち、場所の目処が立ったらまた来ます」ということに。

猫探偵は基本「22時〜8時の8h×3日制」。16hはすでに使っているので、残り8hをむやみに探すのではなく有効に使うということです。

とても合理的な話なんですが、当事者としては、この探偵のいない様子見期間、狂いそうになりました。

毎日夜に近所を捜索。「ウメ〜」と小さく呼びながら懐中電灯と梅のお気に入りおもちゃを持ちウロつく悲壮感しかないオバサン。能の「隅田川」の母親みたいです。

しかも、ちゅーるとかチラシとか地図とか色々持ってるからテンパってて、梅のおもちゃはどっかに落としてしまい…「梅戻ってこない暗示では」とネガティブ思考に。

何度も近所の観音様にお祈りしました。「梅が戻ってくるなら仕事はどーでもいいです、〇〇〇でも〇〇〇でもやります、散々プレしたのに作ったのwebのトップ画像だけ、みたいなのも全然」

他には、webのペット迷子掲示板も登録しました。ドコノコ、LOSTPET、迷子PET.NET、ネコジルシ。
東京にこんなに迷子いるんだ!?と衝撃でした。

あとは警察署、保健所、東京都動物愛護センターに届出。さらに地域のゴミ清掃局に遺体の収容がないかも震えながら確認します。
地域の動物NPOにも連絡して、見かけたら教えてもらうよう頼みました。

こんなに色々やってたら、もちろん仕事は手につきません。
メールの文字が頭に入らなくなってきたので、「私のことは居ないものと思ってください」と言い、しばらく有給申請しました。超迷惑。ほんとスイマセン。月報も「猫を探しています」のチラシ添付のみ。知らんがな!ほんとスイマセン。

この期間も1日じゅうカメラはいくつか設置していたわけですが、梅は映っていませんでした。

かわりにネズミ、ハクビシン、ハト、別の野良猫、散歩中の犬…いろいろな生き物が映っていて、さらに夕焼けだったりすると「は〜世界って美しいな〜…」と癒やされていたのでした。(添付画像は大胆な構図で映り込むハト)
ちなみにハクビシンは、捕獲器の踏み板以外の餌をすべて食べていました。手練すぎる。

そんな穏やかな捜索活動の中、つらい出来事が起こったのです。

④へつづく

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