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吾輩は迷い猫である⑦ ゴミ屋敷ミステリー

吾輩は、迷い猫である。
名前は、梅。
今夜もお気に入りの場所で、ごはん探し。
お外って冒険いっぱいで、楽しいわぁ。
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8日ぶりに見る梅は元気そうで、見事に「ほっつき歩いてる」って感じでした。あまり体型も変わらないように見えるが、ご飯食べれてるのか…?

とりあえず探偵Xさんに電話。
「今夜、最後の出動をお願いします。」
今夜保護できなかったら、明日から④の探偵Zさんにお願いするつもりでした。

さてこんなにクライマックスなのに、電車に乗って不動産屋に行きました。
実は引越をするつもりで新居を契約していたのですが、
梅がいなくなったので入居を延ばすか解約で、不動産屋と揉めに揉めていたのです。でも不動産屋にも梅のほっつき歩いている写真を見せたら喜んでくれました。

そして21時、Xさん到着、作戦会議です。
ずっと仕掛けていた空き家のカメラを確認するXさん。
「昨日たまたま通っただけで、二度と来ないかもしれない。
しかし、僕は梅ちゃんは今夜も空き家に来ると思います。」
ほう。

「見てください。昨日も一昨日も、夜中1時頃に、空き家に何かを投げ入れているおばさんが映っています。」
それは私も疑問だったけど、空き家はものすごいゴミ屋敷なんで、ゴミ投げ入れてるのかなって思ってました。

「これはおそらく、猫の餌を投げ入れています。実は初日深夜の捜索中、この人に会いました。梅ちゃんのチラシを渡すと、「猫はよくわからないわ〜」とそっけない態度でした、が、アレは隠れて餌をあげている人の反応だったんです。」
え、なんで餌をゴミ屋敷の奥に投げ入れるの、深夜に…

「おそらく、前は普通にあげていたのでしょうが、近所ともめたので、バレないようにあげているのでしょうね。」
うわあ。ゴミ屋敷の奥に転がった餌を、梅は食べていたのでしょうか…。
空き家のカメラに異様に野良猫が映っていたのも頷けます。
猫好きと猫嫌いのすれ違いが、誰も知らない餌場を生み出していたのです。

ていうかXさん、猫探偵っていうかもはや普通に探偵ですよね。

Xさん「今日は他の場所を捜索する手もありますが、空き家前で張り込みして、今までと違うドロップ式捕獲器で捕獲したほうが、可能性高いと思います。」
え〜どうしよう。また怖がらせて逃げちゃったら・・・
「むむむ無理そうでしたらご飯食べさすだけでも全然いいんで、あの無理せず張り込みお願い致します…(弱腰)」

そんなわけで21:30、Xさん、空き家前で張り込み開始しました。
私は家で待機です。 

⑧へつづく

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