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自分の声があんまり好きじゃない、そんな人に届きますように。書籍『伝わる声の作り方』(轟美穂著)の「はじめに」と目次を紹介します

 本書は元アナウンサー・ナレーターの轟美穂さんが、ご自身の経験と研究をもとに、声や話し方に自信が持てない方に向けて書いた”伝わる声の作り方”をアドバイスする本です。

 当社からはビジネス書のレーベルで発行しましたが、そうした悩みを持っている方は人前で話す機会の多い社会人だけではなく、自分と周りとの違いが気になり始める若い世代にも、実は多いのではないでしょうか。

 あらゆる世代の「自分の声や表現のしかたが気になる人」に本書を届けたいと考え、「はじめに」と目次を公開いたします。

 およそ8タイプの声質について解説する本書は、自分の声以外にもさまざまな声質があることがわかるのが特徴です。また、声についての悩みは人それぞれ多様であることもわかります。本書が話すことに不安を持つ方々の背中を押し、その人の個性ともいえる声質を磨くお手伝いができたらと思います。

(書籍企画担当)


さまざまな声質ごとにイメージキャラクターを登場させ、
難しそうな印象を極力排した誌面です。
(イラスト:OKAME カバーデザイン:Linon)

『声にコンプレックスがある人のための 「伝わる声の作り方」 タイプ別「声質を活かした話し方」で成果を出す!』
■著者:轟美穂
■発売日:2024年1月18日
■ISBN:978-4-7804-2866-7
■定価:1,650円(税込)
■仕様:A5判,128p,ソフトカバー

はじめに

自分の声が嫌い
「声が小さい」「もっと明るい声で」とよくダメ出しされる
声が大きくて「やかましい」とか「空気が読めない」と言われる
大きな声を出そうとしても出せない
無理に声を大きくしようとして声がかすれてしまった
人前でしゃべる時に固まってしまう
声を変えられたらいいのに
……この本はそんなあなたのための本です。


 私は、アナウンサー時代に自分の滑舌の悪さと声量に悩み、様々な方法で声を変えようとトレーニングをしましたが、自分の理想とする声にはなれませんでした。どうしたら声が良くなるのか知りたくて、音声外科の世界的権威である京都大学医学部名誉教授の一色信彦先生の押しかけ弟子となり、声
の研究を始めました。一方、2006 年より「声と話し方の教室」を主宰。これまでに約1 万5 千人の、自分の声に悩む人たちを指導してきました。

 様々な職業の方へのレッスン・研修を行う中で、受講生の多くが「声が変われば話し方が良くなる」と思われていることに気づきました。裏を返せば「そもそも自分の声がダメだ」という思いが根底にあるということです。

 「良い声になりたい!」と思うこと自体は決して悪いことではありませんが、声を変えるためのトレーニングは時間がかかるため、途中で挫折してしまう人が少なくありません。それだけでありません。「そもそもの自分の声ではダメだ」とダメ出しをしながら声トレを続けていくと、せっかくのもって生まれた声の個性を殺すだけでなく、もともとの声質を無理に変えようとすることで、悪い発声習慣が身につき、ひどい時には発声障害になってしまうこともあるのです。自分の声の悪いところや改善点ばかりに着目して、本来持っている良さにまったく気づかない。さらに自分の声を犠牲にしてしまう…それはあまりにももったいないことです。

 そこで本書では、「声は変えない」という大前提のもと、自分の声の特性を知り、受け入れ、活かしていく方法をお伝えします。

 まず、本書では声タイプ診断をしていただきます。どんなタイプの声も相手にとって心地よく聞こえたり、その場のコミュニケーションがうまくいく良い面(A 面)となる時と、状況によっては耳障りに聞こえたり、聞き取りづらかったりしてコミュニケーションに支障をきたす良くない面(B 面)となる時があります。それぞれの面を本書では「A 面」「B 面」と呼びます。A 面をよりいっそう磨いて、B 面になりそうな場面では工夫して改善していきましょう。

 自分に合った声で話せるようになると、自信をもって話せるようになります。自信をもって話せば、少々わかりづらくても、論理的につながっていなくても、人に聞いてもらえますし、想いは伝わります。逆に自分の声はダメだと思っていると、説得力がなくなり、想いを伝えることはできません。

 ぜひ楽しく声タイプ診断をして、あなたの声に合った練習を、取り組みやすいものから始めてみてください。本書が、あなたが自分の声を好きになり、自分らしさに自信を持つきっかけになりますことを心から願っています。

轟 美穂

目次

はじめに

プロローグ
声について知りましょう
声はどのようにして出るの?
声はどのように決まるの?
声質マトリックス
どの声タイプにもA面・B面がある
8つの声タイプ

第1章 自分の声質を知らずに生きている人が損をしてしまう理由
自分の声にダメ出しをし続けた15年間
生まれもった声帯は変えられない
声で理不尽に追い詰められた人たち
「良い声」の定義はない

第2章 「声質に合った話し方」をするとこんなに生きやすくなる
声を変えなくても話し方を変えるだけで物事は好転する
自分ダメ出しは百害あって一利なし
自分の声を活かして成功した人たち

第3章 あなたの声を診断してみましょう
声診断の目的
診断1*あてはまるものを選びましょう
診断2*質問に答えましょう
診断3*アプリで声の高さを測ってみましょう
診断4*話す速度を測ってみましょう
総評

【タイプ別解説】
*パリピさんタイプ
*アイドルさんタイプ
*リーダーさんタイプ
*長老さんタイプ
*妖精さんタイプ
*クールさんタイプ
*セクシーさんタイプ
*ぼくとつさんタイプ

第4章 B面をプラスに変える話し方
10のパーツでB面を改善する
*パリピさんのB面をチェンジ!
*アイドルさんのB面をチェンジ!
*リーダーさんのB面をチェンジ!
*長老さんのB面をチェンジ!
*妖精さんのB面をチェンジ!
*クールさんのB面をチェンジ!
*セクシーさんのB面をチェンジ!
*ぼくとつさんのB面をチェンジ!

第5章 【場面別】 自分の声を活かした話し方
スピーチ・プレゼン
就活面接
動画・音声配信
部下に指示する
謝罪する
上手に断る
主張・反論する
しきる・まとめる

コラム
私が私の声に出会うまで【番外編】
楽に声を出すためのウォーミングアップ
自分の声を録音して聞くことはお金のかからない上達法
本番前の緊張対策

おわりに

著者プロフィール:轟美穂(トドロキミホ)
ボイスコネクション代表。スピーチコンサルタント。東京都生まれ。短大卒業後、念願のラジオ局アナウンサーとなるも、滑舌の悪さと声量に悩み、独学で声の研究を始める。ラジオ局を退職後フリーアナウンサーを経て、俳協所属ナレーター。経済・情報番組のレポーター、ラジオパーソナリティ、TVナレーター、長野オリンピックなど国際イベントのアナウンサー、司会者として活動。京都移住をきっかけに、2006年より声と話し方の教室を主宰。指導実績20年で1万5千人を指導。長年の経験と、多分野における学びを経て、「自分の声の特性を理解し活かしていくことが、魅力を引き出すだけでなく、楽に長く話すための方法である」ことを伝えている。保健福祉学修士/国家資格キャリアコンサルタン卜/全国通訳案内士(英語)

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