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【活用事例:創薬】有効成分の高濃度配合

1.有効成分の良溶媒の選定をラクにしたい

農薬・創薬・サプリメントの開発現場において、有効成分を高濃度に溶解する溶媒が必要になることはありませんか?

本記事では、サプリメント開発を想定し、ビタミンCを高濃度で溶解するための溶媒の初期選定を、一切実験を行わずに予測してみたいと思います。

2. ビタミンCの溶解度パラメータを求める

まずはビタミンCの溶解度パラメータを分子構造から推定して求めます。分子構造の入力が複雑で面倒な場合は、SMILES記法を用いることもできます。

分子構造の入力画面
SMILESをコピペして分子構造を入力
ビタミンCのSMILESは、C([C@@H]([C@@H]1C(=C(C(=O)O1)O)O)O)O

計算結果を確認すると、溶解度パラメータは(dD:18.5, dP:14.8, dH:26.1)と推定されました。ビタミンCはOH基が多いので、水素結合項(dH)が大きめに出ています。ビタミンCは水溶性と知られていますので、このような結果が得られたと考えられます。

ビタミンCのSP値の推定結果
ビタミンCの溶解度パラメータの推定結果

3. ビタミンCの良溶媒を探索する

求めた溶解度パラメータから、良溶媒の探索を行います。今回はstandardプランで探索できる溶媒74種類から、最もビタミンCを溶解すると予測される単一溶媒を選定します。

溶媒探索範囲の設定
74種類の溶媒から良溶媒を探索(単一溶媒のみ)

4. 結果は…

SoluVisionが予測した溶媒は、エチレングリコールでした。ビタミンCとの溶解度パラメータの距離が最も近いエチレングリコールが、最もビタミンCを溶解すると予測されます。その他にもアルコール系の溶媒も複数提案されています。

ちなみに、ロート製薬株式会社の研究結果では、ビタミンCを高濃度溶解する基材として、ポリエチレングリコールを選定されています(参考:こちら)。

良溶媒の提案結果
ビタミンCの良溶媒の探索結果
第1候補はエチレングリコール

このように、実験をする前に溶媒を絞ることで、実験コストを大幅に減らすことが可能です。今回の事例では単一溶媒のみを扱いましたが、混合溶媒を探索範囲に設定することで、さらに詳細な検討が可能です。

溶媒の選定にDXを。ぜひご自身の扱う材料で試してみてください。

5.まずはやってみよう

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