Love me do


Love me doのdoの使い方についてですが、「do」はご存知の通り助動詞です。では、この歌詞の中での意味はなんでしょう?

ここでのdoは、動詞の意味合いを強調する働きをしています。
こうしたdoの使い方としては、Do/ does / did を動詞の前に置くことで、「本当に〜する(した)」といった感じで、動詞の意味合いを強調する働きをします。また、「do」は助動詞ですので、動詞は原型となります。

例文;
Believe me.I did call you many times.
(信じてよ。本当に何度も君に電話したんだよ。)

ここまででdoの説明は終わるのですが、そうするとDo love me.になると思われた方もいらっしゃることでしょう。

Love me do.とは Do love me.を倒置した、強調文なのです。
倒置にもいろいろな使い方がありますが、ここでは強調として使われています。


例文;
He was afraid of looking, but look he did, nevertheless.
(彼は見るのが怖かったが、それでもあえて見た。)

したがって、私がLove me doを訳すなら、「ねえ、愛してよ、僕を。」とでもなるでしょうか。

もっとも、歌詞としてのLove me doには、強調するためだけではなく、次に続く歌詞、you know I love you のyouと韻を踏むという効果があるのです。ビートルズの歌では、そしてイギリスの詩ではよく使われる技法ですよね。韻を踏んでいると、聴いてとても心地よい感じがしますね。また、キャッチーな言い回しにしたかったというビートルズの思いもあったのかもしれませんね。

【曲の解説】
ビートルズにとっての、記念すべきデビューシングルであることで有名なこの曲。有名なエピソードがいっぱいなんです。

まず、かわいそうなことに、ドラム担当のリンゴ・スターはまだビートルズ加入間もないためか、プロデューサーのジョージ・マーティンの信頼がなく、代理のドラマーがこの曲を演奏することになり、デビューシングルにドラムではなくタンバリンで参加している、というエピソードがあります。(とはいっても、この曲は3つのバージョンがあり、その一つではリンゴがドラムを叩いています。一般的に聴くことのできるバージョンでは、ということです。)

また、ジョン・レノンがリードボーカルのはずだったのに、ハーモニカを吹くためにその座がポール・マッカートニーに移ってしまった、というエピソードもあります。ポール・マッカートニーは「Love me do~」と一人で歌う部分について、「声が震えた。」とコメントしています。あのポールでもそんな時があったんだと思うと、なんだか微笑ましいですね。

そんな話題満載のこの曲の最大の謎、それは、なぜこの曲がデビュー曲に選ばれたのか、ということです。ビートルズファンの中にも「Love me doはあまり好きではない。」という人がいるくらい、あまり人気のないこの曲が、なぜ歴史的バンドのデビュー曲に選ばれたのか。(まあ、私は大好きな曲ですけど。ポールパートで歌うと気持ちいいんですよね。)

話題に出しておいてなんですが、正解を私は知りません(笑)。私の勝手な想像では、当時の音楽としては、こういったポップだけどブルースっぽい曲は珍しく、カッコよく感じるものだった、とか、不良だったビートルズのメンバーがきちんとしたスーツをきたアイドルとして歌うにはちょうど良かった、とか、そんな理由かな、なんて感じています。
どなたか、詳しい方がいたら教えてください(笑)

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